2012年8月27日月曜日

空気のエネルギー密度 温暖化議論の誤り


地球温暖化を何によって調べるべきか?
平均温度によって調べるのが一般的ですが、例えば雪粒は気温がプラスでも湿球温度が0℃なら溶けません。
湿度100%で気温0℃空気は湿球温度0℃です。
そして、乾燥して気温がプラス2℃でも湿球温度0℃のことがあります。
そうした空気は0℃の雪粒を暖めも冷やしもしないのです。
こうした観測事実からしても各地の気温を平均して温暖化を議論するのは適当ではありません。
高層データをみている過程でなんとなく空気のエネルギー密度と言う概念を導入しましたが、よく考えると空気のエネルギー密度は重要な概念のようです。
この空気のエネルギー密度で温暖化を推し計るべきだと思うようになりました。
エネルギー密度などごく普通の概念ですが、こうした概念に不慣れな方は空気のエネルギー密度とは何かと困惑されているのではないでしょうか?
今回は空気のエネルギー密度についてすこし整理しておきたいと思います。

1.地表面の温暖化
現在、地表面の温暖化は単に地表の温度が上がることと考えられているようです。
また、温暖化の問題の一つに、地表の温度が上がって北極や南極の氷が溶けて海面上昇を起こすとするものがあります。
北極や南極等のどこかで氷がなくなったのは気温が上昇したためと何となく納得してしまいますが、本当に気温が上がったためでしょうか?氷がなくなったのは乾燥して蒸発したのかもしれません。
地表の温度だけを調べただけでは、地表面で起きている現象の一面しか見ていないのです。
ほとんど何もみていないと言った方が適切かもしれません。

2.1gの氷を溶かすエネルギー
ここは基礎的な物理の復習ですが、こうした基礎的な積み重ねで現象が理解できるのだと思いますので少しお付き合いください。


によりますと水の融解熱は335(kJ/kg)だそうです。
0℃、1kgの氷を0℃の液体の水にするには335kJのエネルギーが必要だと言うことです。
これからすると0℃、1gの氷を0℃、1gの水にするには335Jのエネルギーが必要です。

1gの氷ですから大きさは1c㎥くらいです。

これを2つの1㎥の箱ABの中に別々に入れてみます。
AB箱の中にはそれぞれ温度Taの空気が1mol、温度Tbの空気0.5molが入っているとします。
しばらくして、氷は全て溶けて水になり空気と水は0℃になったとします。

この時のTaTb は何度だったか計算してみます。

空気の主成分である窒素や酸素の自由度は5
空気1モルの定積比熱はCv=(5/2R2.5×8.314320.8J/mol
です。(RはPV=RTのRです。)



Taから0℃になった1molの空気から氷に流れ込んだエネルギーは
Cv×(Ta0)=20.8×Ta (J
となります。

Tbから0℃になった0.5molの空気から氷に流れ込んだエネルギーは
0.5×Cv×Tb08104×Tb (J
です。

一方、氷は全て水となり温度は変わりません。
氷を溶かすエネルギーは335Jですから

20.8×Ta (J) =335 (J
10.4×Tb (J) =335 (J
となります。

Ta16.1 (℃)=289.3 (K
Tb32.2 (℃)=304.4 (K

AよりBの空気の温度ほうが16℃も高いのに同じ量の氷しか溶かせないのです。
ついでに状態方程式から、気圧はAが約24hPaBが約13hPaBAの約1/2であることが分かります。

(こうした議論を空気1gで考えるのも可能ですが、N2O2の存在比や1g当たりの定積比熱を調べ状態方程式も空気1g当たりの方程式に書きなおさなければなりません。気象では実際に書きなおして計算しています。何故そんなことをしているのか理解できませんが本当です。)

温暖化を氷が溶けるかとの観点で議論すると、各地の温度を単純平均しても意味がなく科学的ではないのです。
Taを富士山の気温、Tbを東京の気温として平均してトレンドを見ても氷が溶けやすくなったのかどうかわからないのです。

富士山とチョモランマの気圧は東京の670%、340%程度だと思います。
大雑把に東京と比べ氷を溶かす能力を富士山が70%、チョモランマが40%として、東京、富士山、チョモランマの温度の平均から氷が溶けやすくなったかどうかはここで見てきたように分からないと言うことです。

