2011年12月11日日曜日

温位の定義 モデルは温暖化を予想できるのか?


If you need English, please look for the next page.



温位、相当温位、飽和相当温位とは何か?が分からないと内容がわかりませんので、
初めに温位・相当温位・飽和相当温位について少し解説したいと思います。


大気中に1モルの空気を考えます。
この空気は位置エネルギー、エンタルピーというエネルギーや水蒸気の潜熱のエネルギーを持っています。
温位は水蒸気を抜いた乾燥空気のエネルギー
相当温位は温位に水蒸気のエネルギーを加えたものに対応します。
ところで水蒸気は温度によって空気に含まれる量が決まってきます。
飽和相当温位は
温位に加え最大限の水蒸気があると仮定したときのエネルギーと考えていただいてよいと思います。
こうしたエネルギーをCp(定圧比熱)で割ったものが、温位、相当温位、飽和相当温位です。


このように考えると相当温位が実際のエネルギー、飽和相当温位はエネルギーの入れ物いわば箱です。
地上の相当温位が大きく、上空の飽和相当温位=箱が小さければ溢れて空気は上昇して雷雲が発達します。
逆に、地上の相当温位が小さく上空の箱が大きければ大気は安定で雲は発達しません。
それには、地上の空気を持ち上げなければなりませんが持ち上げるのが温位です。
分かりにくいと思いますが地上と上空の空気が同じ温位(=等エントロピー)になると空気は混ざって、
結果的に上空へ持ち上がったのと同じような効果あると考えられます。




温位は気象の基礎概念ですが、温位の定義式を見て困惑する方は多いと思います。

Wikipediaによると
「圧力 P のときの空気塊の温位(おんい、英: potential temperature)とは、その気塊を標準的な参照圧力 P0(通常1000hPa)へ断熱的に変化させたときの温度である。」
とあります。

1000hPaへ準静的に断熱圧縮させた温度なのですが、どのようなエネルギーを使って断熱圧縮するのか明確にしている教科書はほとんどありません。・・・ないかもしれない・・・

エネルギーについては後で触れることにして、こうした定義から500と850hPaの空気を比べることができるようになりました。

少しややっこしいですが

500と850hPaの温位を計算すれば、2つの空気を比べることができます。
1000hPaまで、準静的に断熱圧縮した
500の温位をT500→1000
850の温位を温度T850→1000
とすると

T500→1000<T850→1000のとき
500hPaからみれば
500hPaの圧縮した空気の質量密度は850hPaの空気より高く(重く)下降流がおこりやすく  ???
850hPaからみれば
上昇流が起こりやすいことになります。
500と850hPaの空気は混ざりやく大気の状態は不安定だと言うことです

T500→1000>T850→1000のとき
500hPaからみれば
500hPaから850hPaに圧縮した空気の質量密度は850hPaの空気より低く(軽く)安定でなにも起こらない  ???
850hPaからみてもやはり安定で なにも起こらない  ???
500と850hPaの空気の間ではなにも起こらず(?)、大気の状態は安定だと言うことです。

(このように考えるとぐちゃぐちゃになりますので、一般的にはT500→850<T850は上昇流が起こりやすいと解説されます。)

このように温位は確かに便利です。
必要な概念で基礎概念であることは間違いなさそうです。

ただ・・
T500→1000とT850→1000を比べて本当によいのでしょうか?
と言うのがここのテーマです。

実は空気を準静的に断熱(エントロピーを変えないように)圧縮するエネルギーとして位置エネルギーをつかいます。
温位と乾燥断熱減率は密接な関係があります。

dT/dz=-(mg/Cp)   (1)

θ=T(z)(1000/P(Z))^(R/Cp)    (2)

信じられないかもしれませんが(2)は(1)を満たしていないといけないのです。
同じものを圧力Pでみるか高さZでみるかの違いと考えてよいかもしれません。
このあたりの事情は乾燥断熱減率と温位エマグラムを参照して下さい。

(1)で温位を表現すると、
気圧面の高さをZ、1000hPaの高さをZ1000として
θ=T(z)+(mg/Cp)(Z-Z1000)   (1)´
となります。

さて、実際に温位を計算してみましょう。

一生懸命温位を勉強しても、実際に温位を計算した方は少ないと思います。 何のために勉強したのか?

