2011年6月26日日曜日

原子力発電所の水素爆発について メモ32

メモ31は新しい考え方で、書き直しました。

2号機の状態はほぼ冷温停止状態にあります。
格納容器の圧力はほぼ大気圧にされていると考えられます。高くしておく必要がありません。
メルトスルーが起きてればドライベント状態と言う訳です。
水の温度は100℃をやや越える温度ですから水蒸気の分圧は1013hPa以上になります。
核燃料で温められ常に格納容器に供給された過剰な水蒸気は気体排気処理系へ捨てられます。
核燃料の放射線で水素や酸素が作られても、常に水蒸気とともに気体排気処理系へ捨てられてしまいます。
冷温停止状態は水の温度100℃あたりに保つわけです。
水蒸気圧は大気圧と同じ1013hPaですので、100℃まで温度をさげても格納容器内の水素は次々と水蒸気とともに気体排気処理系へ捨てられます。
水素圧力(濃度)は可燃限界に達しません。

東電の
福島原子力発電所2号機における窒素封入に係わる報告書の徴収について
http://www.meti.go.jp/press/2011/06/20110625001/20110625001-2.pdf
で説明している

(1)同作業の実施手順及びそれにより期待される水素燃焼を防止する効果
現在、原子炉圧力容器が、蒸気雰囲気となっていると考えられるため、水蒸気の濃度が高く、原子炉圧力容器内あるいは原子炉格納容器内で発生した水素の格納容器内での濃度は可燃限界に至らないことから、水素爆発に至るリスクは小さいが、この状態において、原子炉の冷却を促進すると、蒸気発生がなくなる一方、水の放射線分解により水素の発生が継続するため、原子炉格納容器内の水素濃度が高まり。可燃限界に達する懸念がある。このため、窒素封入を行う必要があると考えている。

可燃限界に達する懸念はありませんから(1)は「うそ」です。

こんないい加減な文書がとおるなら、原子力安全・保安院と経済産業省は今も東京電力とグルです。

原子力発電所の水素爆発について メモ31

6月27日赤文字は加筆したものです。
今日 6月26日 NHKラジオニュースから

東京電力が2号機に窒素を入れるそうです。
相変わらずの秘密主義で情報の公開が不十分です。カルト集団は信用できない。

たとえば、3号機で
逃し安全弁や原子炉隔離時冷却系を使えば、圧力容器から圧力抑制室(サプレッションプール)にプルトニュウムが流れ込む。
ウェットベントで大気中にプルトニュウムが漏れた。
説明してきたでしょうか?

3号機の圧力抑制室(サプレッションプール)に穴が開いていれば、プルトニュウムが漏れているはずです。
そうした大騒ぎは現在起きていないように見えます。
3号機の格納容器に穴が開いている可能性は低いと思います。
プルトニュウムを計っていないだけなのか?そんなこともわからない。

3つの原子炉で穴が開いている可能性が一番高いのは2号機です。
2号機は現在どのような状態にしているのか?

説明すべきです。秘密があれば対策は歪んだものになります。


窒素封入しようとしている6月25日2号機を確認しておきましょう。




格納容器の圧力計は壊れていますが・・・
格納容器の圧力を高くする必要はもうありません。
メルトスルーがおきていれば格納容器はドライベントをしている状態でしょうから
大気圧になっているはずです。
温度は100℃を越えていますが隣の使用済燃料プールと大差ない状態です。

稼働中に発生する水素(and 3重水素)等の非凝縮性ガスの圧力は低圧タービンに流れ込んで事故を起こすほど高圧になります。


現在はほとんど冷温停止状態で発生する水素は十分に排ガス再結合器で処理できるはずです。

また、運転停止している原子炉に窒素を入れ続けている事実はありません。
(燃料が核燃料棒に収められている違いはありますが)
運転を初めるときに圧力容器に溜まった 水素(and 3重水素)等の非凝縮性ガスを高圧水素で追い出すことから分かります。
窒素を入れ続けていれば、このような事は必要ないからです。(メモ 参照)

(「水素・酸素注入設備」より窒素を入れつづけて、停止中は水素(and 3重水素)等の非凝縮性ガスを追い出してるほうが安全な気する)

水素と酸素の再結合があっても、
3号機で起きた爆発物による爆発とは規模がまるきり違います。
計器類タービン建屋などでよく起こるボヤ程度と思います。

******************
窒素封入について東京電力はつぎの文書で説明してます。

福島原子力発電所2号機における窒素封入に係わる報告書の徴収について
http://www.meti.go.jp/press/2011/06/20110625001/20110625001-2.pdf


(1)同作業の実施手順及びそれにより期待される水素燃焼を防止する効果
現在、原子炉圧力容器が、蒸気雰囲気となっていると考えられるため、水蒸気の濃度が高く、原子炉圧力容器内あるいは原子炉格納容器内で発生した水素の格納容器内での濃度は可燃限界に至らないことから、水素爆発に至るリスクは小さいが、この状態において、原子炉の冷却を促進すると、蒸気発生がなくなる一方、水の放射線分解により水素の発生が継続するため、原子炉格納容器内の水素濃度が高まり。可燃限界に達する懸念がある。このため、窒素封入を行う必要があると考えている。

(1)は冗談にしか思えません。
原子炉の温度は既に100℃程度です。すでに隣の使用済核燃料プールと大差ありません。
また(2)から分かるように水素は放射能を含んだ水蒸気と一緒に常時、排気処理系に捨てられている。
いわば、ドライベントをし続けている状態と考えられます。

また 冷温停止は100℃程度ですから今の状態と変わりません。
可燃限界に達する可能性はありません。
(1)は「うそ」です。
もし、排気処理系が壊れている(タービン建屋で漏れている等)のなら、
格納容器の高放射能が直接外に出ていることになるから窒素など入れるべきではありません。

また水素濃度が高まれば排気処理系で水素濃度が確認できます。
可燃限界は測定可能で、いい加減に窒素を入れる必要はありません。
情報報の公開が不十分です。

今、窒素を封入する緊急性は全くありません。

今、窒素を封入する緊急性は全くありません。


水素爆発の可能性があるなら、常時水素濃度を公開すべきです。
水素爆発(水素による火災)があるとすれば格納容器周辺ではなく
気体廃棄物処理系やタービン建屋周辺だと思います。
原子炉に窒素を入れるのは有効な対策ではありません。

窒素を入れる理由は別にあると思います。

(2)同作業により想定される格納容器から押し出される放射性物質が周辺環境に与える影響
窒素封入は、単位時間あたりに原子炉格納容器から放出する蒸気量を幾分増やすことになるものの、環境へ放出する放射性物質のトータルの量は原子炉格納容器気相部に存在する量に等しく、窒素を封入してもその量は変わらないことから、窒素封入が周辺環境へ及ぼす影響はないと考えられる。

(2)は好意的に解釈しても、
窒素を入れてもドライベントしているから格納容器の圧力は高まる事はなく、したがって穴の開いたサプレッション(圧力調整室)から高放射能水が漏れることはない。
液体窒素が気体になった分、格納容器から出てゆくだけで、結局トータルの格納容器からでる放射能は変わらないから周辺環境へ及ぼす影響はない(?)と考えられる。

本当に窒素をいれて
「サプレッション(圧力調整室)から高放射能水が漏れることはない。」
ことを説明すべきです。

(2)は説明になっていません。
(2)は説明になっていません。また、大雑把に考えると
窒素の入れ初めは格納容器の気相放射性物質を格納容器の体積分出すことになりかねない。


排出される放射能は排気処理系で本当に処理できる量なのか?
排気処理系は健全なのか?
情報足りません。

排気筒上部のモニター値を公開すべきです。
「周辺環境へ影響を及ぼした」
奴が、数値も示さず
「周辺環境へ及ぼす影響はない」
と言っても信用できない。

2011年6月25日土曜日

原子力発電所の水素爆発について メモ30

ネットニュースの
毎日JPに
福島第1原発:1号機のベント「失敗」 弁開放は未確認
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/nuclear/news/20110624k0000m040144000c.html

がありました。
内容は毎日JPで確認願います。

記事の中の準備作業は、
12日00時06分 所長のベント指示で行われるべき事柄でした。(メモ27参照)
実際に作業に1班が出かけたのは12日09時04分です。

(2班はやはり必要ない。あったとしても計器類の確認程度。9時間も何をやっていたのか?本社の指示待ちだったと思います)
また図(省略 記事で確認お願いします)からベントは最終的に排気筒で大気に捨てられると考えたのは正しかったようです。

一時的でも、弁は開きましたから放射能とともに水素は大気中に放出されたと思います。
排気筒から炎が上がったか分かりませんが、上がっていたら活性炭が焼かれた可能性があります。
原子炉内の高濃度の放射性物質が処理されず排気筒から、今も放出されている可能性があります。
(その可能性は小さいとおもいますが、排気筒からでる放射能モニター値を公表させ常時監視するべきと思います。)

3号機のベントについて考える前に、
空気圧縮機(コンプレッサー)とボンベの関係
について少し説明させてください。
(東電の説明は足りない、わざと本当のことを言っていないと思います。)

空気圧縮機(コンプレッサー)は空気を圧縮してボンベに空気を溜める機械と考えてよいと思います。
 私の知っているこのような「空気圧縮機」+「ボンベ」を使う機械に空気遮断器があります。

高圧空気を雷のように走る電気の流れ(電流)に吹き付け、電気の流れ(電流)を切る、スイッチです。
空気圧縮機だけでは、電気の流れ(電流は)切ることはできません。ボンベが必要なのです。

空気を吹き付けますから、ボンベは空になります。
空になったボンベは自動的に空気圧縮機(コンプレッサー)により高圧空気が詰め込まれます。
また、ボンベは使わなくとも時間がたつと自然に圧力が下がります。
圧力がある値以下に下がると自動的に空気が詰め込まれるようにできています。
毎日、ボンベ圧を点検さえしてれば交流電源がなくても、
1回はこの装置(スイッチ)は動くはずです。

