理想気体大気を調べると、温暖化について2つの指標が見つかりました。
位置エネルギー密度とエンタルピー密度が同じになる高さ、そして、位置エネルギー密度が最大になる高さでした。
ここでは、実際に南極の昭和基地で観測された高層データで、こうした指標を中心に見て実際の大気の状態を調べてみます。
1資料
気象庁のホームページから昭和基地の高層データをダウンロードしました。
データは09時(00Z)、15時(12Z)に観測されたもので、南極昭和基地の現地時間では03時と15時 に当たります。
期間:1989~2010年
2乾燥空気の抽出
実際の大気について調べるにあたり、高度30000mを基準にして乾燥空気の分圧を求めて調べることにしました。
実際の観測された気圧の平均値をみますと
高度15000mに気圧の歪みがみえます。
観測データから乾燥空気の質量をもとめ足し合わせて乾燥空気の分圧を求めたのが上のグラフです。
ここでは、乾燥空気の分圧を乾燥空気圧と呼ぶことにします。
次のグラフは実際の気圧から乾燥空気圧を引いたものです。
15000m付近の変動は観測回数にも現れていますから事実だと思いますが、原因は分かりませんのでした。
乾燥空気圧は地上付近で実際の気圧より5hPa程度低くなりました。
空気には気体成分のほかに0.5%程度の異物があるのだと考えておきます。
乾燥空気は異物の影響を受けた理想気体として考えたいと思います。
3温暖化の2つの指標
はじめにすこし復習しておきます。
位置エネルギ-、エンタルピーについて、大気が熱平衡になっていると仮定すると次のエネルギー保存則が成り立ちます。
Cpθ=CpT+mgZ=Const
θは温位で、温位は高さによらず一定の値になります。
実際の大気は熱平衡ではありませんので、Cpθは高さごとに異なっています。
Cpθを温位エネルギーと呼び、そのエネルギー密度を温位密度あるいはθ密度と呼ぶことにします。
エネルギー密度とは1㎥当たりのエネルギーのことです。
理想気体大気において、位置エネルギー密度(位置密度)とエンタルピー密度が同じになる高さHjと温度Tjには
Tj/Hj=mg/Cp=mgCv/(Cp2/α+RCp) α=2.33で
Tj/Hj=0.009761 あるいは Hj/Tj=102.4469
となる関係がありました。
また、位置密度の最大値Umaxは地上気圧のおよそ40%の
Umax =P0(Cp/Cv)-(Cv/R)=P0(7/5)‐5/2 =0.431201P0
であることがわかりました。理想気体大気では
実際の乾燥空気圧から求めたエネルギー密度が下図です。
高さで位置密度エネルギー(以下、位置密度)とエンタルピー密度が同じになった後は理想気体とは違い、ほぼ位置密度≒エンタルピー密度の状態が続きました。
3-1位置密度とエンタルピー密度
熱平衡の理想気体大気は、「位置地密度」=「エンタルピー密度」となる高さHjと温度Tjには次の関係がありました。
Hj/Tj=102.4469≒102.45
実際の南極の乾燥大気では
位置密度(ρgh)とエンタルピー密度(CpT密度)が同じになる高さはHj と温度Tjは00Z
Hj=21850m Tj=212.8k Hj/Tj=102.69
12Z
Hj=22350m Tj=214.6k Hj/Tj=104.16
00Zで理論値の102.45にかなり近い値になりました。
月別にHj/Tjを調べると
最大 最小 平均 年間値
00Z 103.6 100.7 102.1 102.7
12Z 103.0 100.6 101.8
104.2
でした。
グラフをみると、綺麗な相関がでてきました。
こうした相間はHj/Tjの値がかなり理論値に近いことを示しているように思われます。
データは日照時間の多い少ないで3つのグループに分かれるように思います。
温暖化すると位置密度=エンタルピー密度となる高さHjが高くなり温度Tjも高くなると考えてよさそうです。
位置密度=エンタルピー密度となる気圧をPjとしてグラフにすると
00Zには綺麗な循環が現れました。
TjとPjの関係は不明ですが、季節毎に乾燥空気の量自体が変わる(後述)ようなのでTj、Hj、Pjの3次元の組で判断したほうがよいのかもしれません。
現地時間で言うと00Zは午前3時の真夜中で12Zは午後3時の昼のさかりです。
しかし、6月は一日中夜で日照はありません。
想像ですが12Zでサイクルが乱れるのは、日照がなくなることが影響していると思っています。
低緯度から循環してきた下降流が強まるのかもしれません?