数式が嫌いなかたは風船の図近くまで読み飛ばして下さい。

次の数値は2011年12月09日21時の館野高層観測の速報値です。
ワイオミング大学から得ました。
PRES     HGHT   TEMP
1015      0            0.2
1012      53          3
1005      105        3.8
1000      143        4.4
995        184        5.2
983        283        4.8
972        374        4.4
925        775        1
850        1447      -4.7
848        1466      -4.9
814        1784      -7.3
781        2107      -9.7
768        2236      -10.7
730        2624      -13.9
712        2813      -15.7
710        2834      -15.9
700        2941      -15.9
680        3159      -16.9
677        3192      -17.2
668        3292      -18.3
664        3337      -17.9
639        3623      -18.1
619        3860      -18.3
564        4546      -23.1
557        4639      -23.7
543        4825      -21.9
512        5256      -22.5
511        5271      -22.5
500        5430      -23.5

850、500hPaの気温はマイナス4.7℃とマイナス23.5℃、高さは1447mと5430mです。それぞれの温位をθ850、θ500とすると
Cp は
ですので

θ=T(z)(1000/P(Z))^(R/Cp)
 =T(z)(1000/P(Z))^(2/7)
で
θ850=(-4.7+273.15)(1000/850)^(2/7)
 =281.2k

θ500=(-23.5+273.15)(1000/500)^(2/7)
 =304.3k
となります。
これを(1)´式に入れてZ1000を求めますが、その前に乾燥断熱減率Γを確認しておきます。
Cp=29.085J/mol・K
m=29g/mol=0.029Kg/mol
g=9.8m/sec/sec
ですから
mg/Cp=0.029×9.8/29.085=0.00977≒0.01 k/m=0.01 ℃/m
と100メ-トルで1℃下がる(上がる)割合となります。乾燥断熱減率Γは
Γ=-mg/Cp=-0.01 (℃/m)

さて、Z1000の計算です。
850hPaは(1)´式から
281.2=(-4.7+273.15)+mg/Cp(1447-Z1000)
Z1000=1447 -(281.2+4.7-273.15)/0.01
   =1447 - 1275=172

次に500hPaは
304.3=(-23.5+273.15)+mg/Cp(5430-Z1000)
Z1000=5430 -(304.3+23.5-273.15)/0.01
   =5430 - 5465=-35
??
ところで、実際の1000hPaの高さは143メ-トルで、気温は4.4℃で、圧縮する必要はありませんから温位は4.4+273.15=277.55kとなります。

Z1000の値がそれぞれ違ってしまいました。??

違って当然なのです。

原因は現実の温度減率が乾燥断熱減率になっていないからです。
これはモデルにとって致命的な問題になります。

500hPa空気のエントロピ-を変えずに位置エネルギ-を使って1000hPaにするとはどのようなことか?


図にしてみましょう。






 図のように500hPaの乾燥空気を1000hPaまで断熱圧縮するには5465メートルの高度差が必要なのです。

500hPa面の高度は5430メートルですので1000hPaまで圧縮するとその位置は地下35メートルになってしまいます。

しかし、実際の1000hPa面の高さは143メ-トルです。

実際の1000hPaの空気は、500hPaの空気を1000hPaまで断熱圧縮した空気より143+35=178メートル分の位置エネルギーを余分に持っていると言うことです。
現在の定義ではこうした位置エネルギーの誤差は避けられません。

 500hPaが1000hPaに対して安定なのか不安定なのかは1000hPaまで断熱圧縮する途中の143メ-トルで風船を割ってみないと分からないと言うことです。
 
 現在の温位の定義では厳密には高度や気圧がちがった空気を比べることはできないのです。
 
 この日の300hPaの温度は-38.5で高度は9030メ-トルでした。
 温位は331.0kとなり300hPaの乾燥空気が1000hPaになるには高度差は9934メ-トル必要になります。
 地下900メ-トルになりますので、現在の温位の定義で300hPaと850や500hPaの温位をと比べても全く無意味になってしまいます。
 比べるためには、定義を変更する必要があります。
 面倒でも*地表面まで断熱圧縮した値を温位とすべきです。
 
*このように定義しても比べられないのでは?との疑問があるかもしれません。
 少しごちゃごちゃしますが・・・しかたがない。
 気圧の異なる2つの空気を比べるわけですが、理論的にはどちらか気圧の高いほうの空気を低いほうの気圧まで自由膨張させれば比べれられます。
 自由膨張で温度の変化はありませんから、事実上自由膨張させなくとも不安定かどうか判断できます。
 自由膨張については大気成分とギブスのパラドックスの真空の箱で少し説明しました。
 自由膨張(エントロピーの変化あり)と準静的な断熱膨張(エントロピーの変化無し)の区別がつかないと熱力学の落とし穴に捕まります。私は捕まりました。

