2011年6月11日土曜日

原子力発電所の水素爆発について メモ22

高木 仁三郎先生は「原発事故はなぜくりかえすのか」(岩波新書)と言う、「教科書」を
残してくれました。

目次は
はじめに
1 議論なし、批判、思想なし
2 押しつけられた運命共同体
3 放射能を知らない原子力屋さん
4 個人の中に見る「公」のなさ
5 自己検証のなさ
6 隠蔽から改ざんへ
7 技術者像の変貌
8 技術の向かうべきところ
あとがきにかえて
となっています。

この教科書は私には難しく、今「4 個人の中に見る「公」のなさ」で頭を抱えています。

「4 個人の中に見る「公」のなさ」まで読んだイメージでは

先生は
原子力を扱う人間の態度になにか足りないものがあり、その問題点を論じているように思います。
原子力発電を止めろとの論調ではないと思います。

先生が言われている事について、私の解釈が当たっているとは思えませんが・・・

先生は現在の科学技術や職人技に求められる根本の所を仏師の仏像を作る「心」(?)を例に
説明していると思います。
仏師が仏像を作るのは自分の為であり、「公」の為でもあると・・・(?)

私は、こうした「心」=「公」(?)が今の東京電力、原子力安全・保安院には無いのだと思います。
素晴らしい科学技術や職人技も、こうしたものがないとボロボロになってしまう。・・・

余計なことが長くなりました。

さて
原子力発電の事故には、「原子炉隔離時冷却系」や「火災」の他に「パイプの減肉」があります。
パイプの中から腐蝕が進み、パイプ破損・破断で高放射能水をまき散らすことになります。

平成13 年11 月7 日、浜岡原子力発電所1 号機で配管が破断し、高圧・高放射能水蒸気が原子炉建屋内に漏れました。

そして次の報告がなされています。
中 部 電 力 株 式 会 社 浜 岡 原 子 力 発 電 所
1 号機における配管破断事故について(最終報告書)
(最終報告書) 平成 14 年 5 月 原子力安全・保安院
http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0002719/4/haikanhoukoku.pdf

この事故にともない中部電力は
浜岡原子力発電所1号機 余熱除去系配管破断に伴う原子炉手動停止について
http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0002318/1/020117chudenhoukoku.pdf
と言う解析・試験計画をだして、事実を隠しました。

配管の破断は「圧力容器」の中で発生する水素と酸素が原因だとしたのです。
圧力容器」の中で、強い放射線で水が水素と酸素に分かれるの事実でしょう。
しかし、本当にそれが原因でしょうか?

この解析・試験計画では2つの実験を行ったようです。

1つは配管に急激に圧力をかける試験です。
爆発しないように水素の代わりにヘリウムを使っています。


2つ目は水蒸気の中で高圧水素と高圧酸素を燃やす(爆発)させる実験です。
爆発してもよいように頑丈な箱のようなものの中で実験をしたようです。

2つの図と「酸素・水素注入設備」と比べて見ます。

はじめの実験のヘリウムは、水素の代用品です。

2つの実験の構造が「水素・酸素注入設備」とそっくりであることが分かります。

メモ20で、東京電力がバックアップ酸素ボンベを取り付けた後、試験もしなかったことを
説明しました。犯罪だと思います。原子力安全保安院、経済産業省は共犯です。
その「水素・酸素注入設備」と実験仕様がそっくりなのです。


まるで「水素・酸素注入設備」の実験です。

中部電力は原因を知っていたとしか思えません。

平成13 年11 月7 日、浜岡原子力発電所1 号機で配管が破断した
原因は・・・

原因は 「圧力容器」で発生した水素や酸素ではなく、

原因は 「水素・酸素注入設備」から入り込んだ高圧水素や高圧酸素

であることは明かです。
そんなことは

経済産業省
原子力安全保安院
中部電力
東京電力(以下はwikipediaの順番に従った)
北海道電力・東北電力・北陸電力・中部電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力・日本原子力発電・沖縄電力(?原発がないから知らなかったなんて言い訳は通らないと思う・・)
原発関係会社・研究機関の技術者科学者にとっては常識だと思います。

恥を知って欲しいです。

日本の原子力発電所は経済競争に巻き込まれ、
何時の間にか経済競争をチキンゲームにしてしまったようです。
(wikipediaの説明に少し間違えがあるようですこのチキンゲームはバカな大人がしてます)

経済産業省の方は「公」があるなら、自ら組織を改めるべきです。

今回の原子力発電所の事故がいい加減に終わったら、必ず第2、第3の原子力事故は必ず起こります。

理由は、原子力発電をしてはいけない人、「公」の無い人が原子力発電をしているからです。

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