2016年10月22日土曜日

南極昭和基地の高層データ2

とりあえず
温位に対応するグラフを示します(温位のグラフと考えてください)
CpT+mghをCpで割った値のグラフです
重力定数gは高さによる補正しました
教科書で高度が高くなると不自然に温位が高くなるのはgの補正をしていないためです
..??
siturei
これは2番めの理由でした
1000hPaに断熱圧縮をして、比べてよい物理的根拠がないことが主原因です。
詳しくは「温位の定義」を見てください。


1月
2月
3月
4月
5月
6月
1月、2月は夏の期間と言って良いのかもしれません
太陽光を吸収しているはずですが上空は安定しているようです
周りからの流れ込みが小さいってことかもしれません・・
直線になるのは当たり前なのか?そうでないのか?前回の温度分布と比べると
3月なんかは位置エネルギー分で高くなっていくってことみたいですが・・?
どこに温室効果なんてあるんだ?



盆栽園にて
7月
8月
9月
10月
11月
12月
盆栽園にて














2016年10月17日月曜日

南極昭和基地の高層データ

今回はとにかくグラフを見てもらいます
データは09時観測
1968年3月から2015年12月の高度が観測されている全データ+2016年の一部

1月の高度分布
温度
気圧

特に理由はありませんが
赤:400hPa以上 
緑:200hPa以上400hPa以下
黄:200hPa以下
としました
 
2月の高度分布(以下気圧は省略します)
3月の高度分布
4月の高度分布 
5月の高度分布
6月の高度分布
7月の高度分布
8月の高度分布
9月の高度分布
10月の高度分布
 

11月の高度分布
 12月の高度分布

 


 

 

 
 

 

 



 


2016年10月9日日曜日

測高公式と南極大気


測高公式と南極大気

報告をしてもあまり意味はないかな?と思いましたが
データが膨大で作業も複雑で、覚書的にどのように作業をしているのか書き留めることにしました。
最終目的は南極昭和基地で観測されている高層観測のデータで南極大気の構造を調べてみようというものです。
測高公式がかなり役にたちそうなので、今回も測高公式を用いて調べることにしました。
まだリハビリです

観測した高度と測高公式で計算した高度とを比べてみます。
ここでは測候公式で計算した高度を測高高度と呼びます

1.データフォーマット

データは測高高度を加え次のようにしました

  年月日 気圧 高度 気温 相対湿度 測高高度 ???
1984 12 01 987.4 21 -7.6 75 21 0
1984 12 01 958.8 251 -5.6 58 249.846 2.11254e-05
1984 12 01 938.2 421 -5.9 45 419.489 1.70076e-05
1984 12 01 907.7 680 -5.2 47 677.817 1.47728e-05
1984 12 01 892.4 813 -6.9 48 810.445 1.35486e-05
1984 12 01 886.8 862 -7.0 49 859.392 1.26691e-05
1984 12 01 864.0 1064 -9.1 36 1061.08 1.18094e-05
1984 12 01 838.9 1292 -10.2 37 1287.99 1.14963e-05
.......
.......
最近読んだ本にデータフォーマットもプログラムなんだみたいなことが書いてありました。
あのデータベースのとっつきにくさと作業の爽快感もこのあたりにあったのかと納得しました。
とりあえず1200z整理していきます
12月分で1.7Mとなりました
空白行をなくさないとうまくデータは扱えませんが
便利なもので

gawk 'length !=0' 12gatu >12gatu.txt

これで空白行をなくした新しいデータが作れました
12gatuが空白行のあるデータで12gatu.txt 12が新しいデータです

今回は年月日と???を削除して作業をしました(と言うより試行錯誤で結果やり直しました)

さっそく「高度 対 delta」で高度と測高高度の関係を見てみましょう
hightは高度
deltaは高度ー 測高高度
です

2.高度 対 delta
すごいですね・・
相関係数は0.96みたいです。
グラフから受ける印象はこんなに高くないですけど・・?


データ数は33059でした
グラフはpythonで作りました
エクセルでグラフを作るストレスからは開放されましたがなにか心もとない。
deltaの平均は24.8631
高度が高くなるとdeltaが大きくなるようですね
deltaを⊿として高さの予測式は
高さ=412.484*⊿+406.367
となりました


ん?・・・・??  ・・; ・・; ・・;
delta=高度ー測高高度
??

あれ?測高公式での結論と違う結果だ
思惑が外れてしまいました
平均分子量が理論値より大きいと結論したかったのですが・・
これでは小くなるみたいです?(結論するのは早すぎますが・・かなりガッカリりです)
あとでちょっと原点にもどってすこし考えますので先に進みましょう。

気を撮り直して・・;

15000mの少し上に乱れるところがありますからここらあたりで傾きが違うのかもしれません。
ところで予測式の傾きが少し足りないのが直感的に解ると思います。

3.実験 データの絞り込み
・・;こんなことして良いのかわかりませんが
データを±標準偏差(±σ)のデータに絞り込みました


上のグラフはウィキペディアからいただきました

誤差が偶然誤差(?)ならデータ数3305930%程度のデータ約10000個が削り取られるはずです
結果は30631のデータが残りましたので・・;削除したデータは2428でした
異常と言ってはいけなでしょうけど・・邪魔なデータがかなり取り除かれたと思います
結果は


誤差?(こんなに簡単に言い切っていいのかわかりませんが・・;)の大きなデータを7.3%除くと高度が高くなるとdeltaが大きくなる傾向がはっきりしました?