ベントも同じだと思います。
ボンベの中の高圧空気を電磁弁AO弁に送り弁を押し上げ(下げ?)放射能を含んだ排気を気体廃棄物処理系へに送りこむと思います。
電磁弁は明らかに操作電源を使います)
(AO弁の図を載せたかったのですが・・・関係のない会社の弁を載せるのも・・・図は省略しました。)

また、AO弁は電磁弁を操作してAO弁の圧力を抜かないと閉まらないと考えられます。
MO弁を25%しか開けなかったのは、気体廃棄物処理系をこわしたくなかったからだと思います。
(気体処理系について 参考 中部電力㈱浜岡原子力発電所5号機における原子炉手動停止に関する原因と対策について
2号機、3号機も小弁の操作に終始したようです。

こんな状態でも気体廃棄物処理系を心配している。

 ・・・・カルト としか言いようがないです。・・・

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%EB%A5%C8(参照先の説明は少したりないように思います。カルトは体と精神もボロボロにします。)


**********
3号機ベント

3月12日
17時30分 ベント準備開始(所長指示)
11時36分 原子炉隔離時冷却系停止してます。
      遅くとも11時36分にベント準備開始させるべきです。
       また、高圧注水系が
      バッテリーだけで動いていることに気がついてないことになります。
      (バッテリーが必要だってことに本当に気がつかなかった。
       所長だけじゃなよなあ~ 本社もだよなあ~ 最低だなあ~ 
       意識が他、例えば「排気処理施設」にいってたんだろうなあ~)


3月13日 
04時50分 仮設照明用の小型発電機?を使い、
圧力抑制室ベント弁大弁を開けようとしたが失敗
      交流電源がないので、
      空気圧縮機(コンプレッサー)を動かすのに必要だったのかもしれません。
05時23分 ボンベに十分な圧縮空気が入ってないためボンベ交換が必要と判断
04時50分に気がつけよ。
      ベントに必要なボンベなので、毎時間この圧力は確認していなければなりません。
       空気遮断器に使うボンベ圧は毎時間チェックするよう義務付けられているようです。
      30分以上時間がかかったのは普段チェックしていない証拠です。
      チェックすべきことさえ知らないみたいです。・・・
          ・・・・いったい、どういう事だろう?・・・
          ・・・・まるで今日働き始めた人たちが作業しているみたいな感じです。


時間不明  その後ボンベ交換      
ボンベの重量は、人間の力で持ちあげられるようなものではないでしょうから・・・
      空気圧縮機で圧縮空気をボンベに詰めたと思います。
08時41分 圧力抑制室ベント弁 大弁が開きベント実施の確認へ
ちゃんと作業が終了したか確認するようです。このあたりは技術屋さんらしい・・
09時24分 格納容器圧が減圧されたことを確認。ベントが実施されたと判断
作業した人は「ベント実施と判断した」から中央制御室に帰ったと思います。
      すでに、原子炉隔離時冷却系は止まり、
      また02時42分バッテリー切れで高圧注水系も止まっています。
      あとは、手動で圧力容器から今いる圧力抑制室に直接高圧蒸気を送る
      「逃し安全弁」
      しかないわけだから・・・・ 
プレスでは午前9時の状況として、3号機でベントしたとあります。
      フライングですがある程度確信があったのでしょう。  
他のプレスで12時前に逃し安全弁の操作をしたのが分かります。
      この逃し安全弁 は人のいるところでやれる操作ではありません。

11時17分  ボンベの圧縮空気がなくなり、圧力抑制室ベント弁が再び閉まったことを確認?
なにを言ってるのかわかりません。
      「ボンベの圧力」と「ベント弁が再び閉まった」
      ことは関係がないと思います。 
     
      ボンベ圧力が下がれば、自動的に空気圧縮機で空気が入ります。
小型発電機は残したと思います。
      ベント弁は閉めないと閉まりません。閉めたのです。
      でないと弁が完全に壊れた事になります。

12時30分頃 ボンベ交換 再び開いたことを確認
これもなにを言っているのかわかりません。
       空気圧縮機(コンプレッサー)でボンベに圧縮空気が詰め終わり
       ベントをしたと思います。

時間不明  圧力抑制室ベント弁 大弁を開いた状態でロックしようとするが失敗?
大弁を電磁弁で閉じたと思います。

14時31分 所内の放射能の値が上がります。
ベントをしたので当然だと思います。
15時28分 中央制御室の線量が毎時12ミリシーベルト 当直員を残し退去

14日
02時頃  格納容器圧力が上昇
06時10分 圧力抑制室ベント弁 小弁を開く
同様の操作をその後も複数回実施

・・・・多分、排気処理系を壊さないように・・・こまめな連続ベントですね・・・・
     ベントした事をかくしていた。
     ひょっとしたら、プルトニュウムを含んだドライベントをしてるかもしれない・・・・
     ウェットベントは2号機のように圧力抑制室を傷めるかもしれないのですから・・・

**************

排気筒出口のモニター値が分からないと一般にはベントしたか分かりません。・・・・・
排気筒出口のモニターは公開させるべきです。

外で、プルトニュウムが見つかったのは当然だと思います。

参考 福島原発の土壌からプルトニウム 東電発表  :日本経済新聞
http://matome.naver.jp/odai/2130133244561612501

2011年6月24日金曜日

原子力発電所の水素爆発について メモ29

3号機は3月12日に原子炉隔離時冷却系がすでに停止していました。



電源喪失時、圧力容器の中を冷やすのは「原子炉隔離時冷却系」と「高圧注水系」があるようです。
まず、この2つの冷却システムの違いを確認しておきます。
圧力容器の中にはシュラウドと呼ばれる筒があるようです。
この筒が燃料棒や制御棒を支えるような構造になっています。

wikipediaの説明によりますと高圧注水系は、
「シュラウド内側の燃料集合体に向けて注水する。」
「交流モーターポンプで駆動される。」
とありますが、電源喪失時は、原子炉隔離時冷却系と同様の循環システムが出来上がるようです。
交流電源は必ずしも必要ではないようですが、バッテリーは必要なようです。
1、2号機ではバッテリーが水没して動かなかったと解説されています。
これに対し
原子炉隔離時冷却系
「炉心シュラウド外側に注水する。」とあります。こちらはバッテリーは必要ないようです。
高圧注水系は


原子炉隔離時冷却系(図省略 メモ28参照)と同じに見えます。
ポンプ?か電磁弁に直流電源が必要なのかもしれません。

準備ができました。
********
19日朝日新聞を中心に3号機について考えてみます。

3号機
注水について

3月12日
11時36分 原子炉隔離時冷却系停止?
こんな話あったか?
     3月12日午後1時現在のプレス
     私はなんらかの電源が戻りはじめたと思ったのですが、実は事態が悪化していた。
     ・・・ひどいプレスだな・・・これで15条にならないのか?
     この時のプレスでは「高圧注水系で冷却してます。」とあるだけです。
     バッテリーが切れれば、圧力容器を冷やすことができなくなります。
     バッテリーは何分持つんだ。?
ルポ東京電力 原発危機1カ月(奥山 俊宏 朝日新書) 
     では「13日02時42分高圧注水系が停止」P78とありました。
     バッテリー切れはこの時間と考えてよいでしょう。・・・・・が、
     ??こんなにバッテリーがもつのか?ほんとなのかなあ?
ルポ東京電力 原発危機1カ月(奥山 俊宏 朝日新書)によると
     バッテリーは8時間もちそうですP28
     ・・・バッテリーの管理はしっかりしていたんだ。めずらしい。?・・・・
あれ?バッテリーが生きてれば・・・ 非常用冷却装置がうごくよなあ?

     どう言うこと?
  
     3月11日のプレス
は初めから原子炉隔離時冷却系で冷やしていることになってる?
     原子炉隔離時冷却系非常用冷却装置の構成要素の1つで     
     交流電源が失われたのは11日15時41分だから・・・ 非常用冷却装置
     が全部まともに動いていたら・・・8時間しかもたないから、この時間までもたない・・・

     非常用冷却装置はふらふらしながらここまでもったてことかあ~
     確かに自動減圧系なんかも動いた形跡はない・・・原子炉隔離時冷却系
     動いたのが不思議に思えてきた。
     ボロボロの原子炉だなあ~(ボロボロにしたんだろうけど)
     正確な情報がでないなあ、東電の悪意を感じる。 


時刻不明 消防車到着

3月13日
09時08分 原子炉を減圧する
「逃し安全弁」
(人間が手動で原子炉隔離時冷却系を運転するイメージ メモ28 参照)
を開く操作ができず。社員の通勤自動車バッテリーを集め急速減圧を実施

プレスで15条を出したのは3月13日5時10分です。
   13日02時42分に「高圧注水系」は止ってます。
   この時に出しても遅いくらいなのになあ・・・

09時25分 消防車で注水開始
10時30分 海水注入を視野に入れて動くとの所長指示(?)
なにが言いたいのだろう?・・
12時20分 防火水槽枯渇
13時12分 別ルートで海水注入開始

14日 
明け方に消防車の応援到着。
海から直接海水を取水して送水するよう2台を物揚場付近に配置し
注水の仕組みを立て直す?