 驚いたことに温暖化の議論はこうしたことを無視したアバウトな調査を元にして行われていることになります。
 温暖化の指標に温度や温位、相当温位を用いることは適当ではありません。
 エネルギー密度を調べていなければ、まともに温暖化しているかどうかの調査もしていないことになります。 

3.空気のエネルギー密度
・・・ここは熱力学の基礎で面倒な話になります。・・・
残念ですがCvT(内部エネルギー)を空気のエネルギーとして使うのは適当ではないでしょう。
CvTは、箱の大きさと中の質量を変えないことを前提にしたエネルギーです。

大気中の空気は1㎥の箱などに入っておらず、温度によって体積が変化してしまいます。
氷を水にするエネルギー以外にも体積を変化させるエネルギーも考えたり位置エネルギーも考えたりしなければなりません。

どのように考えるべきかですが・・

空気を圧縮する時は外からのエネルギーが加えられます。
気象では、そのエネルギーを位置エネルギーでまかなうと考えるとすっきりします。
エネルギーが加えられますから空気の温度が上がる訳です。
逆に膨張するときは外にエネルギーを与えます。
使ったエネルギーは位置エネルギーに蓄えて、空気の温度が下がります。

こうした1molの空気について、熱エネルギーと位置エネルギーのエネルギー保存則は

CpTmgh=一定

となります。

これを、1molの空気が示す体積で割ってやれば、1㎥当りのエネルギー、エネルギー密度となります。

ところで、CpTmgh=一定となる変化では温位は変わりません。
と言うより、変わらないように定義したのが温位なのです。

CpTmghCpθ

でθが温位です。

普通の温位の定義と形が違っていますが内容は同じです。
この定義はエネルギー保存則に焦点を当てた表現で、普通の定義はエントロピーに焦点をあてた表現とでも覚えておけばよいでしょう。

1000hPa基準の温位はエネルギー保存則を無視した欠陥概念であることが分かりました。
このあたりは、乾燥断熱減率温位の定義を参照してください。

さて、ここまでを整理します。

CpTmghは、高さhで温度Tの空気1molが持つエネルギーです。

そして、温位θは
Cpθ=CpTmgh
です。

1mol当たりの状態方程式から
PVRT
体積Vが求められます。

空気1molのエネルギーは見方をかえると体積Vの中にあるエネルギーと見ることができます。

Cpθ=CpTmgh
Vで割ってやる、或いは1/VP/RT)を掛ければ、
体積1㎥当りのエネルギー = エネルギー密度
となります。

空気のエネルギー密度e

eCpθ/V=(Cp/R)θ・P/T

で求められます。

水蒸気の潜熱も考慮したいときは
空気1molのエネルギーは
Cpθe=Cpθ+(E/PE))L
となります。

θeは相当温位です。

空気のエネルギー密度e

eCpθe/V=(Cp/R)θeP/T

となります。

こうした複雑な(?)量を比べなければ地球が温暖化しているか分からないわけです。

 「秋田の高層データを見る」ではこうして計算したエネルギー密度の平均を平年値とし猛暑の夏と冷夏の夏の平年値との差を見ました。


結果は驚いたことに成層圏までエネルギー密度は同じだけ高かったり低かったりしました。
この結果を単純に考えると、温暖化とは地表面だけでなく成層圏まで暖まる現象と言えそうなのです。
 成層圏もどの程度の高さまでなのか調べる必要がありますが・・・・
        成層圏を分ける必要があるかもしれません。
 
 
 お詫び
 
 CO2の自由度を5と間違った記述をし、振動の自由度など無いとしてきました。
 お詫び申し上げます。
 CO2の自由度は6でした。
なるべく、直したいと思います。

 しかし、振動の自由度が赤外線を吸収して温度が上がるとする説は、明らかに第2法則に反する誤りです。
 ステファン・ボルツマンの法則から計算される赤外線によるエネルギー密度は、CO2を含む空気のもつエネルギー密度に比べるとはるかに小さく、観測誤差にもなりません。
 観測誤差にもならないようなエネルギー源で空気を暖めることなどできるはずがありません。
 ステファン・ボルツマンの法則に従う赤外線は温暖化のエネルギー源にはなりえないのです。
 ステファン・ボルツマンの法則と放射冷却 参照
 
温室効果はエネルギー保存則さえ満たしていないのです。
どうして、こんなものが温暖化の原因と考えられるのか?


