気象庁では、1990年から毎時間の資料を残せるようになりました。
それまでは、3時間あるいは6時間毎の資料が残っています。
平年値は30年のデータを用いるので時間毎の平年値はないことにますが、20年分の資料は蓄積されています。
20年分のデータがあれば平均的な1日の気象変化をみても問題はないでしょう。
逆に言えば、ようやく1日の平均的な変化を確認できるようになった訳です。
そうしたデータの平均値をみると大気潮汐が確認できます。
大気潮汐は成層圏にかかわるので、私など手の出せる領域でありません。
しかし、気軽にデータを眺めるくらいよいのではないかと思います。
大気潮汐は1日2周期のものがメインのようですが、なぜ2周期なのか私にはわかりません。ウィキペディアの説明を読みましたがよくわかりませんでした。
資料は気象庁のHPから得ました。
まずは根室、秋田、三島(静岡県)、福岡、那覇の通年の平均値です。
ご覧のように、3と15時頃に極小値が出現します。大気潮汐だとするとウィキペディアの説明のとおり南ほど3時頃の谷は深くなっています。
15時の極小値は常識的には熱的低気圧に対応するものも加わっていると思われますが、後でグラフを示す河口湖(山梨県)と三島を比べると大差ありません。
実際、高気圧に覆われて晴れると、長野県や山梨県を中心とした局地的な低気圧ができます。
熱的低気圧は
「晴れた日は日射により地表が温められ、結果、空気の質量密度が小さくなり、上昇流が発生して上空で水平方向(?)流れ出て地上の気圧が低くなる」
と考えられます。
三島と河口湖でもう少し差がでてよさそうですが、熱的低気圧は統計的に水平方向にはっきり出ないのかもしれません。
ところで、3時の極小値はなんでしょう?
大気潮汐なんでしょうか?
北と南で、多少時間がずれているますので、その原因はおそらく太陽にあるだろうと想像はされます。
1年間の平均をみていても、つまらないので冬と夏を比べてみましょう。
次のグラフは三島の通年、2月、8月の平均です。
はっきりしませんが、時間は少しずれるようです。
・・・
2月気圧の偏差の最大は3hPa以上ありますが、8月は2hPa足らずです?。
・・・
風さえ吹かなければ、冬のほうが、熱的低気圧ができやすいことになるのでしょうか?
毎日解析しているでしょうから、長野県を中心とした各地方気象台の予報官に聞いてみたいところです・・・
気温をみてみましょう。
温度の日格差は、2月で9℃8月は7℃程度です。
日格差では整合しているようにも思えますが、やはり納得できません。
近くには富士山がありますので、富士山を見てみましょう。
2月の日格差は約1.5℃、8月は3℃でした。
2月の気温が1時と24時で不連続になるのは1月と3月へとつながるべきだからだと思われます。
2月は常識的には冬型の気圧配置が卓越するはずで、北系の強風で下降流場です。また、8月は太平洋高気圧の中で風は弱いと考えられます。
2月は温度の日格差も少なく、熱的低気圧に対応する15時の谷は弱いと思われるのですが・・・ 実際は
8月より2月のほうが深くなっています。
また、日格差は2月1.3hPa、8月1.1hPaであまり変わりませんが2月、8月ともに3時の谷のほうが15時より深くなっています。
(2月の気圧レンジが違ってしまいましたスイマセン);
何故、3時の谷が深まる(15時が浅い)のかわかりませんが富士山の気圧変化は大気潮汐が主になっているとしてよさそうです。
(ウィキペディア説明のとおりだとすると3時の谷はあくまでもサブ的な谷のように思えますので15時の谷より深くならないとおもえるのですが・・・?地表から上がってくる空気が溜まっているのか??)
21時と3時の差は
富士山
年平均 21時 638.8hPa 3時637.8hPa 差=1.0hPa
2月 21時 627.6hPa 3時626.4hPa 差=1.2hPa
8月 21時 649.2hPa 3時648.1hPa 差=1.1hPa
河口湖
年平均 21時 916.0hPa 3時 915.2hPa 差=0.8hPa
2月 21時 914.4hPa 3時 913.6hPa 差=0.8hPa
8月 21時 916.6hPa 3時 915.7hPa 差=0.9hPa
わずかな差(?)ですが、気温も下がりますので、21時から翌日03時にかけて富士山と河口湖間の質量は大きくなるとしてもよいかもしれません。
数字は示しませんが、逆に15時の谷では富士山と河口湖の質量は小さくなりますので熱的低気圧はやはり夏のほうができやすいとしてよさそうです。(事実かどうかわかりませんけど…)
富士山は大気潮汐をよく表しているとは思いますが、サブであるはずの03時の谷のほうが深いのは何故なのか不思議です。
エベレストで気象観測をすれば、03時に対応する谷のほうが浅いことが確認できるのだろうか?
明らかにこの時間帯は太陽の紫外線による成層圏の大気に加熱はない…
ウィキペディアの100hPaの図は観測事実だから認めなければならない、2つの谷は同程度に見える…
まあ、不思議に思っていれば、そのうちヒントが得られるかもしれないです。