           津波が心配です。(後述にある配置図 参照)
11時01分 爆発
16時 頃 消防車による海水注入再開

********
・・・・・・
ベントについて書くと長くなりそうなので・・・
少し電源について考えておきましょう。

根拠もなく、
「地震と津波で全電源が失われて、メルトダウンした」と報道されていますがそうでしょうか?
3号機のバッテリーは失われていません。
東電本店とTV会議なんかも行われています。

ルポ東京電力 原発危機1カ月(奥山 俊宏 朝日新書)p26
によると「現地の緊急時対策室」は「非常用ガスタービン発電機」から電気が供給されています。
「緊急時対策室」は免震重要棟と呼ばれる建物にあるようです。

47NEWS免震重要棟内の写真公開
http://www.47news.jp/movie/general_national/post_3230/
の画像から見るイメージでは、大型モニタや自動ドア、惜しげもなく明かりもついています。
発電機はかなり大きそうです。6600Vの高圧発電機だと思います。
これをなんとか使おうとしなかったのか?技術屋さんがいたのならしたと思います。


また、バッテリーを充電する整流器が3号機バッテリーの近くにあるはずです。
これに充電できる発電機は大型である必要は無いと思います。

11日からバッテリーを使っているのは分かっていたので、
12日には発電機は準備でき整流器で直流電源は確保できたはずです。
(こんなこともマニュアルに書かなきゃいけないのかな?書くべきですね、そうしているシステムがあった気がする)


パニクって・・・。思いつかなかった。(技術者じゃナイヨ)
それとも、本当に技術力がなかった。・・・・いずれにしても技術力はおそろしく低い。
バッテリー切れでメルトダウンを起こすなど考えられないことです。
事故は東電による人災です。

(それくらいの発電機は、この施設の中に転がってあるような気がしますが・・・適当な低圧の発電機も必要ですね。)



2011年6月23日木曜日

原子力発電所の水素爆発について メモ28

東電のプレスで2号機の
 原子炉隔離時冷却系
は3月14日23時30分より前に止まったことがわかります。
2号機について考える前に
原子炉隔離時冷却系について整理しておきます。



 原子炉隔離時冷却系隔離時に圧力容器からでた高放射能水蒸気は、
原子炉隔離時冷却系タービンへ行くようです。
タービンから出た高放射能水蒸気は圧力抑制室(サプレッションプール)へ
行って冷やされ水になります。
サプレッションプールの水は原子炉隔離時冷却系ポンプで圧力容器に入り冷やすことになります。

非常用復水器よりはるかに安全に思えますが・・・・
圧力容器の高放射放射能が圧力抑制室に捨てられます。
格納容器に圧力容器クラスの放射能物質が溜まることになります。

原子炉隔離時冷却系は、連続ベントをしているようなものです。

原子炉隔離時冷却系を動かした原子炉を再稼働させるには、この高放射能水の処理をしなければなりません。
無造作に再稼働すれば、今回以上の放射能が大気中に捨てられることになります。
廃棄筒上部の放射線モニターは常時公開することを原則とすべきです。(メモ27参照)


前回同様に19日朝日新聞を中心に考えてみます。
********
2号機 注水について

3月11日
16時36分 交流電源が失われ非常用炉心冷却装置による注水不能
時間不明 消火系で注水可能とした。

原子炉にはいろいろなルートで注水できるようです。ルポ東京電力 参照
圧力容器か格納容器かは不明です。

19時現在、東電プレスによると
「1号機においては、非常用復水器で原子炉内の蒸気を冷やしており、2、3号機
については、原子炉隔離時冷却系で原子炉に注水しております。」
とあります。
電源がなくとも、圧力容器を冷やす「非常用復水器」「原子炉隔離時冷却系」は動いています。
特に直流電源については触れられていません。

12日
15時30分 高圧電源車は1号機と共用で1号機 ホウ酸注入ポンプ手前まで送電?
訳の分からない電源車の使い方です。

15時31分 1号機爆発 電源ケーブルが損傷(?)高圧電源車自動停止(?)

13日
12時05分 海水注入準備 (所長指示)
時間不明 原子炉隔離時冷却系の停止?に備え海水注入用ホースの敷設を実施
しかし、ほんとに何もしないなあ
原子炉隔離時冷却系に何かトラブルがあったのかもしれません
14日
(11時01分頃 3号機爆発)
11時01分 消防車ホース使用不能
午後   新たな注水管準備
13時18分 原子炉水位低下
16時半頃 消防車起動 注水準備を整えた

(原子炉の減圧)
時間不明 格納容器ベント後海水注入決定
16時 頃 圧力抑制室に蒸気を逃す「逃し安全弁」による原子炉の減圧を優先?
なんのことでしょうか?

上の図をみると水は巡回しませんが
原子炉隔離時冷却系を手動で動かすイメージです。

       原子炉隔離時冷却系は壊れたようです。

19時20分 消防車の燃料切れ 給油後・注水開始
朝日新聞は、この件に関して問いただしています。
     記事の内容から給水は無人で行っていたようです。
     私は消防士さんにお願いしたと考えていたのですが・・・悪いほうに外れました。
     (責任感の無い人たちだと思います) 

20時 頃 原子炉の減圧開始
逃し安全弁を操作
人間による原子炉隔離時冷却系の運転開始です。・・・・

2号機ベントについて 
12日
17時30分 ベント準備指示(所長)
[ベント事前準備]
必要な弁をあらかじめ開けておくこと

冗談みたいですが・・・「必要な弁を開けること」を確認しあったただけで
              直ちに実行したわけではありません。
たぶんなにもしていない・・
13日
08時10分 格納容器ベント弁25%開
ベント弁は何本かあるようです(メモ27 参照) 
時間不明 圧力抑制室ベント弁 大弁の電磁弁を開操作実施
ベントライン構成完了(11時?)圧力が高まればベントできる状態

意味はよくわかりませんが操作電源が生きていることが分かります。
安全・保安院に送った資料 と つじつま合わせのようです。
13日のプレスで2号機でベントを実施した記述はありません。
     ベントしたのなら、3号機のようにはっきり書くはずです。
毎日jp
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110619ddm008040089000c.html
10時15分 ベントを実施するよう吉田所長指示。

とあります。


14日
11時01分 3号機爆発
圧力抑制室ベント弁 大弁の回路が外れ閉となる?
中央制御室の当直員を除く作業員退避

ここは2号機です。 東電プレス1  東電プレス2 によると
     負傷者は11名で、いずれも意識はあったようです。
     3号機の爆発で2号機原子炉縦屋は無事です。
     こんな心臓部の回路が外れ閉となることは無いと思います。
     原子力安全・保安院や経済産業省への提出用みたいですから
     この程度の理由でよいとしたのでしょう。 
        理由になってないけど・・・ホントなら原子力発電するプラントではない。

(圧力抑制室ベント弁 小弁の開操作)
16時20分 圧力抑制室ベント弁 大弁の開操作を実施。空気圧縮機からの空気が不十分で開かず。   
・・・・
  ・・・・12日17時30分のベント準備指示(所長)はなんだったのでしょう。
  しかも12日1号機では
「12時半ごろ
     弁開放に使う空気圧縮機「仮設コンプレッサー」を協力企業で発見、
     原子炉建屋付近に設置。」
しています。
  普段の「たるみによる 圧力不足の見逃しミス」「緊急時の確認ミス」が重なっています。
  重大事故が起こる典型です。
  ・・・所長の指示など無かったのでしょう。

18時35分 大弁だけでなく、小弁も対象にベントラインの復旧作業
大弁は不具合により開けなくなったと推定

1号機で仮設コンプレッサーをつけてくれた技術者がいなかったのかもしれません。

21時 頃 小弁が微開となりベント準備完成?

微開ってなんだ?ベント準備完成?なんだこれ?
毎日jp
21時20分 逃がし安全弁を二つ開き、原子炉水位の回復を確認。

この時間あたりで、原子炉隔離時冷却系が壊れたのを認めました。

22時50分 格納容器圧力 上限圧力を越える
ベント実施決定

15日
00時02分 ベント準備完了だが数分後に弁が閉まっていることを確認
ベントするか試してみた程度だと思います。

06時10分頃 圧力抑制室付近で大きな衝撃音
逃し安全弁の操作が原因だと思うのが自然なようです。
活性化していた三重水素、水素や酸素が冷えて圧力抑制室の中で再結合(爆発)が起こったのかもしれません。

2011年6月22日水曜日

原子力発電所の水素爆発について メモ27

今日6月22日

昨日、図書館で6月19日の朝日新聞をみました。
東京電力の発表に基づく原発の注水とベントについて時系列がありました。
記事によって解釈が違うようですが、朝日新聞の記事を中心に考えてみたいと思います。
(おそらく東電の元資料がめちゃめちゃ分かりにくいのだと思います)

その前に
私は、ベントとは圧力容器の圧力を下げないと意味が無いと考え間違った記述を繰り返しました。
まずベントについて整理したいと思います。

YAHOO!知恵袋に
原発に出てくるベントとは、どういうものですか?
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1264287207
という質問があります。
ベストアンサーに選ばれた回答
を一部引用させてもらいます。

*********
引用開始
1.ドライベント
圧力容器や、タービンへ蒸気を送る配管などの内部の圧力が高くなった時に、直接外部(格納容器内や原子炉建屋内)へ蒸気を逃がして圧力を下げる作業。
通常は行われない。緊急時対応の場合のみ実行されます。

2.ウェットベント
圧力容器内の圧力が上がった際に、圧力容器内の蒸気を、格納容器内のサプレッションチャンバーに常時貯めてある水の中に放出する作業。水中に放出された蒸 気は瞬時に水に変わるため、体積が1/1700~1/3000になり格納容器内の圧力が急上昇することを防いでいる。水中に放出するため「ウエット」と呼 ばれています。
引用終わり
***********
とありました。
                 (原子炉圧力容器ベント弁の弁座部からの漏えい より)

図の第一ベント部とか第二ベント部がベント管です。


ベストアンサー「2ウェットベント」で説明されている
サプレッションチャンバ-とは、圧力抑制室とかサプレッションプールとも呼ばれているものだと思います。
下の図の丸いドーナツ状の構造物で、ベント管は8本だったと記憶してます。


圧力抑制室内異物による運転中プラントの安全性評価についてより)

図は前後しますが、ベントとはウェットベントを行って格納容器の圧力を下げ、そしてドライベントで圧力容器の圧力を下げる作業と思うのですが・・・実際の行動はドライベントしてウェットベントしているようにも見える。
とにかく、順番がありそうです。
ウェットベントで出る放射性物質はおそらく廃棄物処理系へ行って最終的に廃棄筒から大気中に捨てられます。
(なるほど、ベントをすれば廃棄物処理系のダメージは大きいですね。メモ26参照)
廃棄筒にはセンサーがあるからどのくらいの放射能が大気中に捨てられたか分かるはずです。

志賀原子力発電所2号機気体廃棄物処理系における水素濃度上昇についてより)

参考 マークⅠ型原子炉格納容器のベント設備について - GE.com
GEはなぜこんなにベントに手間取ったのか不思議に思っているように私には思えました。 


さて、朝日さんの記事はザッと書き写したので間違えや、思い違いもあるとおもいます・・・

***********

1号機
注水について

3月11日
16時36分 非常用炉心冷却装置注水不能
注水不能になったのは、交流電源が失われたからです。

17時30分頃 消火ポンプ起動するも停止、復旧できず。
・・・・何を言ってるのか意味不明です。何か?電源があったのでしょうか?