3-2最大位置密度
理想気体大気において最大位置密度Umaxと地上気圧P0には
Umax =0.431201P0
の関係がありました。
南極の地上現地気圧は日照時間の多い1月と日照の無い6月が高くなります。
空気の量が変化していると考えられます。
月別の最大位置密度は
実際の大気でも最大位置密度と地上気圧にある程度の相関がありそうです。
地上現地気圧の変化は偶然ではなく、なんらかの説明をするべきだと思います。
大気の季節変化がありそうで単純に最大位置密度で温暖化しているとは結論できないようです。
次のグラフは位置密度と温位の関係です。
グラフの変化をみると最大位置密度の変化は小さく、温位が変化しているように見えます。
理想気体の熱平衡状態を仮定してますので温位は一定になりますが、理想気体では地上気温が0℃とマイナス20℃における最大位置密度の高さは8000と7400mでした。(グラフ省略)
昭和基地の月別平均気温はおよそ最高が0℃、最低がマイナス20℃です。
気象庁の平年値と少し違うかもしれません
最大位置密度の温位と高さは
高さの幅はおよそ理想気体と一致しています。
00Zでは相関がありそうに見えますが、12Zにはありません。
地上気温の低い6~11月の高さは00Zと12Zで大きな変化はありませんが、夏から5月にかけては振動幅が大きく12Zの高さのほうが低くなってしまいました。
12Zは現地時間で午後3時になり日中です。
感覚的には、昼のほうが暖かくなって高度は上がりそうな気がするのですが・・
確かめてみましょう。
日照時間が一番多い1月について各エネルギー密度を00Zから12Zを引いてみます。
なるほど忘れていました。
エンタルピー密度はあきらかに日中の12Zの方が大きく暖かいといえます。
逆に下層では冷たいほうが位置密度は大きくなるのでした。
12Zが乱れるのは日照の影響のようです。
しかし、日照の影響だとすると夏から冬に向けては日照の影響を受けるのに、冬から夏に向けては日照の影響を受けないことになります?
他に原因があるのでしょうか?
高さが大きく変わらない11月も比べてみましょう。
位置密度のデータが粗いですが、最大位置密度の位置は大きく変わらないようです。
1月と11月の違いは分かりませんでした。日照の違い抜きに考えるべきではないでしょうから、なにか複雑なことが起きているのだと思います。
月別の最大位置密度を特定するのが難しいのか、相間がないのかはっきりしないと言う結果になりました。
年平均値の最大位置密度の高さや温位から温暖化を推し量るのは可能かも知れませんが、月別の変化をしっかり説明する必要がありそうです。
正直に言うと期待外れの結果になりました。
理想気体の自由エネルギー密度やエンタルピー密度は気圧に比例します。
気圧がわかれば理想気体のエネルギー密度がわかると言うことです。
しかし、実際の空気でそのようなことが分かるとはおもえません。
少なくとも単純ではありません。
最後に昭和基地の時間毎の平均気温と現地気圧をみておきましょう。
日照で大気潮汐がおこるのでしょうが、そのメカニズムは単純ではないことがわかります。
当然ですが、南極では地上気温の影響は受けません。*********************************
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始め原子力発電所の目的はプルトニュウムを作ること、原子爆弾を作ることが目的でした。
日本も実際に原子爆弾を作ろうとしていたようです。
プルトニュウムにはいくつかの種類があり、原子爆弾が作れるものと作ると暴発してしまうものがあります。暴発するものは爆弾にはなりません。
原子爆弾を作るには、こうしたプルトニュウを分離あるいは成分を調整する必要があります。
成分と言っても重さがわずかに違うだけで同じものですが・・・
原子力発電の燃料をつくる技術とはプルトニュウムを分離あるいは調整する技術と言ってよいとおもいます。
核の再処理技術とは燃料を作る技術とされていますが原子爆弾を作る技術でもあります。
プルトニュウムやウランをほとんど気体状にしないとこうした精製はできず、非常にお金がかかります。
安く核燃料などつくれないのです。再処理は原爆の材料作りが目的と考えるべきです。
しかし、プルトニュウムを精製分離するのはウラン以上に難しく事実上原子爆弾は作れません。
バカな役人や政治家がカン違いしたのだとおもいます。
バカな役人や政治家がカン違いしたのだとおもいます。
ですから、原爆の作れないプルトニュウムが日本に溜まっていくのをアメリカは許しているのです。
核兵器を持つべきかどうかは私には分かりませんが・・
中国やアメリカがよく思わないことはわかりますが・・・
問題は、核兵器の開発が歪になされていることだと思います。
役人、東電、原子力村のカルト性は良い悪いは別にして核兵器開発のキーワードで理解できます。時々、耳にする原発は「国策」でやってきた訳です。
ところで、原子爆弾を持つことを是としたとき、その理由はなんでしょうか?
もちろん、国を守るためだと思います。
国を守るために国を潰してしまってはなにもなりません。
今回の事故はそうなる一歩手前まで行ったのだと思います。
燃料プールの水が無くなって燃料が溶ければ、東京は全滅だったと思います。
しかも、その危機は去っていないのです。
東電が燃料プールに鉄骨を落とす事故(?)がありました。
ニュースを読んだ時、「何故まだ燃料プールの燃料が他に移されていないのか?」と思いました。
http://www.youtube.com/watch?v=GesM8SWr724
初めから落とすことを知っていないと撮れない映像だと思い、そして燃料を取り出す作業が遅れていると思いました。
どうも、東電や国(原子力規制委員会)は燃料を取り出し安全な場所に移すつもりがなさそうです。お金がかかるので塩漬けにするつもりなのかもしれません。(信じられませんが・・)
どうした訳か、燃料プールがテロの標的になるとは考えていないようです。
そんなことは起こらない、想定外なのでしょう。
私見ですが国を守るために核開発をしているに、核を扱う人たちが国防に全く無関心のようなのです。
燃料プールが破壊されれば、東京や海を持つ関東各県は全滅で人が住めなくなります。
燃料プールの核燃料を安全な場所に移すのは急務のはずです。
原爆を作ろうとしている政治家や役人の方は少なくとも方法論は改めるべきだと思います。
鉄骨をプールに落とすなど過失であったとしても、テロ行為だと思います。