2011年6月23日木曜日

原子力発電所の水素爆発について メモ28

東電のプレスで2号機の
 原子炉隔離時冷却系
は3月14日23時30分より前に止まったことがわかります。
2号機について考える前に
原子炉隔離時冷却系について整理しておきます。



 原子炉隔離時冷却系隔離時に圧力容器からでた高放射能水蒸気は、
原子炉隔離時冷却系タービンへ行くようです。
タービンから出た高放射能水蒸気は圧力抑制室(サプレッションプール)へ
行って冷やされ水になります。
サプレッションプールの水は原子炉隔離時冷却系ポンプで圧力容器に入り冷やすことになります。

非常用復水器よりはるかに安全に思えますが・・・・
圧力容器の高放射放射能が圧力抑制室に捨てられます。
格納容器に圧力容器クラスの放射能物質が溜まることになります。

原子炉隔離時冷却系は、連続ベントをしているようなものです。

原子炉隔離時冷却系を動かした原子炉を再稼働させるには、この高放射能水の処理をしなければなりません。
無造作に再稼働すれば、今回以上の放射能が大気中に捨てられることになります。
廃棄筒上部の放射線モニターは常時公開することを原則とすべきです。(メモ27参照)


前回同様に19日朝日新聞を中心に考えてみます。
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2号機 注水について

3月11日
16時36分 交流電源が失われ非常用炉心冷却装置による注水不能
時間不明 消火系で注水可能とした。

原子炉にはいろいろなルートで注水できるようです。ルポ東京電力 参照
圧力容器か格納容器かは不明です。

19時現在、東電プレスによると
「1号機においては、非常用復水器で原子炉内の蒸気を冷やしており、2、3号機
については、原子炉隔離時冷却系で原子炉に注水しております。」
とあります。
電源がなくとも、圧力容器を冷やす「非常用復水器」「原子炉隔離時冷却系」は動いています。
特に直流電源については触れられていません。

12日
15時30分 高圧電源車は1号機と共用で1号機 ホウ酸注入ポンプ手前まで送電?
訳の分からない電源車の使い方です。

15時31分 1号機爆発 電源ケーブルが損傷(?)高圧電源車自動停止(?)

13日
12時05分 海水注入準備 (所長指示)
時間不明 原子炉隔離時冷却系の停止?に備え海水注入用ホースの敷設を実施
しかし、ほんとに何もしないなあ
原子炉隔離時冷却系に何かトラブルがあったのかもしれません
14日
(11時01分頃 3号機爆発)
11時01分 消防車ホース使用不能
午後   新たな注水管準備
13時18分 原子炉水位低下
16時半頃 消防車起動 注水準備を整えた

(原子炉の減圧)
時間不明 格納容器ベント後海水注入決定
16時 頃 圧力抑制室に蒸気を逃す「逃し安全弁」による原子炉の減圧を優先?
なんのことでしょうか?

上の図をみると水は巡回しませんが
原子炉隔離時冷却系を手動で動かすイメージです。

       原子炉隔離時冷却系は壊れたようです。

19時20分 消防車の燃料切れ 給油後・注水開始
朝日新聞は、この件に関して問いただしています。
     記事の内容から給水は無人で行っていたようです。
     私は消防士さんにお願いしたと考えていたのですが・・・悪いほうに外れました。
     (責任感の無い人たちだと思います) 

20時 頃 原子炉の減圧開始
逃し安全弁を操作
人間による原子炉隔離時冷却系の運転開始です。・・・・

2号機ベントについて 
12日
17時30分 ベント準備指示(所長)
[ベント事前準備]
必要な弁をあらかじめ開けておくこと

冗談みたいですが・・・「必要な弁を開けること」を確認しあったただけで
              直ちに実行したわけではありません。
たぶんなにもしていない・・
13日
08時10分 格納容器ベント弁25%開
ベント弁は何本かあるようです(メモ27 参照) 
時間不明 圧力抑制室ベント弁 大弁の電磁弁を開操作実施
ベントライン構成完了(11時?)圧力が高まればベントできる状態

意味はよくわかりませんが操作電源が生きていることが分かります。
安全・保安院に送った資料 と つじつま合わせのようです。
13日のプレスで2号機でベントを実施した記述はありません。
     ベントしたのなら、3号機のようにはっきり書くはずです。
毎日jp
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110619ddm008040089000c.html
10時15分 ベントを実施するよう吉田所長指示。

とあります。


14日
11時01分 3号機爆発
圧力抑制室ベント弁 大弁の回路が外れ閉となる?
中央制御室の当直員を除く作業員退避

ここは2号機です。 東電プレス1  東電プレス2 によると
     負傷者は11名で、いずれも意識はあったようです。
     3号機の爆発で2号機原子炉縦屋は無事です。
     こんな心臓部の回路が外れ閉となることは無いと思います。
     原子力安全・保安院や経済産業省への提出用みたいですから
     この程度の理由でよいとしたのでしょう。 
        理由になってないけど・・・ホントなら原子力発電するプラントではない。

(圧力抑制室ベント弁 小弁の開操作)
16時20分 圧力抑制室ベント弁 大弁の開操作を実施。空気圧縮機からの空気が不十分で開かず。   
・・・・
  ・・・・12日17時30分のベント準備指示(所長)はなんだったのでしょう。
  しかも12日1号機では
「12時半ごろ
     弁開放に使う空気圧縮機「仮設コンプレッサー」を協力企業で発見、
     原子炉建屋付近に設置。」
しています。
  普段の「たるみによる 圧力不足の見逃しミス」「緊急時の確認ミス」が重なっています。
  重大事故が起こる典型です。
  ・・・所長の指示など無かったのでしょう。

18時35分 大弁だけでなく、小弁も対象にベントラインの復旧作業
大弁は不具合により開けなくなったと推定

1号機で仮設コンプレッサーをつけてくれた技術者がいなかったのかもしれません。

21時 頃 小弁が微開となりベント準備完成?

微開ってなんだ?ベント準備完成?なんだこれ?
毎日jp
21時20分 逃がし安全弁を二つ開き、原子炉水位の回復を確認。

この時間あたりで、原子炉隔離時冷却系が壊れたのを認めました。

22時50分 格納容器圧力 上限圧力を越える
ベント実施決定

15日
00時02分 ベント準備完了だが数分後に弁が閉まっていることを確認
ベントするか試してみた程度だと思います。

06時10分頃 圧力抑制室付近で大きな衝撃音
逃し安全弁の操作が原因だと思うのが自然なようです。
活性化していた三重水素、水素や酸素が冷えて圧力抑制室の中で再結合(爆発)が起こったのかもしれません。

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