3月12日
05時46分 所内消防車から淡水注入
15時30分 高圧電源車の接続 ホウ酸注入ポンプ手前まで送電?

    ホウ酸注入ポンプ手前まで送電?とは何を意味しているのか?・・・意味がよくわかりません。
 高圧とは600Vを超え7000V以下の電圧だそうです。おそらく、6600Vだと思います。
非常用炉心冷却装置は電源があれば動くはずなのですが、何故、ピンポイントでホウ酸注入ポンプ手前なのだろう?
本来、非常用炉心冷却装置を動かそうとするはずなのですが・・・

15時31分 1号機爆発 電源ケーブルが損傷(?)高圧電源車自動停止(?)
偶然、ホウ酸を入れる直前に爆発が起き、偶然ケーブルが損傷し、高圧電源車が自動停止した?
 写真でもあれば、信憑性があるのだが・・・
 ・・・鉄塔の自重がかかるなどしないとケーブルが簡単に損傷するとは私には思えない。

ベントについて

11日
時間不明 必要な図面を事務本館に取に行く?
・・・・どうして技術者のいる一番必要な現場にないのか?常識的には考えられない。

23時50分 格納容器圧 約6気圧 使用上限の1.5倍

12日
0時06分 格納容器ベント指示 (所長)

時間不明? ベント実施を了解 (首相、経産省、原子力安全・保安院)
 (0時06分?)

03時45分 原子炉建屋”もやもや”で入れず。線量わからず(?)。

08時27分 大熊町の一部住民が避難できていないとの情報

08時37分 避難終了後ベントで調整
09時04分 当直員2名が出発、現場との連絡をとるため1班ずつ現場に行き、
中央制御室に戻ってから次の班が出発する。 

??意味がよくわかりません??ネットの
毎日JP
  東日本大震災:福島第1原発事故 震災後、障害次々 ベント遅れる--東電対応公表
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110619ddm008040089000c.html
をみると、 

9時4分 第1班が懐中電灯を持って出発。手動で格納容器ベント弁を開く操作に着手。
続いて第2班が圧力抑制プールの弁開放のため出発するが、線量が高く引き返す。
     作業を断念。
とあります。
放射能は高くなることはあっても、低くならないでしょうから・・・
      素直に読むと圧力抑制プールの弁は操作できないと思えます。・・・・

毎日jpの格納容器ベント弁はネット検索してもよく分かりませんでした。
おそらくドライベントのことだとおもいます。
ドライベントと圧力抑制プールでベントする必要があり、
ストーリーとしては、順番があるので確実に操作するために1班が中央制御室に戻ってくるのを待つしかないのだと思います。
原子力発電所はかなり広そうですから、携帯型の無線通信機がなかったのは危機管理の「あまさ」です。
(外の変圧器等で異常があり電源を切る場合、無線機で連絡依頼する対策は当然だと思います。パトロールには無線機が必携です。あるのが普通?

このように考えるとドライベントをしてウェットベントの順番にみえます。
毎日JP
 「10時17分から3回、中央制御室で弁の開放操作をするが、開いたか不明。」

とあります。操作電源は生きているのです。

時間経過不明
圧力抑制室(サプレッションプール)の大弁を開くための
空気圧縮機(コンプレッサー)を探す?
協力企業にあり

上の記述もは私が書きなぐったもので朝日さんそのままではありません。
誤解がないようにお願いします。


毎日JP
「12時半ごろ 弁開放に使う空気圧縮機「仮設コンプレッサー」を協力企業で発見、原子炉建屋付近に設置。」

(・・・はじめて、技術屋さんらしい行動にであいました)
想像すると、第2班は必要なかったのでしょう。操作電源は生きていますから・・・・・


なんとなく想像ができるようになりました。

第1班は格納容器ベントで原子炉建屋に(不具合を直しに)入り、作業をして帰ってきました。
第2班は放射線が高く原子炉建屋に入れないと言っています。

ここで当時の状態を想像すると
作業でウェットベントすればドライベントが圧力差で起こる状態になっていた。
スイッチを入れて、ウェットベントしようとしたらベントしない・・・
原因は、圧縮空気の圧力が足りないからウェットベントできないことが分かった。
原因は空気圧縮機(コンプレッサー)が壊れていて、ボンベに圧縮空気を溜めていなかったからです。 
どうしようもない「たるみ」事故です
施設に詳しい方がコンプレサーを建屋の外からつなげた。
(技術者集団ではこうしたことが沢山起こっていなければならない)
ようやく圧力があがり
スイッチをいれたら
ウェットベントそして圧力差でドライベントしてベントが完成した。


14時30分 格納容器圧力低下 ベントによる圧力低下と判断

**************
となりました。

2号機3号機については 次のメモで・・・

2011年6月20日月曜日

原子力発電所の水素爆発について メモ26

ぼんやりと、水素・酸素注入設備が必要であることがわかりかけてきました。

水素酸素注入設備の目的は、圧力容器の強い放射能でできた「酸素や水素系の活性ガス」と「放射性物質」を外に出す役目と、外に出た「酸素や水素系の活性ガス」と「放射性物質」の処理にも使われている様です。

外に出た「酸素や水素系の活性ガス」と「放射性物質」の処理は気体廃棄物系で行われます。
以下は「気体廃棄物処理設備」?で検索した結果です。
放射性廃棄物処理設備 – Wikipedia
女川原子力発電所3号機気体廃棄物処理系における水素濃度の上昇に伴う ... 気体廃棄物系で水素濃度が高くなり運転を停止した事故のプレス
*1  志賀原子力発電所2号機 気体廃棄物処理系における水素濃度上昇の原因 ...
*2 概 略 系 統 図
気体廃棄物処理系概略系統図 たるみ 事故のようです。(運転開始時に起こる)詳細は不明
気体廃棄物処理系(※1)排ガス予熱器(※2)の取替工事 工事のお知らせ
*3 気体廃棄物処理系の排水器の動作不良
*4 気体廃棄物処理系の水素濃度上昇に伴う 原子炉手動停止 原子炉手動停止
もんじゅで警報 気体廃棄物処理系 - ただの高級湯沸かし器 - Yahoo!ブログ
志賀原子力発電所2号機 気体廃棄物処理系における水素濃度上昇 について 平成20年4月1日触媒の腐食
3号機気体廃棄物処理系の流量増加の調査結果について 3号機は、平成
気体廃棄物系で水素濃度が高くなったのだと思います。対策は酸素を供給して水素を燃やすようまじめに運転するように注意したようです。
*5 女川原子力発電所3号機の気体廃棄物処理系における放射性物質濃度の ...
中部電力 | 2号機 気体廃棄物処理系検査終了 - 点検情報(2003年) 点検検査合格
落札情報:気体廃棄物処理系屋外排気ダクトとの取合い変更作業 一式|1 ... 落札データバンク
気体廃棄物処理系の水素濃度対策SubWG 中間報告書 水素濃度上昇調査・原因は触媒の劣化
女川原子力発電所3号機の気体廃棄物処理系における放射性物質濃度の ... 
放射能はたいして漏れていないとする言い訳です(数値なし)
東北電力株式会社女川原子力発電所第3号機の気体廃棄物処理系における
グルの経済産業省と原子力安全・保安院による放射能はたいして漏れていないとするお墨付きです。

ほとんどが事故がらみです。・・・・・

さて気体廃棄物系について

触媒懇談会ニュース 触媒学会シニア懇談会
福島原発事故ー3 原子力発電所の水素爆発防止
http://www.shokubai.org/senior/News31.pdf
があります。
今回の水素爆発とは関係ありません。原子力発電所ではよく水素爆発が起こるようです。
(報告義務がないから報告していないだけのようです。・・・)
下の図は気体廃棄物系の概念図です。


1 原子炉(圧力容器)
2 所内用圧縮空気
3 水素濃度計
4 排ガス結合器(触媒 金属製の膜みたいなもの)
5  排ガス復水器
6 活性炭式希ガス ホールドアップ塔
7 廃棄筒
(7 廃棄筒で放射性物質を大気に捨ててる訳で、この筒出口の放射能値を公開すべきなのだが・・。)
中身をみますと

 2. 沸騰水型原子炉 (BWR)
 BWR の場合はスチームタービン主復水器
で凝集しない滞留気体は空気抽出器で分離
し排ガス予熱器で予熱した後 , トリチウム
 (T2 )を含む水素と酸素を Pt 又は Pd 触媒が充
填された反応器 (再結合器 )で反応させ冷却
し液体の水として分離した後 , 気体成分は
活性炭を充填したガスホールドアップ塔で
放射能を基準値以下まで減衰させた後 , 大
気に放出されている。

とあります。
トリチウム (T2 )は3重水素で半減期12.32年の放射性物質です。酸素とくっ付くと放射性の水が出来上がります。
Ptは白金Pdはパラジウムで、触媒としてゆっくりと水素と酸素を結合(燃やす)のだと思います。

これが、「4 排ガス結合器」の役目です。

これがつまると、水素と酸素は原子炉に戻りパイプや計測器の腐食や故障で、様々な事故につながります。
すどおりすると、水素と酸素は「5 排ガス復水器」で十分に冷却されず、直接「6 活性炭式希ガス ホールドアップ塔」に入り中の活性炭を燃やしてしまいます。
放射性物質は活性炭で除去(活性炭に貯める)されるますから、これが無くなると
圧力容器で作られた高濃度の放射性物質が直接大気中に捨てられることになります。
(この活性炭、ちゃんと処理されてんだろうな??法律に書いてないから海に捨てたってことはないだろうな?ざる法だからなあ)
気体廃棄物系で事故が起きますと原子炉の運転を止めることになります。

*1  志賀原子力発電所2号機 気体廃棄物処理系における水素濃度上昇の原因 ...
平成20年4月1日に「3 水素濃度計」の濃度が上昇しました。原因は触媒に液体の水がつき
硫酸塩が触媒の一部を覆ったため、触媒の性能が低下した。