 温位の要素には明らかに位置エネルギーが含まれています。・・・

 しかし、現在の温位の定義は気圧面ごとに1000hPaまで圧縮した時の位置がバラバラなのに、無理やり同じ0メートルと定義しているようなものです。

 言わば第1法則、エネルギー保存則を無視しているのです。
 ・・・・温位の定義は明らかに誤りです。・・・・

現在の温位は1000hPaの位置エネルギーの誤差のため上空に行くほど高い値になってしまいます。こうした誤差は*相当温位にも反映されてしまいます。



*最初にもどるのは面倒だとおもいますので再録します。
温位、相当温位、飽和相当温位とは何か?
大気中に1モルの空気を考えます。
この空気は位置エネルギー、エンタルピーや水蒸気の潜熱のエネルギーを持っています。
温位は水蒸気を抜いた乾燥空気のエネルギー
相当温位は温位に水蒸気のエネルギーを加えたもの
ところで水蒸気は温度によって空気に含まれる量が決まってきます。
飽和相当温位は
温位に加え最大限の水蒸気があると仮定したときのエネルギーと考えていただいてよいと思います。
こうしたエネルギーをCp(定圧比熱)で割ったものが、温位、相当温位、飽和相当温位です。
このように考えると相当温位が実際のエネルギー、飽和相当温位はエネルギーの入れ物いわば箱です。
地上の相当温位が大きく、上空の飽和相当温位=箱が小さければ溢れて空気はどこまでも上昇します。
逆に、地上の相当温位が小さく上空の箱が大きければ大気は安定で雲は発達しません。
それには、地上の空気を持ち上げなければなりませんが持ち上げるのが温位です。
分かりにくいと思いますが地上と上空の空気が同じ温位(=等エントロピー)になると空気は混ざって、
結果的に上空へ持ち上がったのと同じようなものになります。


 何度か紹介したのですが、偶然観測時間に台風の中心が福岡に接近した例です。
気象庁の従来の定義にしたがった解析結果は次のようなものでした。


台風なのに上空の相当温位が高く安定に見えます。

従来の定義での福岡ポイントの温位エマグラムもほとんど安定となります。



台風のエネルギー源は地表付近の水蒸気のはずですが1000メートル程度の雲しか作れないようにみえます。正直とても激しい現象が起こる分布にみえません。


しかし、地表面を基準として温位エマグラムを描くと様子が変わります。



地表付近の空気が15000メ-トルまでイッキに上昇してもおかしくないことがわかります。
地表付近の水蒸気が台風のエネルギー源であると言えるでしょう。 

すこし言いにくいのですが・・・現在の温位や相当温位はアバウトな定義なのです。


P座標(xyz座標ではなく高さzの替わりに気圧Pを用いる座標系)は計算上便利ですが、物理をみないようになってしまう?。
従来の温位による温位エマグラムはP座標を基礎にしていると言ってよいでしょう。
P座標は、たしか「誤差は小さいから大丈夫なんだよ」と習った気がします。
しかし、誤差はある訳けです。先ほどの300hPaによる900メートルの誤差は乾燥断熱減率からすると9kの誤差です。
この誤差が台風の構造を隠してきたとおもいます。

(余計なことですが、誤差は850hPa程度まではたいして問題にならず雷予想程度なら従来の定義でも十分使えます。エネルギーは地表付近に溜まるので925hPaの相当温位なども丁寧に見ればほぼ確実に雷予想はできます。)

それでも天気予報が当たるは、普段、大気は安定で混ざりにくい鉛直構造をしており各気圧面の予想は正確にできること、毎日2回フレッシュな初期値を入れ替えているからです。
しかし、この誤差によりモデルが対流現象を苦手にすることは完全には解消されないでしょう。
台風のような大規模な対流現象は手が付けられなくなり、別のモデルを気象モデルに組み込むことになります。

温暖化を予想しているモデルは従来の定義を用い、初期値もフレッシュなものに入れ替えることができません。
・・・・・・
・・・・・・


IPCCの予想など全くデ・タ・ラ・メだと言うことです。



鷹ノ巣山から望む富士山

そろそろよいのではないかと思います。
このブログで一番大切なテーマは「大気成分とギブスのパラドックス」です。
高名な物理学者の講義を教科書した、その教科書の間違え(ケアレスミス)をそのまま気象学者は鵜呑みしてしまいました。・・なんと情けないことでしょう。
非常識を常識にしてしまったのです。
第2法則にしたがった大気のイメージを持って欲しいと思います。