2012年8月20日月曜日

南極昭和基地の高層データを調べる


秋田09時観測の高層データを2回取り上げました。簡単に紹介すると

空気1㎥当りのエネルギー=エネルギー密度を導入しました。
結果、冷夏と猛暑のエネルギー密度が成層圏まで、同じだけ低かったり、高かったりしました。
78月の高度15000mは地上付近に比べ質量(エネルギー?)密度が125/1000=25/200=5/40=1/8程度です。
それが、同じだけ変化するには何か理由があるはずです。

 複雑に思えた温度の高度分布も温位にすると2本の直線でほぼ近似できました。
しかし、気圧の分散が奇妙な分布をみせ、分散が小さくなる高さ付近で、等温度層や等温位層が出現するのをみました。

今回は気団の入れ替わりのない南極にある昭和基地の高層データ(09)を再び見ていきます。南極については繰り返しになる部分もありますがご容赦願います。

1.南極のイメージと使用データ
南極は一年中他より気温が低く上空に空気が流れ込み地上で気圧が高くなり周辺に吹き出し、気団の入れ替えはないイメージがあります。(私だけかもしれませんが・・)
詳しくはFNの高校物理大気大循環を参照願います。
てっとり早くイメージを知りたいかたは3.大気大循環の大気圏の温度分布」の
を参照してください。

データは気象庁のホームページからダウンロードした
19892010年の09時観測の資料です。
現地時間では午前3時の明け方前に観測されたデータです。
なお、気温は絶対温度表示にします。
高さ毎の質量密度を求め気圧を確かめたいからです。

2.高度別の気温と気圧別の気温

気温の分布は上図のように気圧と高度を軸にして示される概念図が一般的だと思います。
平均を示したグラフはなかなかみられません。                                                   
まず、実際に南極の高度別と気圧別の気温平均値(今後こうしたものを平年値と呼びます)を見ておきます。

高度対気温

気温は見てのとおり15000m付近に特徴があります。

15000mの特徴は温位の飛び(不連続)であることが分かります。
直線は1月の温位の傾きですが、南極は秋田のように数本の直線で各月の温位を近似できませんでした。

高度別の温度と温位グラフはWithPhot「南極昭和基地温度と温位」を参照してください。


次のグラフは912月の気温のグラフです。

真冬の8月から気温が上がって行く過程15000m付近で温度の飛び=不連続が発生しています。

なんか訳の分からない変化ですが・・・・

しかし、このブログでたびたび空気は混ざりにくい変わった性質をもった気体であること指摘しました。
そうした性質を考えれば、安定な成層状態をしている大気では、ちょっとした大気の入れ替えで気温や温位の飛びは頻繁に起こるはずです。(水平方向で起こっているのが前線です。)・・・?南極では大気の入れ替えは考えにくいのですが・・?

とにかく観測事実を見ていきます。

気圧対温度

10hPa以下のデータは解釈ができないので、切ってしまおうかとおもったのですがデータ数が多く真実のようです。一年を平均したものですから特定な月や現象のものかもしれません。・・・あるいは、10hPa以下の空気と以上の空気とでは性質が違う・・
高度15000mのように特定の気圧面で温度の飛びはみられません。
どうでしょうか?気温の飛びを除き、分布は高度分布に似ているように思えます。
温位を気圧別に見てみましょう。

高度による温位より綺麗な分布に見えます。
等温位層がありそうですが、これは年間の平年値ですので大気を特徴付ける層かも知れません。
すこし気になるので月毎の様子もざっとみましょう。

日照の多い13月はほとんど変わりません。

1月は夏で7月は冬です。
同一気圧面では夏に温位高く冬に低い傾向は下層より上層のほうがハッキリしています。
ここでの上層、下層は温位の傾きの違いで分けています。

高度による温位と比べてみましょう。
10hPaの年平均高度は30000m程度です。

10hPaの変動は100k程度なのに、30000mの変動は50k程度です。
他の月の気圧の温位表示も見ておきましょう。

上の図は、高さ毎の気圧分散の移動平均ですが高さ毎の気圧分散として見て下さい。
分散については「秋田09高層データを調べる」を参照してください。

15000m付近には気圧の飛び(?)もあるのかもしれません。
いずれにしても、高度別に気温と気圧を調べる必要がありそうです。
***

3.空気の質量密度と気圧差
実は高度別に気温と気圧を調べるとは、高度毎の1㎥あたりの質量=質量密度を調べることに他なりません。
高さごとに1㎥あたりの質量を積み上げればそれは気圧差になります。
そうしたことを少し説明させてください。
内容は質量密度から気圧差を求める物理です。