どうも、「触媒が腐食して詰まって水素濃度があがった。」と言うことらしいです。

対策は、
① 気体廃棄物処理系が高い湿度とならないよう、水を抜いて保管します。
② 排ガス再結合器内が結露しないよう、排ガス再結合器に設置されている電気ヒータで
加温します。
と言うことです。
②は本来、実施されていなければならないことで「たるみ」事故です。
① の水とは想像すると排ガス復水器に溜まる水のことだと思いますが・・
想像の通りならこの対策は間違えです。
圧力容器でできたトリウム等の高放射性物質を何の処理もせずに原子炉の外に出すことになるからです。高木先生の「放射能をしらない原子力屋さん」を思いだします。
(「原発事故はなぜくりかえすのか」 岩波新書)
②だけで十分に思えますが、① の水が問題ならプラントを作り変えるべきでしょう。
① の対策は失格です。
*2 概 略 系 統 図 は もんじゅ のある所で起こった事故のようです。(図 省略)
備考に
「廃ガス貯槽に最大 6.4×1010Bq のAr41 が貯蔵される。仮に全量が環境に放出されたとしても年間放出管理目標値の約1/1000 程度である。」
とあります。
Ar41は半減期が2時間程度です。
放射能はたいしたことないみたいに書いてあるが・・・漏れたのはAr41だけなのか?・・・
図(省略)を追っていくと、まだ活性炭を通る前の放射能ガスが漏れたことになります。
原子炉を稼働させつづけると原子力発電所内にこの放射性ガスが漏れつづけるから原子炉を止めた事故のようです・・・
この事故は国際原子力事象評価尺度(今回の原子力事故はレベル7となった)によると、この圧力容器で作った放射能ガスが漏れた事故はレベル0のようです。
国際原子力事象評価尺度とは別の事故レベルの設定が必要です。
*3 気体廃棄物処理系の排水器の動作不良 
排ガス復水器に水が溜まって、排ガス再結合器に放射性ガスが入らなくなった事故のようです。
圧力容器で発生した放射性3重水素や水素、酸素は液体の水になりません。
タービンは、水蒸気を液体の水に変えて圧力差を使ってまわりますから、こうした液体にならない気体が残るとタービンの動きが不安定になるようです。タービンや発電機、発電機から外の電気系の変圧器等が壊れるかもしれないから原子炉が止まったようです。
*4 気体廃棄物処理系の水素濃度上昇に伴う 原子炉手動停止 原子炉手動停止
平成20年12月30日と平成21年5月5日に
触媒の性能低下で水素濃度が高くなって法律に基づいて原子炉を止めました。
よく調べてみたら長年の無理な運転で、低圧タービンまでおかしくなっていました。
とう言う報告らしい。・・・・
と言うのは
平成20年11月5日に水素が「活性炭式希ガス ホールドアップ塔」にまで入り込み中の活性炭を燃やしてしまった事故がありました。
中部電力㈱浜岡原子力発電所5号機における原子炉手動停止に関する原因と対策について(PDF形式:527KB)

さすがに経済産業省も怒ったようです。

「中部電力株式会社浜岡原子力発電所5号機における気体廃棄物処理系の水素濃
度上昇及び希ガスホールドアップ塔温度上昇に係る手順書不遵守に関する根本
原因分析の実施及び再発防止対策の策定等について(指示)」 平成20・12・25 原院第7 号

2.事案の内容並びに実用炉則及び保安規定に違反すると認める理由
で、
どうして経済産業省が怒ったのか説明しています。
私なりに解釈すると、

************
排ガス除湿冷却器出口水素濃度が4%を超えた場合は、
「非常時運転操作手順書」に基づいて原子炉手動停止
することになってるのに
「原子炉手動停止を行わず、希ガスホールドアップ塔の」活性炭を燃やしちゃった。

しかも
連続して警報が点灯・消灯を繰り返したとき及びパラメータが悪化傾向を示したときには、
「事故・故障、非常災害等対策指針」により異常時の対応をしないといけなかったのに指針を無視して、
「異常徴候検討会」において「どうしようか?」
と考えている間に活性炭を燃やして原子炉を止めちゃった。
*************

となります。普通なら営業停止だと思います。

活性炭は全部燃えた訳ではありませんが、全部燃えると圧力容器で作った放射能ガスが直接大気中にばらまくことになります。

*5 女川原子力発電所3号機の気体廃棄物処理系における放射性物質濃度の …
公式のプレスは
女川原子力発電所3号機の気体廃棄物処理系における放射性物質濃度の上昇に係わる調査結果について
http://www.tohoku-epco.co.jp/news/atom/1182074_1065.html
です。
核燃料棒が傷つき、大気に放射能漏れを起こした事故です。


このプレスには

(事象)
平成22年12月27日、女川原子力発電所3号機の気体廃棄物処理系の放射性物質濃度を分析した結果、僅かな上昇が認められました。
この原因として、燃料棒の一部から原子炉水中への放射性物質の微量な漏えいの可能性が考えられることから、原子炉の出力を下げ、漏えいの可能性がある燃料集合体の位置を特定する調査を行うこととしました。
本事象による外部への放射能の影響はありません。
また、本事象は法令に基づく報告対象ではありません。

とありました。

放射能について、私はこのプレスが信じられません。
関連プレスで廃棄筒放射線モニタの値等の値に異常はないとしてますが・・信じません。数値を載せてもいない。別の計測で放射能が高くなったそうですが、それなら通常のモニタは壊れていることになります。
少なくとも制御棒を挿入したら値が変るのが分かる放射能だった。
原因は核燃料棒が傷つき、異常な量の放射性物質(強い放射線が直接水にあたる)が出たので、廃棄筒放射線モニタの値が上昇したと考えられるます。
とても「外部への放射能の影響がない」とはおもえません。計らない(数値を公表しない)から分からないだけです。
廃棄筒放射線モニタの値を公開すべきです。 
この上部の廃棄筒放射線モニタは普段公開されていないようです。
不確かな記憶で申し訳ないのですが、廃棄筒放射線モニタは2ヶ所あり地上と上部にあったと記憶してます。
放射線モニタはすべて(原子炉建屋等内部を含め)わかりやすく公開を義務付けるべきです。また、原子力発電所のまわりには、気象庁のアメダスより密な観測網が必要だと思います。
傷ついた燃料棒は1本だったようですが・・常識的に傷ついた燃料棒を中心に少なくとも計9本以上の制御棒が挿入されるべきなのですが、6本しか挿入されませんでした。(図 省略)
傷ついた燃料棒の隣は燃えつづけているわけです。
本来なら、原子炉を止めて傷ついた燃料棒を交換すべきです。対応がデタラメです。
「経済」を優先し「安全」を軽視しています。
また、おどろくのは
「本事象は法令に基づく報告対象ではありません。」
という事実です。
法律がまったくデタラメです。安全対策より、法律を変えるのが先のようです。

2011年6月17日金曜日

原子力発電所の水素爆発について メモ25

おしえてgooに

「福島原発の水素爆発の原因に関して」
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6590639.html
(質問内容は上記アドレスで確認願います。)
という質問がありました。


回答を考えてみました。

*****************
質問1について
原子力発電所は発電機を冷やすために水素(大気圧の5倍)が使われています。
あるとすれば、原子炉建屋に隣接するタービン建屋にあります。
また、水素・酸素注入設備もあって割と高圧の水素(大気圧の70倍?)があります。
これは圧力容器に直接つながってます。

質問2について
水素爆発をして、放射能が漏れが起こったとする証拠はありません。
水素爆発の前に行われたベントによって放射能を大気中に捨てて放射能濃度が高くなりました。
東日本の広域で放射能に苦しんでいるのはベントによるものです。
圧力容器で発生した水素と放射能は安全弁で格納容器に逃がします。
すると、格納容器が爆発しそうになるので、
ベントで放射能を含んだ水素や水蒸気を大気中に捨てます。
GEやMITは放射能を含んだ水素を原子炉建屋内に捨てたのではないか?
と推測していますが・・
そうすると水素と共に捨てられる放射能で原子炉建屋内に近づけなくなります。
そうした事実はありませんので、圧力容器で発生した水素は大気中に捨てられたと思います。
爆発したのが水素なら放射能を含まない水素となりそうです。
参考に3号機の爆発を解説したyoutube
http://www.youtube.com/watch?v=P4KXX24Dv1U
とwikipedia ヒンデンブルク号の爆発事故
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AF%E5%8F%B7%E7%88%86%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%95%85#.E7.88.86.E7.99.BA.E4.BA.8B.E6.95.85
を比べて下さい。
私には3号機の爆発で水素はほとんど燃えていないようにみえます。
ヒンデンブルク号の水素は多分、全部燃えたと思います。

タイトル外について
海水を入れると、圧力容器が使い物にならなくなります。
海水を入れるときは、爆発など人命に関わるときに入れます。
人の命は失われていませんから、結果的には遅れていません。

軽水ですけど・・・
本来、電源なしで冷やす「非常用復水器」が2系統あるようなのですが、何故か壊れたり動かず
水を冷やせなくなりました。
冷やせないので、水は全部蒸発することになります。
核燃料棒はむき出しになり、メルトダウンしました。
圧力が上がって海水も入れられない状態になりそうだったようです。
格納容器は設計圧力の2倍程度の圧力になったようです。
「世界 7月号」(岩波書店)の元原子力技術者の座談会
「安全な原発などありえない──技術と安全の思想を問う」
を読むと3倍程度で爆発しそうです。

危なかったですね。
***************

回答はどうしてか?投稿できなかったのでここに書きました。
どなたか、「福島原発の水素爆発の原因に関して」に回答してここのアドレスを紹介して下さるとうれしいです。


さて、
原子力発電所に技術者がいないと強く批判してきました。
それは、私が原子力発電所と言う所を知らないことからの批判でした。

申し訳ありませんでした。

メモ23で、シートリークも直さないと指摘しました。
考えてみると、直す方は高放射能を浴びる命がけの作業になるようです。
このブログで、点検すればと指摘した事故は高放射能がでるような所ばかりです。
そうした、「場所は近づきたくない」のはもっともなことです。
不思議に思って原子力発電所内部の放射能汚染状態はどうなっているのか?
検索をしてると