新しい予測式は
高さ=443.36*deltaー525.06
となりました

(ハハ) それにしても相関係数1.0なんて結果初めて見たな・・
±標準偏差内のデータ数は90%以上残っていますから・・結果は信じても良いように思えます。

^^;予測式は
本当は途中で折れ曲がっていると思いますが・・

根拠はありません・・実験ですし、面白そうだから12delta2のデータでも±標準偏差のデータを切り出してみます。
データ数は22828となりました。30631228287803で元データ(30631)の25%を削除したことになります。
かなり理論値の31.8%にかなり近くなったと思います。
グラフ3


グラフのタイトルが12delta4となっているのは中間ファイルを作ったためです
新しい予測式は
高さ=445.46*deltaー559.26
となりました
12delta2の予測式は
高さ=443.36*deltaー525.06
でしたからほとんどかわりませんね・・当然なんでしょうけど・・

さて、次に気圧毎の予測式を求めたいのですが・・
その前に、実際の高度が測高高度より高いことについて考察しておきましょう


4.実在大気と測高公式
何故、実在空気の高度のほうが測候公式より高くなるのか考察します。

まず静水圧平衡と測高公式の関係を簡単に振り返ります

静水圧平衡から
dP/P +(mg/RTdZ=0
ですね(^^)、また静水圧平衡なら
mgdZ=ーCpT
と乾燥断熱源率になるはずで・・組み合わせると
P/Pー(Cp/R)T/T=0
この式から温位が定義されます。
(温位は静水圧平衡と乾燥断熱源率が前提なんですね?物理的な中身は静水圧平衡と乾燥断熱源率は同じなんですけど・・)
P0=1000T0θとして気圧面Pの温度がTなら次式から温位が求まります
ln(P/1000)=(Cp/R)ln(T/θ
(ずいぶん不親切になったなあ〜)

実際の大気は相対湿度が100%以下でも乾燥断熱源率になっていません。

公式も静水圧平衡
dP/P +(mg/RTdZ=0
から
ln(P1/P0)+(mg/RT'(h1h0)=0
T'を平均気温としたのが測高公式です。

さて、乾燥空気は100mの高度差に対し約1℃の温度差が対応します
実際の大気は0.60.8℃ですからこのあたりに原因があるのかもしれません。
実際の大気は温度差が1℃なら気圧面の高度差は130170mあることになりますからね。

測高公式はP0P1の温度差が1℃とすると乾燥断熱減率から気圧面の高度差は100mであるとなります。
静水圧平衡を前提にすると、必然的に乾燥断熱減率も前提になるのです。

実際の大気の乾燥(?)断熱源率の絶対値は
T/dZ=−mg/Cp
のmg/Cpより小さいことになります
gは10000mを超えると若干影響がでてきますが問題なさそうだしmは下層でH2Oが不定ですがこれに問題があるとは思えません・・となるとCpが怪しい・・
とりあえず、物理的考察は棚上げします。
個人的には実際の大気の高度が高いことは納得しました。

統計的に測高公式から気圧面の高度を推定できる(そう?)ので、この点を追求しましょう。


5.20000mから35000mの予測式(50hPa以下の領域)

それでは気圧別に予測式を探しましょう・・;
報告?がかなり長くなりました。
50Paより上空の高度と測高高度の関係を簡単に示して今回は終わりにします。
残りは何時か(やる気があれば・・;)報告します

とりあえず切り出したデータがこれで
データ数は5844


deruta
delta=高度−測高高度です。



予測式と、求めたい傾きが違うことがハッキリ(?)していますね

deruta4080のところにホントらしいところがありますね。
乱暴ですが 40delta<80を切りだすします。
(本当はこんなことしたら周りからボコボコにされるよなあ~)
と・・その前に15000から35000mの気温を確認しておきましょう。



高度が高くなると温度も高くなる領域ですね。
それでは、deltaを切り出します



傾きはもう少しおおきいでしょうねえ・・
まだ、求めたい傾きが違います
データ数は5470ですから300くらいデータをけずったことになります



むちゃくちゃついでに、さらに±標準偏差のデータを切りだします。・・;
グラフ7


データ数は4036でしたのでもとのデータの69%になりました

予測式は
高さ=393.92×delta + 3080.35

もう少し、傾きは大きいほうが適切なような気がしますが・・キリがないのでこのくらいにします。

50100hPa100150hPaがどうなっているか調べるのが先だと思いますが
全体の予測式
高さ=445.46*delta⊿ー559.26
と比べると傾きは小さいようです。
ところで、このデータの組における温度と高度の関係は
グラフ8


温度で少し選別できるかなと期待していたのですけれども・・
無理なようです。
一応、元のデータと重ねてみます


やはり残念、温度によって選別はできないようです


雑感等
シェルプログラミング実用テクニック(上田隆一著 技術評論社)を参考に悩みながら作業をしました

いつもは、エクセルで確かめながらグラフを作ってきたので何か頼りない。
データの数が合わない等のトラブルにあって不安です

測高公式は上空にいくほど温度が高くなるような領域でも使えそうですね?
完全に乾燥断熱減率は使えないはずなんですけど・・;
なぜなのか?
不思議に思っているしかなさそうです。
12月ですからほとんど1日じゅう太陽が出ている時期です。
1日中夜の6月と比べれば何かわかるかもしれません。

お詫び
前回の測高公式では実際の高度より測高高度のほうが高くなっていたと思いますが・・
ミスでやはり実際の高度のほうが高かったです。
すいませんでした