常識的なことなのですが気温と気圧から空気の質量密度が計算できます。
しかし、ここから気圧差を計算するのは単位を揃えなければならず結構面度です。

地上付近は100mの丘に登ると約12hPa気圧が下がりますが、これを例に計算してみます。。
空気を理想気体とみなします。
nモルの空気があれば
PV=nRT
が成り立ちます。 
その体積は V=nRT/P (㎥)になります。
空気の平均分子量28.988 g/mol 0.028988 kg/mol0.029 kg/mol

です。
その質量Mは
M=0.029×n (kg/mol(mol)
体積はV(㎥)ですから1㎥あたりの質量=質量密度は
ρ=M/V=0.029/(nRT/P)=0.029/RT  (kg/)
となります。

ここまで、単純な作業ですが、かなり面倒な作業に私には思えます。
正直、これをnモルではなく1gの空気を考えて計算するなど正気のさたではないと思います。しかし、これに似た計算を気象は1gの空気で計算するのです。
なぜ面倒な計算をさらに面倒にして計算するのか理解に苦しみますが・・・

R=8.314 (J/mol k

(私は8のあとの小数点以下は円周率の数字を並べると覚えました。)
ここまで書いても実際に質量密度を求めようとしてももやもやします。

1000hPa、0℃の空気の質量密度をもとめてみます。
(普通は1013hPa,20℃位で計算されていると思います。水蒸気は多くても3%程度ですから無視します。)
1000hPa=100000Pa=100000(N/㎡)=100000(/)/㎡)=100000(J/
0℃=273.2
です。
ρ=0.029×100000/8.314×273.2) (kg/mol)(//((J/mol k)k)
 = 1.28 (kg/)

なるべくこうした考え方は避けた方がよいのですが、さすがに面倒なので1㎥の立方体を考えましょう。(底面積が1㎡なら円柱でも三角柱でもよい)
この立方体の空気が100m積み上がると質量は
M=ρ (kg/)×100(㎥)=1.28  (kg/) ×100(㎥)= 128kgです。

一番下にかかる力はMg=128×9.8 (kg)(m/sec sec= 1254.4 (N)
立方体を考えていますから底面積は1㎡です。
1㎡に1254.4Nの力がかかることになります。
1㎡当たりにかかる力が圧力ですから
⊿P=1254.5 (N/㎡)=1254.5 (Pa)=12.545 (hPa)
地上付近の気圧は1000hPaくらいですから、この結果は地上付近では標高100mの丘に登ると約12hPa位気圧が下がることに対応しています。

質量密度ρ= 1.28 (kg/)から、地上付近の高度差100mの気圧の差12hPaが分かりました。

さてデータを整理した結果、南極では1月の高さ100015002000mの質量密度は1.141.081.02kgでした。
10002000mの平均質量密度は1.08kgとしてよいでしょう。
10002000mに底面積1㎡の空気の柱を考えると力の差は
1.08×9.8×1000 (kg)(m/sec sec(m)1084 (N)
これは1㎡にかかる力の差ですから圧力差になります。
⊿P10002000(理論)=10584 (N/㎡) =10584 (Pa=105.84  (hPa)
となります。
こうした値を以下理論値と呼びます。
実際の気圧差は1000m 868.6hPa、2000m 762.1hPaで
⊿P10002000(観測)=106.5 (hPa
でした。
こうした値を以下観測値と呼びます。
観測値―理論値=106.5105.80.7hPa
この差は誤差でしょうか?
理論値は、空気を理想気体として計算しています。
実際の空気は理論値より重いのでしょうか?
  
 4 高さ毎の気圧と気温の平年値


上図は昭和基地で観測された月毎の現地気圧と気温の平年値です。
データは気象庁のホームページから得ました。

南極のイメージからすると、冷たくなれば下降流が強まり気圧が高くなりそうですが・・
このような大雑把な感覚と実際のデータ違って気温の低い8月は気圧が低くなって気圧の極値(低)が3月と10月にあります。

それでは、高度別の気圧と気温を見ていきます。気温は質量密度も求めたいので絶対温度で記述しています。

30000

日照のない6月に何故気圧が低くなるのか不思議ですが・・そのことはさておいて

次のグラフは質量密度です

質量密度は
ρ=M/V=0.029/(RT/P)=0.029P/RT
でした。
この質量密度が2000mまで続いていたとしたら1月と他の月の気圧差は広がるはずです。
地上気圧は3月より6月のほうが大きいのでどこかの高さで質量密度の逆転が起こっていると思われます。