ブログ

原発がどんなものか知ってほしい

http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html
が見つかりました。

このブログの中の

定期点検工事もしろうとが

普通の職場環境とは全く違う

を読むと、
技術力や技術者の良心など育たない構造的なものがあるのが分かります。

また
「絶対安全」だと五時間の洗脳教育

読んで、原子力発電所が豪華なサティアンに見えてきた。と書いたのを思い出しました。
5時間の洗脳教育のあとも巧みな雇用関係や洗脳が続いているのだろうと想像します。
豪華なのは、幹部がいる所や見学コースだけのようです。

原子力発電所の内部の放射能分布を細かく公表すべきです。
作業の安全対策を明らかにすべきです。
安全で無ければ、技術者は育ちません。技術者がいなければ、このメモで指摘したような点検整備のない原子力発電所が続きます。
(本当に必要かどうか別ですが)
多分、水素・酸素注入設備はお金をかければ安全に作れると思います。
(水素・酸素注入設備は逆に原子力発電所を壊しているように見える)
点検整備もお金をかけて安全にできるものを作らなければなりません。

また、
「閉鎖」して、監視・管理


どうしようもない放射性廃棄物

を読むとどの程度かよくわかりませんが・・
原子力発電のコストは危険と一緒に将来に先送りしていることも分かります。
言葉が適当ではないと思うが・・現在の人が未来の人を食い物にしていると思います。

原子力発電はお金がかかるものと割り切るべきです。
「安全」を「経済」より優先させるのは当然のことです。

*******
東京都に火力発電所を作る計画があるようですが・・・
火力発電所で発電されるエネルギーが実際に燃やすエネルギーの1/2程度あればかなり優秀です。
単純に東京で発電することは都会で今までの2倍以上のエネルギーを大気や海に排熱として捨てることになります。
ヒートアイランドは進み気温が上がります。
気温が上がれば、地表に溜まるエネルギーの受け皿(容量)を大きくしてしまいます。
激しい雷雨と竜巻は増加すると思います。
気象災害は大規模化しますので、エネルギーの消費地で発電すべきではないと考えます。
作るなら、地表にエネルギーが溜まらないように工夫が必要ですが・・・・
理屈が分かってないので工夫のしようがないのが現状です。
(興味のある方はこのブログの「乾燥断熱減率」と温位エマグラムに関するテーマをお読み下さい。)

2011年6月15日水曜日

原子力発電所の水素爆発について メモ24

原子力発電所の水素爆発について メモ 24?
今日2011年6月15日深夜
日本TVで、総理と福島原発に乗り込んだ先生のインタビューを見た。
「我々は、何か?の専門家ではない」と言った。
この先生の役職は何なのか、何か?の専門家はこの日本にはいないようだ。
薄々は感じていたが・・
そんな奴、責任者になるなよ・・・・助かったのは事実だろうけど・・・
やっぱり、「安全神話ボケ(ナス)」
本当のこと言えよ。メモ23参照。

原子力発電所の水素爆発について メモ23

今日 2011年6月15日
NHKのニュースから、
水素爆発に対し原子炉建屋の壁に事故時に穴を開けやすくして、瓦礫を撤去しやすくするそうです。?
これが安全対策なのだろうか?
水素爆発をする原子力発電所が安全といえるのだろうか?
水素爆発を起こさない仕組みを何故作らないのか?
冗談みたいな安全対策です。

(リンク先がうまく表示されない場合、アドレスをワードなどに張り付けて、そこから表示させてください)
水素が原子炉建屋に溜まった理由は特定されていません。
GEMIT
http://www.ge.com/jp/docs/1307504328207_NEI_Report.pdfhttp://d.hatena.ne.jp/arc_at_dmz/20110317/hydrogen_explosions_units_1_3
はベントによって原子炉建屋に水素が溜まった?としてますが・・
それなら、放射能で原子炉建屋に近づけないはずです。
常識的にベントは上空に向かって行われると思います。
広域に放射性物質が広がったことから想像できます。)

穿った見方をすると、原子炉建屋の壁を吹き飛ばした放射能なしの高圧水素の出所を隠しておきたい。
(今度は爆風や水素に押された空気の断熱圧縮による熱風で自衛隊や消防士の方に死者がでるがしかたがない)
となります。

どこが、安全対策なのでしょう。?


YouTube
福島第一原発3号機の爆発について解説4月26日

の画像と、
wikipedia
ヒンデンブルク号爆発事故
ニュース画像を比べてみてください。

Youtubeの画像をみると、本当に水素が燃焼した爆発なのだろうか?火傷による重傷者はいたのだろうか?と思います。
Youtubeの先生は、爆発物による爆発としています。
私はそれは確からしいと思います。
水素が爆発の原因なら、水素はほとんど燃えていないようにも思えます。

一方、ヒンデンブルク号は明らかに水素が燃えています。ほとんどが燃えたでしょう。

メモ22で、
原子炉隔離時冷却系が故障した状態で、原子炉を稼働させつづけ中部電力、原子力安全・保安院、経済産業省は何の反省も無かったことを説明しました。
こうしたことは、法律の不備か違法行為によるものです。(と言うより常識の欠如)

「非常用復水器」(古いタイプ)や「原子炉隔離時冷却系」は
全電源喪失時、電源がなくとも核燃料が入った圧力容器を冷やすことのできる最後の砦として
あります。
これが無いと、すぐにメルトダウンが起こります。

私は、「非常用復水器」を使うような原子炉はすぐに廃炉にすべきだと思います。
なぜなら、全電源喪失時に非常用復水器を人間が起動させなければ動かないからです。
日本の場合、この人間に数万人の命がかかることになります。
こうした装置を操作する人間は本来、特別な訓練を受けた人・・例えば軍人さんや自衛隊員のスペシャリストのイメージです。
民間人が扱うべき装置ではありません。



次の2つの事故は主に普通の点検がなされず起きた例です。
同じ1号機の原子炉で同じ事故を2年連続で起こしました。
「非常用復水器」の事故ですので決して軽微な異常事象ではありません。

1 添付資料 平成15年度安全協定に基づく軽微な異常事象報告 敦賀発電所
http://www.atom.pref.fukui.jp/getsurei/H150904-geturei-appending-turu1.pdf
これは、平常時に起こった不思議な事故です。
原子炉運転中になぜか非常用復水器の温度が上がりました。

平常時ですから、「蒸気入り口弁」と「復水出口弁」は「閉じ」ていて圧力容器から高圧蒸気は非常用復水器には行かないはずなのです。
しかし、なぜか「蒸気入り口弁」は緩んで高圧蒸気が非常用復水器に入り、「復水出口弁」でシートリーク(高放射水or高放射能水蒸気漏れ)したことになります。
高温高圧の水蒸気が常に「非常用復水器」を通りますから、非常用復水器の温度が上がった訳です。


1番の問題は、高放射能水がシートリークしていることです。
シートリークした場所の放射能は調べなかったのでしょうか?
私は、高放射能水による放射能汚染が原子力発電所内で起きたと思います。
これが、「軽微な異常事象」なのでしょうか?

報告では、「非常用復水器の伝熱管の漏洩ではない」として、あからさまな高放射能の漏れが無いと言っていますが、構造上伝熱管を通った高放射能水はシートリークを起こした「復水出口弁」に向かったとしか思えません。

対策もいい加減です。
「復水出口弁」だけを押し込んで終わりです。

「蒸気入り口弁」は何の対策もなされていません。
「復水出口弁」等、健全な予備と交換し、シートリークした等原因を徹底的に調査すべきです。

ここの技術者に原子炉を健全な状態に保とうする良心が無いのです。
この事故は原子炉を稼働して10日程度で起こっています。
原子炉を稼働する前に「非常用復水器」が健全であるかどうか点検しなかったのだろうか?
したけど、見つからなかったのだろうか?


なさけない事故と事故対応です。技術者はやはりいないと思います。

2 平成16年度安全協定に基づく軽微な異常事象報告
http://www.atom.pref.fukui.jp/getsurei/H161109-geturei-appending-Tu1-1.pdf
は非常用復水器から水漏れを起こした例です。
原因は平成15年と同じ「復水出口弁」のシートリークです。(書いているのが嫌になる・・・)

報告書によると、熱伝管室の温度が入り口180℃、出口30℃とごまかしていますが、
本来、熱伝管は図のように完全に水の中にあります。

(でないと冷却効率が極端に落ち、壊れる可能性もある。)
(おそらく福島1号機はこのタイプで壊れた。メモ4参照 )

このような温度差はないはずです。
原因は

熱伝管室=非常用復水器に水が満たされていなかったと考えられます。
(バカヤロー 点検もしていない・・・)

対策も緩んだボルトを締めなおし、
「原子炉起動前に非常用復水器を満水にする」と運転手順書に書いただけです。

運転手順書はただの言い訳です。

例えば、一般に非常用発電機は1週間に1度程度、燃料の残量を確認しています。
当然の保守業務です。
常識的には、非常用復水器の水は毎日確認されるべきです。
確認が義務付けられているはずです。
それを怠っていたからこの事故が起きたのです。
当然の保守作業が日常的になされていないがバレたのですから、事故とあわせ原子力発電所長は何らかの処分を受けるべきです。
(「非常用復水器」が片肺状態で原子炉を営業運転していたのは調べる必要もないでしょう。こうしたときは、原子炉をとめてA・B系統両方を点検すべきです。)

「蒸気入り口弁」について対策がなされず、今回はシールドリーク対策もしていません。
圧力容器からの高温水蒸気は「蒸気入り口弁」から「非常用復水器」への流れますが、それを止めていないことになります。
当然、高温水蒸気は「非常用復水器」の水を加熱し蒸発させることになります。
8時間保つはずの「非常用復水器」の性能は低下すると言うことです。
(ひょっとすると、非常用復水器の水が無くなってもアラームもならないのかもしれません)

こんないい加減な保守では、原子力発電所は稼働させるべきではありません。
技術者の良心はそう簡単に作れるものではありません。
「非常用復水器」を使う原子炉は稼働させないと電力会社自身が宣言すべきでしょう。

残念ながら今の日本で、誰が「原子力発電は安全だ」と言っても根拠がない状態です。

「経済」より「安全」を優先するのは当然なことです。

**********
これらの報告書で、「非常用復水器」は2系統あることが分かります。
福島1号機も同じでしょう。2系統とも、壊れたor壊れていたことになります。
きちんとした、点検保守が行われていたら2系統とも動かない確率はどのくらいなのでしょうか?

