ー1号機非常用復水器の寿命を知りませんでした。ー
原子力安全・保安院は
東京電力株式会社から送付された原子力災害対策特別措置法第10条に基づく通報資料等の公表について
http://www.nisa.meti.go.jp/oshirase/2011/06/230624-2.html
http://www.nisa.meti.go.jp/earthquake/plant/1/230617-1-1.pdf
で資料を公開しています。
東京電力から 経済産業省 原子力安全・保安院原子力防災課への連絡みたいなもので、ある程度時系列で事故を追えます
2011年3月11日 14時46分 地震で緊急停止しました。
下図に15条通報用紙を示します。
見にくいですが・・
⑩直流電源喪失(全電源)があることに注意して下さい。
以下3月11日の資料を見ていきます。
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15時42分 10条の特定事象発生の通報
内容
全交流電源喪失 この頃に1、2号機はこのあと直流電源も失ったはずです。
ECCS系の作動状態は 無に丸が付けられてます。(図省略)
ECCSは非常用炉心冷却装置のことで、交流電源や直流電源で冷却等する装置群のことのようです。
交流電源が失われたのですから当然ですが
電源がなくとも動く非常用腹水器や原子炉隔離時冷却系の状態は分かりません。
またD/Gがトリップとありますが非常用発電機が動かなかった事を報じていると思います。
D/Gは海水系冷却ポンプの意味でも使われることがあるようです。
直流電源については特に触れられていません。
注意して頂いたように、直流電源が失われたら15条を通報するはずです。
交流電源が失われた理由は津波と特定しています。
所内の状況を合わせ考えれば直流電源喪失の15条通報は考えておかなければなりません。
16時36分 1、2号機について15条の特定事象発生の通報
内容
非常用炉心冷却装置注水不能
1、2号機の原子炉水位の監視ができないことから注水状況が分からないため、念のため通報したとあります。
ここでも直流電源については触れられていません。
その後、10条の訂正があり
16時45分
1号機の15条の特定事象発生は解除されました。
直流電源が失われた(失われる)事は15条の特定事象発生
であることに気がついていないか無視したことになります。
非常用腹水器をここから動かしても寿命は8時間です。
システムがどのようなものか所長は理解していないあるいは失念しています。
失格です。
17時07分 1号機について15条の特定事象発生の通報(3報)
2報はどれなのか?私にはよくわかりませんでした。
内容
1号機の非常用炉心冷却装置注水不能
1号機の原子炉水位の監視ができないことから注水状況が分からないため、念のため通報したとあります。
・・・・
いったい何をしているのか?
15時42分 に交流電源喪失による10条の特定事象発生の通報をしています。
2時間あまりすぎてから
1号機は18時10分~25分に非常用復水器の操作をしています。メモ4参照
圧力容器を安全に冷やすためには
復水器の弁を手動で開け閉めする必要がある事がわかっておらず
注水状況が分からないのはシステムを理解していないからです。
注水はしていないのです。(バカヤロー・・・)
安全神話ボケ(ナス)の全くデタラメ所長です。
なお、1号機の非常用復水器は
18時25分に手動で弁閉じ、復水器停止していることになっていますが
18時25分から21時30分までの状態はよく分かりません。
プラント関連パラメータを見ると
20時30分現在、
21時00分現在
IC(非常用復水器)動作中と保安院に連絡しています。
22時00現在
IC(非常用復水器)動作中(21:30 減圧開始 3A弁開)とありました。3B弁は開けられませんでした。中途半端に作業を終わらせたのか?壊れていたのかは分かりません。
メモ34参照
4報
内容
移動式モニタリングポストでは放射能の異常値は観測されなかったそうです。
5報 プラント関連パラメータが追加されました。
内容
2号機において原子炉水位が不明であり、RCIC系により原子炉への注入状況も確認できないため原子炉水位がTAFに到達する可能性がある。
このため地域住民に対し、避難するよう治自体に要請の準備を進めております。
TAF:有効燃料頂部
RCIC系は原子炉隔離時冷却系のことです。
20:30現在のプラント関連パラメータ
1号機 IC(非常用復水器)動作中
2号機 当初、RCIC(原子炉隔離時冷却系)が起動し、L8トリップ、その後電源喪失で起動不可RCIC(原子炉隔離時冷却系)停止中
2号機優先で電源車つなぎこみ作業待ち
3号機 RCIC(原子炉隔離時冷却系)動作中
2号機は始め動いたが圧力容器の水位上昇でRCIC(原子炉隔離時冷却系)が止まってしまった。
ことを言っているようです。
明らかに設計ミスで、直ちに全国のRCIC(原子炉隔離時冷却系)を改修するべきです。安全上RCIC(原子炉隔離時冷却系)の動作が最優先されるべきです。
6報
内容
2号機のTAF(有効燃料頂部)到達予想は21時40分頃と評価しました。
炉心損傷開始予想22時20分頃RPV破損23時50分頃
(2号機のTAF(有効燃料頂部)到達はこの後遠のきます。
このように原子炉隔離時冷却系が動かなければすぐにメルトダウンにつながります。)
1号機は評価中
21:00現在のプラント関連パラメータ
1号機 IC(非常用復水器)動作中
2号機 当RCIC(原子炉隔離時冷却系)停止中
2号機優先で電源車つなぎこみ作業待ち
D/D消化ポンプを起動し、炉圧が低下したら注入できる体制をとっている。
3号機 RCIC(原子炉隔離時冷却系)動作中
6報 訂正 訂正した箇所が分かりにくい(私はわからなかった)
7報
2号機について原子炉水位が判明し、現在TAF(有効燃料頂部)+3400mm上部にある。
TAF(有効燃料頂部)到達まで時間がかかる見込み→再評価
1号機のTAF(有効燃料頂部)450mm近辺にある。
TAF(有効燃料頂部)到達予想 評価中
プラント関連パラメータはありませんでした。
どうして原子炉隔離時冷却系が動きだしたのか?謎です。
8報
1号機 TAF(有効燃料頂部)+550mm
2号機 TAF(有効燃料頂部)+3400mm(L-2相当)
22:00現在のプラント関連パラメータ
1号機 IC(非常用腹水器)動作中(21:30 減圧開始 3A弁開)
2号機 優先で電源車到(?着)(グランド)M/C2Cにケーブルをつなぎ込む準備中。
MCですが
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110516k.pdf
をみると MCとは非常用高圧配電盤のことにようです。
(やはり常識的な電源車の使い方をしようとしている。メモ28参照TAF(有効燃料頂部)からは1号機のほうが深刻であるようにみえるが・・・)
3号機 RCIC(原子炉隔離時冷却系)動作中
好意的に解釈すると21:30まで3A弁開閉作業に追われていたことになりますが・・・
いったい何をしていたのか不明です。
9報
23時のサーベイ結果
1号機タービン建屋内で放射線量が上昇している
タービン建屋北側 1.2mSv/h タービン建屋南側 0.5mSv/h
8時間より早く非常用復水器の寿命がきたようです。
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毎日JP(残念ながら下記のアドレスは期限切れのようですが・・)
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110517ddm001040033000c.html
によると
このあと12日01時48分 復水器に給水するポンプの故障を確認。復水器停止となります。
(メモ4参照)
1号機は18時10分~25分に非常用復水器の操作をしています。
18時から8時間後は12日02時となります。
12日01時48分は非常用腹水器の水は空になっていたと思います。
プラント関連パラメータでは1号機に対し何の対策をとっていません。
非常用復水器の寿命を失念していたと思います。
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