温室効果は悪い冗談ではなく悪夢です。
それも、悪夢で終わりそうもありません。
温暖化の原因は温暖化させるエネルギーを説明しなければなりません。
おそらく、そのエネルギーをたくさんの人に使ってもらわないと意味がありませんが、温暖化で不都合なことが起こるだろうとも思えます。
現在の気象の大気イメージでは不都合なことは防げないと思います。

やはり、人間は気候に影響を与えるようになったのだから、それをコントロールするべきだと思います。他の選択肢はかなりキビシイ・・

2011年11月23日水曜日

筑波山の4つ目の温度 湿球温度2

hajimeni
放射平衡温度のマイナス19℃が地表の温度になるはずで、プラス15℃になっているのは温室効果によるとするデマが横行しています。
地表面の無いガス惑星の放射平衡温度は何処かを考えればデマが判ります。
放射平衡温度は表面積と断面積の比を取る必要がありますから、地球の半径と関係がありません。
放射平衡温度にそれ以上の意味はなく


放射平衡温度が地表面の温度とする根拠


など無いのです。


このような知識人は
「地球の表面は人間の住む地表面である。」
とする現代の天動説的支持者です。
研究者は温室効果を認めないと研究費がもらえないので政治屋や行政屋に魂を売り、コンピュータモデルと言う高価なオモチャで遊んでいるだけです。

・・・ 研究者とは言えない。・・・ 温室効果などありえない・・・。

温室効果は原発推進のためのトリックです。

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筑波山の湿球温度と地表温2

地表温度は南中時間を過ぎると下がり始め、夕方に湿球温度に落ち着きました。
放射冷却ではこうした事実を説明できず、大気には常に地表面を冷やす冷却システムがなければならないと思います。

私は、オーブのような目に見えない降水粒子が地表面を冷やすのではないか?
と仮定しました。
白く丸いのがオーブです。肉眼ではみえずフラッシュを焚くと写ることがあります。



オーブの温度を湿球温度とし、地表温度と湿球温度には強い相関があることを明らかにしました。

しかし、冬は地表温が湿球温度より低くなります。


そこにどのような要因がからんでいるか?
少し調べてみました。

冬の湿球温度と地表温
1,2、3月の夜間から明け方(0~5時)の湿球温と地表温は下のグラフのようになりました。



横軸が地表温で縦軸が湿球です。
太平洋側は冬に空気が乾燥します。
乾燥を示す指標によく相対湿度が用いられますが、実はあまりあてにできる指標ではありません。
気温0℃と25℃の湿度30%の水蒸気圧(量)は1.8hPaと9.5hPaと5倍以上違います。
乾燥の指数は目的別に選択すべきだとおもいます。
さて、湿球温度と地表温のグラフに戻ります。
湿球温と地表温が7~8℃以上になると
湿球温=地表温
以下になると
湿球温>地表温
になるようです。

ここで、湿球温度と地表温を露点温度(=水蒸気圧)で層別化してみます。
露点温度マイナス3℃(=4.9hPa)を閾値として比べてみます。
湿球1は露点温度マイナス2.9℃以上、湿球2はマイナス3.0℃以下の湿球温度です。


露点温度(水蒸気圧)が低いと湿球温度より地表温が低くなる傾向があります。
プロットが重なり湿球1の全体像が見えづらくなりましたので湿球1を切り出します。




湿球1には、A,B,Cの性質の異なった集合(クラスター)あるように思えます。
Aは湿球温=地表温となる領域
Cは湿球温>地表温となる領域で湿球2の仲間
BはAとBをつなぐ遷移領域
に見えます。
どうやら、地表温は水蒸気圧が低くなると湿球温度より低くなり、相関も悪くなるようです。
だとすると、冬に限った現象ではないかもしれません。
4~12月で露点マイナス3℃以下の夜間から明け方(0~5時)の湿球温と地表温は


となり、相関係数は0.88でした

・・・残念ながら私が想像していた結果とは異なりました。

資料数は4225で地表温5℃以上の資料数は256でしたが
 湿球温度が低いと
 湿球温>地表温
となりましたが・・・
 湿球温が高いと
 湿球温<地表温
となる傾向があるようです。・・・