**********
よくわからないのですが・・・・
緊急点検として、各原子力発電所において
「非常用復水器」や「原子炉隔離時冷却系」の動作確認はなされているのだろうか?
・・・・
ひょっとして、そんなこともしてないのかもしれない・・・

2011年6月11日土曜日

原子力発電所の水素爆発について メモ22

高木 仁三郎先生は「原発事故はなぜくりかえすのか」(岩波新書)と言う、「教科書」を
残してくれました。

目次は
はじめに
1 議論なし、批判、思想なし
2 押しつけられた運命共同体
3 放射能を知らない原子力屋さん
4 個人の中に見る「公」のなさ
5 自己検証のなさ
6 隠蔽から改ざんへ
7 技術者像の変貌
8 技術の向かうべきところ
あとがきにかえて
となっています。

この教科書は私には難しく、今「4 個人の中に見る「公」のなさ」で頭を抱えています。

「4 個人の中に見る「公」のなさ」まで読んだイメージでは

先生は
原子力を扱う人間の態度になにか足りないものがあり、その問題点を論じているように思います。
原子力発電を止めろとの論調ではないと思います。

先生が言われている事について、私の解釈が当たっているとは思えませんが・・・

先生は現在の科学技術や職人技に求められる根本の所を仏師の仏像を作る「心」(?)を例に
説明していると思います。
仏師が仏像を作るのは自分の為であり、「公」の為でもあると・・・(?)

私は、こうした「心」=「公」(?)が今の東京電力、原子力安全・保安院には無いのだと思います。
素晴らしい科学技術や職人技も、こうしたものがないとボロボロになってしまう。・・・

余計なことが長くなりました。

さて
原子力発電の事故には、「原子炉隔離時冷却系」や「火災」の他に「パイプの減肉」があります。
パイプの中から腐蝕が進み、パイプ破損・破断で高放射能水をまき散らすことになります。

平成13 年11 月7 日、浜岡原子力発電所1 号機で配管が破断し、高圧・高放射能水蒸気が原子炉建屋内に漏れました。

そして次の報告がなされています。
中 部 電 力 株 式 会 社 浜 岡 原 子 力 発 電 所
1 号機における配管破断事故について(最終報告書)
(最終報告書) 平成 14 年 5 月 原子力安全・保安院
http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0002719/4/haikanhoukoku.pdf

この事故にともない中部電力は
浜岡原子力発電所1号機 余熱除去系配管破断に伴う原子炉手動停止について
http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0002318/1/020117chudenhoukoku.pdf
と言う解析・試験計画をだして、事実を隠しました。

配管の破断は「圧力容器」の中で発生する水素と酸素が原因だとしたのです。
圧力容器」の中で、強い放射線で水が水素と酸素に分かれるの事実でしょう。
しかし、本当にそれが原因でしょうか?

この解析・試験計画では2つの実験を行ったようです。

1つは配管に急激に圧力をかける試験です。
爆発しないように水素の代わりにヘリウムを使っています。


2つ目は水蒸気の中で高圧水素と高圧酸素を燃やす(爆発)させる実験です。
爆発してもよいように頑丈な箱のようなものの中で実験をしたようです。

2つの図と「酸素・水素注入設備」と比べて見ます。

はじめの実験のヘリウムは、水素の代用品です。

2つの実験の構造が「水素・酸素注入設備」とそっくりであることが分かります。

メモ20で、東京電力がバックアップ酸素ボンベを取り付けた後、試験もしなかったことを
説明しました。犯罪だと思います。原子力安全保安院、経済産業省は共犯です。
その「水素・酸素注入設備」と実験仕様がそっくりなのです。


まるで「水素・酸素注入設備」の実験です。

中部電力は原因を知っていたとしか思えません。

平成13 年11 月7 日、浜岡原子力発電所1 号機で配管が破断した
原因は・・・

原因は 「圧力容器」で発生した水素や酸素ではなく、

原因は 「水素・酸素注入設備」から入り込んだ高圧水素や高圧酸素

であることは明かです。
そんなことは

経済産業省
原子力安全保安院
中部電力
東京電力(以下はwikipediaの順番に従った)
北海道電力・東北電力・北陸電力・中部電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力・日本原子力発電・沖縄電力(?原発がないから知らなかったなんて言い訳は通らないと思う・・)
原発関係会社・研究機関の技術者科学者にとっては常識だと思います。

恥を知って欲しいです。

日本の原子力発電所は経済競争に巻き込まれ、
何時の間にか経済競争をチキンゲームにしてしまったようです。
(wikipediaの説明に少し間違えがあるようですこのチキンゲームはバカな大人がしてます)

経済産業省の方は「公」があるなら、自ら組織を改めるべきです。

今回の原子力発電所の事故がいい加減に終わったら、必ず第2、第3の原子力事故は必ず起こります。

理由は、原子力発電をしてはいけない人、「公」の無い人が原子力発電をしているからです。

2011年6月9日木曜日

原子力発電所の水素爆発について メモ21

日本の原子力発電所では平常時よく「原子炉隔離時冷却系」の事故が起きています。
去年、平成22年9月2日
福島第一原子力発電所では「原子炉隔離時冷却系」が働かなかった事故がありました。
大事故が起こった「今」でないと、この事故対応のひどさはわかりません。
今回はこの事故について、考えたいと思います。
経済産業省と原子力安全・保安院は


この文書で、「東京電力に事故原因の徹底究明」を求めていますが口先だけでした。


事故の概要
原子力発電所は、平成22年9月2日5号機を稼働する中、月1回の原子炉隔離時冷却系試験を実施しました。
ところが、圧力容器からの超高圧の蒸気がイッペンにタービンに入り高速回転をさせました。このままでは、圧力容器が壊れる(メルトダウンするような事故につながる)のでタービンが自動停止しました。

*今回の事故前、1号機の圧力容器は約7MPa程度だったそうです。(田中 三彦先生 「世界 5月号」岩波書店)70気圧位の圧力はあったことになります。タービンが壊れていないか心配です。


原因は2つです。

1 蒸気加減弁が何故か全開状態になっていたこと
2 リレーが外されていたことです



蒸気加減弁はイッペンに超高圧蒸気がタービンにいかないように閉じられているべきです。
その後、タービンに入る蒸気を制御しながら圧力容器を冷やすはずです。

この事故にたいする東京電力の言い訳が

福島第一原子力発電所5号機における保安規定違反(改善指示)について


です。

そこに、調査状況が書かれています。
しかたないから書きますが(電気設備の点検整備に詳しい方がいれば一緒に読んでもらってください)
橙色文字は私のコメントです。

2.調査状況
  調査の結果、以下のことがわかりました。
・5号機の原子炉隔離時冷却系の制御盤を確認したところ、信号ケーブルが取り外されており、
  作業表示札が取り付けられていたこと。
・平成22年8月16日に当該系統のタービンへ供給する蒸気の量を加減する蒸気加減弁を制御
 する信号ケーブルを取り外していたこと。
・取り付けられていた作業表示札は、本来、定期検査中である6号機の原子炉隔離時冷却系の
  点検で使用されるべきものであったが、記載された内容は5号機の信号ケーブルを取り外す
 ことを示す内容となっていたこと。
定期検査中ですから、6号機は止まっていたと思います
・作業表示札の作成者は、制御盤の信号ケーブルを取り外す作業を検討するために、図面を
  管理するシステムから使用する図面を印刷する際に、本来6号機を選択するところを、誤って
  5号機を選択し図面を印刷・使用したことから、作業表示札の記載内容が5号機の信号ケーブル
  を取り外す作業内容となったこと。
何故、リレーを取り外す検討するのかよく分からない。何の作業か?検討しているのに、
 いつの間にか取り外す作業が決定して準備をしている。
・5号機と6号機の図面を確認したところ、対象プラントと制御盤の番号以外はすべて同一の
  記載であったこと。
・審査・承認の段階において、ケーブル取り外し箇所の確認は行ったが、違うプラントの図面とは
  考えていなかったため、作業対象プラントの誤りには気がつかなかったこと。
稼働中の5号機と停止中の6号機とを間違えたあ~?
・現場当直員は、定期検査中である6号機の作業に従事していたが、他の6号機の作業において、
  5号機の設備を隔離した上で作業表示札を取り付けた経験があったことから、今回の場合も、
  何らかの理由により5号機のケーブルを取り外すものと考えていたこと。
ふざけるな 何らかの理由を調べろよ!
 
・・・・・・・

なにか悪い夢を見ているようです。
稼働中の原子炉のリレーをとってしまう?
… …
蒸気加減弁が何故か全開状態になっていたことの言い訳はありません。
ひどいと思ったのは私だけではないようです。
 私はタービンが傷ついた可能性はかなり高いと思います。

経済産業省や原子力安全・保安院の反応はわかりませんが・・・
これで、通ったのでしょう。・・・・・正式文書もあるようです(資料省略)。
事故が起こったのは平成22年9月2日です。

ここで、指摘しておきたいことがあります。
事故が起こった当日は当然、原因不明です。
しかし、「原子炉隔離時冷却系」は動かないことは分かっています。
当日、東京電力は次のプレスを出しています。
平成22年9月2日

内容は
**************************
<概要>
(事象の発生状況)
・平成22年9月2日、5号機において・・云々・・
(今後の対応)
・・云々・・
(安全性、外部への影響)
・本事象によるプラントへの影響はなく、安定に運転を継続しています。
・・・
*****************
……
……
「原子炉隔離時冷却系」が動かないのに原子炉を止めません。
この状態で原子炉の運転を続けるのは許されません。正気の判断ではありません。大量殺人未遂です。
全電源喪失が起これば、即、メルトダウンです。もっと悲惨な状態になるかもしれません。
こんな状態、法律で許されているのでしょうか?
経済産業省と原子力安全・保安院はミスで「原子炉隔離時冷却系」を止めたことを怒っていますが、運転を続けたことを怒っていません。
経済産業省と原子力安全・保安院は自分が何故怒ったのか分からないようです。
原子炉隔離時冷却系が動かなければ、もしもの時にメルトダウンがおこるかもしれないからです。
だから、怒っているはずです。
なぜ、運転を続けたことを怒らないのでしょうか?
もしもの時にメルトダウンが起こってもよいと思っていたのでしょうか?