20000


7、8月の気圧の落ち込みがややはっきりしてきました。
まだ3月と6月の質量密度の逆転は起こっていません。


10000m

10000mで3月と6月の質量密度の逆転が起きています。
次の高度5000mでは510月について気圧の相対的な関係はあまり変化がないと考えられますが・・

5000


予想に反して10月の低極が現れ始めているようです。確かに10月の質量密度は相対的に小さくなっています。


8月の質量密度が一番高いので次の高さ(3000m)では6月(495.3hPa)と8月(492.9hPa)の気圧差(2.4hPa)は小さくなるかもしれません。
また、1月(507.0hPa)との差(-11.7hPa)も小さくなるはずです。

3000m

気圧のレンジは同じとってあります。
予想に反して6月(658.7hPa)と8月(651.3hPa)の気圧差(74hPa)が開いてしまいました?

1月(666.7hPa)との気圧差(-8.0hPa)は小さくなりました。
こちらは理屈通りです。
今回も1月の質量密度が小さく次(1500m)で1月と6月の気圧差は小さくなるはずです。
ここでも6月より8月の質量密度はほぼ同じ(すこし大きい)ですから次(1500m)気圧の差は広がらないはずです。

1500

気圧と気温はかなり地上のイメージに近づいてきました。


6月と10月の質量密度はやや10月のほうが小さいので次(1000m)でやや気圧差が開きそうです。また、3月の質量密度はかなり低く気圧差は大きくなりそうです。
次は地上の気圧のイメージ近づくと考えられます。

1000

数字は示しませんが、気圧は地上気圧に近づいていたのが少し崩れてしまいました。

質量密度の分布は1500mと同じく次(500m)で気圧を地上気圧の平年値に近づけるイメージです。
500

かなり気圧と気温は地上イメージに近くなりました。

0m


これは高層観測で観測した平均値ですの地上の平年値ではないことに注意して下さい。
大雑把に気圧と質量密度の関係は良好に思えますが、3000メートルでは気圧差が小さくなると考えられたのに逆に大きくなるなどしました。
質量密度と気圧の関係をもう少し丁寧に見た方がよさそうです。

5気圧差と質量密度差
これから、各月の同高度の気圧差と質量密度差を比べていきます。
その前に簡単に気圧と密度の関係を振り返ります。
例えば、1月と6月の大気を考えます。
500hPaの高度が5000mと同じだったとします。
1月は夏で6月は初冬ですから、温度は1月のほうが高く、1月の質量密度1月は小さくなります。
逆に6月の質量密度6月は大きくなります。

密度1月は密度6月小さいとき、5000mより少し高い所で1月の気圧P1月と6月の気圧P6月とでは1月の気圧のほうが高くなります。
 同じ高さ、圧力で 
密度1月<密度6月 なら  P1月>P6月    (51
となります。
質量密度が小さいので黄色の薄い円盤の重さは青の円盤より軽くなります。
円盤の面積を1㎡とすればP1月の圧力は黄色の円盤のmg=密度1月×高さ×1㎡×gを引いたものになるからです。

ところで、1月と6月は同一の高さで気圧は違っているのが一般的です。
例えば高さ5000mで1月のほうが10hPaほど高かく、密度は前と同じで密度1月<密度6月と仮定します。
すると、気圧差は5100mでは開き、4900mでは接近することになります。
この関係をもとに、月毎の気圧差と密度差の関係をみたいのですが、全てを比べる訳にもいきません。
日が昇らない6月の地上気圧は前後の月より高くなっています。
8月は地上気温が10月は地上気圧が一番低くなっています。
6月の気圧と密度から8月と10月の値を引いて調べますが、まず、6月について、観測値と理論値を比べます。
下図は6月の気圧と、質量密度を足し合わせて気圧を計算した理論値です。