仮説に・・・仮説を・・・重ねることになりますが・・・

まず、「湿度100%以上でない雲粒はとできないか?」を参照してください。
私は平衡条件から、雲粒(液体や固体の水)は環境の温度より低いと*結論しました。
雲粒の半径が小さければ小さいほど温度は低くなって平衡状態に達すると考えられます。
雲粒の半径が小さいとは、その存在自体が少なくなることを意味します。


さて、私の想像はこうです。
湿球温度が高く露点温度(水蒸気圧)-3℃より低いとは、環境の温度が高く水蒸気圧が低い事を意味します。
そうした状態ではオーブのような雲粒が少なく、地表の冷却システムが弱いのかもしれません。


どうも私の考えは、温室効果気体と呼ばれる水蒸気が液化や固化して地表面を冷やしていると言うことになりそうです。

*「過飽和でないと雲粒ができないとする考え方」=「雲粒にエネルギーを与え蒸発させる」のは、平衡条件を無視しています。
平衡条件とは、物質やエネルギーの出入りを無くして系のエントロピーが最大になったときの状態と考えられます。

雲取山から望む富士山


水蒸気の輸送について・・
「大気成分とギブスのパラドックス」で、第2法則から大気成分の分圧比は高さによらず一定あることを説明しました。
しかし、水蒸気は上空に行くと分圧比は極端に小さくなり、その差が液体や固体の水の主な源と考えられます。
ところで、日中、地表が暖められ次に空気が暖められ等温位層が上空へと広がります。
雲粒が存在すると大気の温度に影響を与え等温位になりにくいと考えられます。
こうした時は温度が上がりにくく、実際に最高気温予想で利用してうまくいきました。
逆に等温位では雲粒は存在しにくいと考えられます。
説明は省略しますが、鉛直方向に等温位になると水蒸気の分圧比は一定になり、等相当温位になります。

勿論、雲粒の温度が乾燥断熱減率に従った温度分布をすれば存在しないとは言えません。 可能性は小さいでしょうけど・・・


上昇流などなくとも等温位になれば水蒸気は上空に輸送されます。
そして、等温位や等相当温位でなくなる所で雲が広がると考えられます。





*********************************
データは「筑波山気象・水文観測プロジェクト」からダウンロードしました。
筑波山気象・水文観測プロジェクトのホームページ
http://mtsukuba.suiri.tsukuba.ac.jp/
データがダウンロードできるページ
http://mtsukuba.suiri.tsukuba.ac.jp/sub6.html

http://www.weather.co.jp/mtTsukuba/drawing/mtTsukuba_gif_2.gif


2011年11月18日金曜日

筑波山の地表温を決める要因

筑波山の地表温を決める要因

気象台では観測される露点温度が正常な値を示しているか湿球温度を観測します。
適当な大きさがあれば雲粒の温度は湿球温度と考えられます。(湿度エマグラムと湿球温度 ―雨雪判別― 参照)

湿球温度と地表温の相関から目に見えない(?)雲粒が地表温に影響していると推察されます。
ところで湿球温度は、水蒸気を含めた空気のエネルギーに関係しています。
ここでは、湿球温度の要素である「乾燥空気のエンタルピー」と「水蒸気が液体や固体になる時のエネルギー」を用いて地表との相関関係を調べてみました。

1.  地表温と2つのエネルギーとの重相関
湿球温度は近似的に
Cp・T+L・E(Td)/P=Cp・Tw+L・E(Tw)/P
の関係があります。
Cpは定圧モル比熱、Lは1モルの水蒸気が水になる時のエネルギー
Tは気温、Tdは露点温度、Twが湿球温度、E(Td)、E(Tw)はそれぞれの水蒸気圧です。
CpとLは定数なのでTwの要素はTとE(Td)/Pとみなすことができます。
この2つの要素と地表温の相関を調べればよさそうです。
数値的にE(Td)/Pは小さくなりすぎるので視覚的に扱いにくいので1000・E(Td)/Pを用いました。

1-1地表温と相関係数
 エネルギーを基本に考えますから地表温と相関をとる要素を
Cp・T→T     をE1 (乾燥空気のエネルギーorエンタルピー)
1000・E(Td)/P  をE2 (水蒸気のエネルギー) 
Tw        はTw (湿球温度)
Twi        はTwi (氷をベースにした湿球温度)
とします。
TwiはLを水蒸気が水ではなく直接氷になるとしたときの湿球温度です。
相関係数等はエクセルで計算させました。