馬鹿野郎!!

経済産業省 原子力安全・保安院 東京電力
こつらにらに原子力発電を任せておいてはいけません。

安全に対しこんないい加減な考えしかもてない国が
いくら安全指針をだしても誰も信用でしません。そんなもの頼りにすべきではありません。

信用したいと言った知事さんはどう思うでしょう?県民の皆さんの命を守る義務があるのですよね。
しかし、
原子炉隔離時冷却系が動かないのに原子炉を止めなくてもいいなんて法律だったらザル法だな?
東京電力はこの時の所長を処分しているのだろうな?今の所長なんてことがあるのか?今の所長ならブラックユーモアなんて、笑って・・・いられないか。

2011年6月8日水曜日

原子力発電所の水素爆発について メモ20

ネットニュース

東京新聞 TOKYO Webに 「原発事故報告書要旨」・・・・・・・・(共同)
【事故の発生と進展】
があります。
コンパクトにまとめられていますが、少し誤解しそうなところがあります。
事故の発生と進展を整理するのにちょうどよいので引用します。

**************************
東京新聞 TOKYO Web

原発事故報告書要旨


引用開始

【事故の発生と進展】
運転中の同原発1~3号機は地震で自動停止。津波で冷却系が機能を失った。1~3号機で原子炉圧力容器への注 水ができない事態が続き、核燃料は水面から露出。炉心溶融に至り、一部は圧力容器下部にたまり、一部は圧力容器に開いた穴から外側の格納容器に落下して堆積する「メルトスルー(溶融貫通)」が起きている可能性も。燃料被覆管が過熱し大量の水素が発生。燃料から圧力容器、原子炉格納容器へ放射性物質を放出。
格納容器圧力が上昇して破損するのを防ぐため蒸気を大気中に逃がすベントを実施。1、3号機で水素爆発が発生して原子炉建屋を破壊。大量の放射性物質を放出した。4号機でも水素が原因とみられる爆発。2号機圧力抑制プール付近でも爆発音。水素爆発の可能性。

引用終わり

誤解を生みそうな所は
1 津波で冷却機能を失った
2 格納容器圧力が上昇して破損するのを防ぐため蒸気を大気中に逃がすベントを実施。1、3号機で水素爆発が発生して原子炉建屋を破壊。大量の放射性物質を放出した。
の2点です。

1 津波で冷却機能失ったのは全電源を失って(?東電本社とのTV会議はできたようですが?)冷却機能を失いました。しかし、すべての冷却機能を失ったわけではありません。
「非常用復水器」(1号機)、「原子炉隔離時冷却系」(2、3号機)が働き冷却はできていました。
本来「非常用復水器」、「原子炉隔離時冷却系」は外部電源がなくとも動くはずのものです。
1号機の「非常用復水器」が壊れたいきさつはメモ4で推測できます。

参考


やがて、「非常用復水器」、「原子炉隔離時冷却系」が壊れてまたは停止して、完全に冷却機能を失いメルトダウン、メルトスルーにつながりました。
「非常用復水器」、「原子炉隔離時冷却系」が壊れたり停止した理由ははっきりとはわかっていません。


2 水素爆発で大量の放射性物質を放出したイメージですが、
「格納容器圧力が上昇して破損するのを防ぐため蒸気を大気中に逃がすベントを実施。大量の放射性物質を放出した。また、1、3号機で水素爆発が発生して原子炉建屋を破壊。」
だと私は思います。

水素爆発が起きて大量の放射性物質がでた事実はありません。

爆発したものが「水素」なら「放射能を含まない水素」が爆発していることになります。
(感情的になりましたが)メモ19で指摘したように、3号機の爆発後放射能の値が高くなった事実はありません。

参考
福島第一原子力発電所3号機付近での白煙発生について


さて、私は水素爆発が水素・酸素注入設備にからんだものだと思っています。

水素・酸素注入設備がどんなものなのか等を原子力安全・保安院による文書
 
東京電力㈱柏崎刈羽原子力発電所1号機の出力降下の原因と対策に係る東京電力㈱からの報告及び検討結果について
 
で考えてみたいと思います。
 
まず タイトルですが・・

文書のタイトルでは「水素・酸素注入設備」に関係する事故であることがわかりません。
事故は圧力容器に関係する事故ですから重大事故です。

「原子力発電所でどのような事故が起きて何が問題なのか?」
を調査する意思のないことの表れです。

タービン冷却の水素ガス漏れ事故を
玄海原子力発電所4号機 発電機冷却用水素ガス補給量増加について
としたのは典型例です。(これでは事故であることもわからない)

結果(こうした事実を知りながら

原子力発電所における火災の発生防止対策の充実に関する報告書
で水素ガス漏れ事故には全く触れない「でたらめな対策」ができあがります。

わき道にそれました。

下の図は水素・酸素注入設備の事故説明で使われた図に少し加筆したものです。


文書には

※1 水素・酸素注入設備: 
原子炉圧力容器内構造物の応力腐食割れの予防保全対策のため、原子炉給水中に水素を
注入している。
また、復水器に移行する余分な水素を安全に処理するため、復水器の排気の配管にこの水素注入量
に見合うだけの酸素を注入して、化学反応により水にしている。 
 
※2 バックアップ酸素ボンベ: 
原子炉給水系に注入した水素は、一定の時間遅れをもって復水器の排気配管に到達する。
このため、水素・酸素注入設備が不具合により停止した場合、バックアップ酸素ボンベから自動的
に復水器の排気配管へ酸素を注入し、水素過剰状態(可燃範囲の状態)を回避する。

とありました。

この文書の

1.原因と対策に係る東京電力㈱の報告書の要点

水素・酸素注入設備に不具合が発生し、バックアップ酸素ボンベから自動的に復水器
の排気配管に注入された酸素量が多量であったため、復水器の真空度低下に至ったものと推定
された。」
 
とあります。

バックアップ酸素ボンベの酸素はタービンのある復水器に入り込んだのですから、復水器の
高放射能水と混ざり、水素が送り込まれている圧力容器に入ったと思います。
圧力容器で水素と酸素が結合し(燃え)ても、危険なのかどうか私にはわかりません。
(かなり高圧な酸素が入ったかもしれませんが…)
しかし、原子炉給水ポンプや、計測機器などは壊れて重大な事故につながる可能性は高い
と思います。
 
純粋酸素は非常に危険なガスです。
wikipedia の説明とは少し矛盾しますがアポロ計画かその前は、宇宙船の質量をギリギリまで
削って窒素まで取り除きました。酸素だけで宇宙船内の圧力を0.3気圧にしたと思います。
そうした結果、あらゆるものが燃える火災が発生しました。
純粋酸素を使った医療行為(?)(今もあるのかなあ?)でも火災が多発したのを憶えています。

圧力容器につながる「計器事故」は報告義務がないようです(?未確認)がとんでもないことだと思います。

本来なら原子力の運転を止めて点検整備すべき「事故」だと思います。計器から高放射能水が
出てくればそれは圧力容器のパイプ破断事故と同じだからです。

*この装置の酸素は純粋酸素でないと意味がないと思います。
 
また

「バックアップ酸素ボンベから注入される酸素の流量等が適切に調整されていなかったことが
確認された。」

これはひどい
点検・整備後などで設置されて「バックアップ酸素ボンベ」が正常に動作するかテストを
していなかったことになります。(適当に設置しただけと言われてもしかたがないし、事実です。)
圧力容器に直接つながる、いわば原子力発電所の心臓部でこんな手抜きは許されません。
 
「技術者の良心」以前の問題で、この原子力発電所には「技術者」がいません。
 
こんな事故は、放送業界なら「放送免許停止」です。原子力発電所長の首は飛ぶべきだと思います。
 
さらに

「(3)再発防止対策
・・・
 東京電力㈱の原子力発電所において、酸素流量調節弁(小弁)と同型弁の点検においては、
分解点検後の組み立て時における注意事項を施工要領書に明記する。
 水素・酸素注入設備が設置されている東京電力㈱の原子力発電所において 、水素・酸素注入
設備のバックアップ酸素の必要供給量(流量及び供給時間)を再評価し、適切な流量調整を
実施する。      
 
 はどうも、分解点検を業者委託しているような書きぶりです。原子力発電所の心臓部の
メカニズムですから、本来「東京電力の技術者が行うべきです」。外部電源が喪失した場合、
ここでトラブルが生じたら現場の職員では対処できなくなるからです。
 
 これは・・・どのように解釈すべきなのか迷います。
・・・・
私には、
「バックアップ酸素の必要供給量(流量及び供給時間)をドンブリ勘定で取り付けたど、
事故が起きちゃった、やっぱりまずかったよね、ちょっと流量調整を変えてみらあ。」
と読めます。
 
これに対し原子力安全・保安院は
 
2.当院の評価と今後の対応                         
 当院として、東京電力㈱から提出された原因と対策に係る報告書について検討した結果、
復水器の真空度が低下した原因の推定及びこれらに対する再発防止対策は妥当であると考える。
 
何のお咎めもありません。事故の再発防止なんて何もありません。
問題は、バックアップ酸素をドンブリ勘定で設置したことで、そうした「どうしようもない体質」を
何とかしろと指導するのが事故再発防止です。

それ以前に

「お前ら、原子炉を運転する資格がないから、全部、冷温停止させろ」

と言うべきでしょう。
 
圧力容器に関係する事故は放送業界で言えば、放送免許停止クラスの事故だと思います。
さらに、この事故の原因はバックアップ酸素ボンベの調整ミスと言うより、

点検後のバックアップ酸素ボンベの試験を怠った事故です。

所長の首は飛んでいなければならないと思います。
 
このミスは本来「技術屋さん」が犯すミスではありません。

いったい「原子力安全・保安院」って何なのでしょう?