ほとんど一致して重なり観測値が見えませんが、違いは当然あります。
次の図は6月の気圧の観測値から理論値を引いたものです。

0より大きい点は、乾燥空気より質量密度が大きいか水平方向から空気が流れ込んで質量密度が大きくなっていると思います。
0より小さい流域は質量密度が乾燥空気より小さくなることはあり得ませんから、空気が水平方向に吹き出していると思います。
このあたりはもっと慎重に考えなければいけないかもしれませんが、ここではこのように考えておきます。
また、角運動量の法則からこの領域では高さが低くなるにつれ地球の回転方向とは逆向きの風が吹きやすくなると思います。(コリオリ力とは角運動量保存則の見かたを少し変えただけです。)
5000m以下でプラスになっていますが、南極のイメージから周辺から空気が流れ込むとは考えにくいです。
消去法で乾燥空気より質量密度が大きくなっていると考えられます。
(他に可能性はあるでしょうか?今のところ思いつきません。)
6月-10


30000mで6月の気圧のほうが10月より高いと気圧差は、10000m付近で変化しない領域がある他は一方的に気圧差は広がると考えられます。

上の図は実際の6月と10月の気圧の差です。
Aの領域は質量密度が6月のほうが大きいので、25000mでは気圧の差は小さくなるはずです。
A領域で10月は水平方向からの空気の流れ込みが強いか、乾燥空気の質量密度より大きい、あるいはその両方だと思います。

その他の高さでは地上付近での気圧差の広がりが足りませんが、傾向は概ね合っているようです。

6月-8

Aは例えば6月と8月が30000mで同じ気圧だとすると、高度が低くなるにつれ6月の気圧が高くなり8月との気圧差が広がる領域です。
Bは逆です。
5000mで6月の気圧が8月より高かったとすると高度が低くなるとその差は小さくなる領域です。

実際の気圧差は

上の図は実際の6月と8月の気圧の差です。
Aの領域は質量密度が6月のほうが大きいので、25000mでは気圧の差は30000mより小さくなるはずです。
しかし、気圧差は変わりませんから、6月-10月と同じで水平方向からの空気の流れ込みが強いか、乾燥空気の質量密度より大きい、あるいはその両方だと思います。
Bには不思議な15000mの不思議な境界が現れています。
Cは気圧差が小さくなるはずの領域ですが、小さくなりません。
水平方向から空気が流れ込めば気圧差が変わらないと推論可能ですが、空気が流れ込むと考えるのは難しいです。
Cでは気圧差は変わりませんから、実際の質量密度は6月と8月で変わらないと言えそうです。
こうしたことからも6月の5000mまでの空気は乾燥空気の質量密度より高いことになります。

雲取山の夜明け

******************************

空気の質量密度と気圧の関係は入門時触れられた後はP座標近似一色となります。
しかし、今回のこうしたことを調べていなかったとしたら気象学者の怠慢だと思います。
位置エネルギーを無視した温位や相当温位では、温暖化など予想できる訳もありません。、台風の相当温位分布も不正確で、観測結果は安定な成層構造になってしまうのです。


ところで、温室効果理論は様々に変化して今も生き残っています。

CO2が、赤外線を吸収し、振動して温度が上がる。」との説明は電子レンジで者を暖める説明のイイカゲンな引用です。
事の真偽は分かりませんが電子レンジは「水分子が振動し、その摩擦熱で温度が上がる。」とか言うものでした。


振動させるのはマイクロ波で物を暖めるエネルギー源は勿論電気です。
つまり、マイクロ波と赤外線の違いはありますが、

温室効果は電源無しに物を暖める魔法の電子レンジ

になってしまいます。
このように温室効果はエネルギー保存則を無視しているのです。

こんないい加減な説明をする御用環境学者は辞職すべきだと思います。
税金を使って、国民をだましている訳ですから・・・

このような馬鹿げた温室効果が生き残るのは

国の経済政策で原発が必要で、原発を正当化する為に温室効果が必要なのだと思います。

温室効果が必要なのは日本だけではないようです・・・
どこかの国の政治家が他国に国家としてのプライド云々と言っていましたが・・
この国は国家としてのプライドがあるのでしょうか?

CO2の振動の自由度について誤りがありました。
お詫びします。
しかしCO2より温度低い物質(空間)から放射された赤外線を吸収して温度が上がるとするのは明らかに第2法則に反する誤りです。


・・・他国では経済政策ではなく軍事政策でも温室効果が必要なのでしょう・・・
(信じられないと思いますが、ノーベル賞は御用学者の投票(推薦)で決まってしまう一面もあるのです。つまり、政策で温室効果が必要ならならノーベル賞はお金で買えるのです。事実、無責任な御用環境学者を使ってノーベル賞をお金で買ったと私は思います。)