下グラフに1月の時間ごとの相関係数を示します。



TwとTwiの違いはほとんどありませんでした。

(相対湿度と気温から蒸気圧をもとめるています。・・ただ、もとデータが水か氷の飽和蒸気圧を用いて相対湿度を計算しているか不確かさが残ってしまいます。)
日変化をみてもTwとTwiの違いはほとんどありません。






1,2,3月は夜間の地表温が湿球を下回るのですが、その原因は水と氷の潜熱の違いによるものではありませんでした。

1-2地表温と2つのエネルギーとの重相関

湿球温が雲粒の温度とするのは私の仮定ですが、現実に湿球温度は雨雪判別に役立ちます。

気温が圧力や水蒸気圧に直接影響を与えるとは考えにくく、湿球温度の要素E1とE2は独立した要素であることは明らかだとします。

(バカらしいですが・・温室効果では水蒸気圧が気温や地温に影響を与えることになりますが・・。)


地表温とE1、E2の関係を統計的に調べてみます。


方法は2段階で
a.地表温の予測値をTirfとしてエクセルで
Tirf=aE1+bE2+c    (1)
と予測式をつくります。
(エクセルのアドイン関数で簡単に作れます。このあたりの数学は適当な教科書を参照願います。私には解説できません。)
(1)を地表温の重回帰と呼ぶことにします

b.重回帰で計算される結果と実際の地表温との相関係数を調べます。
以下は1,4,7,10月の結果です。




        
重回帰は時刻別に作っていますからa,b,cは時刻によってそれぞれ違う値になることになります。


 E1は気温、E2は大雑把に言って露点や水蒸気圧に対応すると考えてよいでしょう。


 日中は相関係数が高い順は重相関、E1、Tw、E2となります。
 夜間は重相関とTwはほとんど同じで次にE1、E2となりました。

 1月5時のTw対重回帰を比べましょうし。結果は下グラフになりました。

 

 特に他を確かめる必要はないでしょう、私の勝手な「夜間の地表温は湿球温度になる」と言う仮説は「冬季の夜間の地表面温度は湿球温度に影響される」に修正しなければなりませんが統計的にも確かめられたと思います。
 
 日中、重相関とE1の相関係数は高くなっています。
 地表温とE1の相関が高いのは、地表が1.5m上の空気を暖めるとする常識的な結果で当然だとおもいます。
重相関がE1をわずかに改善しているように見えますが経験的に統計のマジックだと考えられます。
とくに確かめませんでしたが、「独立資料」=「これから観測される値」を使って検証すればE1が一番確からしくなるでしょう。

 日中、E2→蒸気圧が地表温と無相関となるのは納得できるところです。

水蒸気(温室効果)があると、地表や気温が暖まると言う観測結果などないのです。

今のところ、冬の夜間に地表温が湿球温度より低くなる理由はわかりません。
地表温は雪面になれば露点温度の影響を受けるかもしれません。また、風の影響も想像されます。・・・
結論するのは早いかもしれませんが露点温度や風速による顕著な相関は見えてきませんでした。

下のグラフは1,2,3月の0~5時までの「湿球 対 地表温」をプロットしたものです。



縦軸が湿球、横軸が地表温です。
地表温が5℃以上ですと相関がよく、5℃以下は相関が悪くなることが見てとれます。




データは「筑波山気象・水文観測プロジェクト」からダウンロードしました。
筑波山気象・水文観測プロジェクトのホームページ
http://mtsukuba.suiri.tsukuba.ac.jp/
データがダウンロードできるページ
http://mtsukuba.suiri.tsukuba.ac.jp/sub6.html

機器構成
http://www.weather.co.jp/mtTsukuba/drawing/mtTsukuba_gif_2.gif

気温は地表から 1.5メートル
地表温は地表
地温は地表から マイナス1センチ
の温度です。






雲取山の霜

私は地表面の温暖化を否定しているわけではありません。
その原因が根拠のない温室効果ではないとしているのです。

環境派とか言われている人たちが無責任に
 ゴアさんの

「地表の温度は温室効果が無ければマイマス19℃になると言われています。」

と全く根拠のないうわさ(嘘?)を広めた結果

 知らないうちに

 原発で発電していれば温暖化しない
 
 との馬鹿げたイメージや願望が出来上がっています。

 結果的には政治屋の勝利なのかもしれません。
 ゴアさんが政治屋かどうかしりませんが・・・

 政治家の方には楽をしないで下さいと申し上げます。