熱平衡は物質や熱の出入りがなくなって、これ以上変化しなくなる状態です。
理想気体では、そうした状態では系全体のエントロピ-が最大になり、何処の場所でも1モル個当たりのエントロピーの値が同じになるのでした。
温位はエンタルピーと位置エネルギーのエネルギー保存則でも定義できることを示しました。
こうした物理的な基礎概念を欠いて、さらに温室効果や放射冷却のような第2法則に反する間違った概念で気象はできています。
いくら気象モデルで成功を収めてもボロボロだと思います。
ここでは、偶然導入したエネルギー密度を使って名瀬21時観測のデータを眺めます。
1.エネルギー密度と使用データ
データ:名瀬 21時観測の高層データ
期間:1988年4月1日~2011年12月31日
データは気象庁のホームページから団ロードしました。
高さを50m毎にまるめてデータを整理していますが、統計処理はデータ5つで移動平均していますので結果は250m毎のデータによる処理に近いと思います。
温位は1モル個の空気粒子のエンタルピーと位置エネルギーを使って定義されます。
Cpθ=CpT+mgZ (1)
「乾燥断熱減率とエントロピー」参照
1モル個の状態方程式は
PV=RT で1/V=P/(RT)
個々のθは
θ=T+(mg/Cp)Z
で計算しました。
(1)の両辺をVで割ると3つのエネルギー密度があるのがわかると思います。
Cp/R=3.5ですから
左辺
エネルギー密度:ε1=Cpθ/V=3.5θP/T
右辺
エネルギー密度:ε2=CpT/V=3.5P
エネルギー密度:ε3=mgZ/V≒ρgZ
としました。
少しややっこしいですが、Pは実際のデータを使いっています。
今までの高層データシリーズで見てきたとおり、実際の気圧Pは乾燥空気の分圧より高くなっています。
ρは1モル個の状態方程式と平均質量から求めましたから、乾燥空気の質量密度となります。
実は(1)は近似式で実際は
Cpθ=CpT+mgZ+δ (δ>0)
であることに注意してください。
ここではε1、ε2、ε3を其々、相当温位、エンタルピー、位置エネルギーのエネルギー密度と呼びます。
2.温位エネルギー密度
エネルギー密度は
ε1=Cpθ/V=3.5θP/T
でθ、P、Tは平年値を使用しました。
地上付近(300m)が最大で、ε1が1/2になるのは高さ8000m気圧の平均は374hPaでした。
各月のエネルギー密度はほとんどかわりませんでした。θ/T≒1でほとんどP成分が主になってしまうためです。
3.エンタルピーのエネルギー密度
エンタルピーのエネルギー密度は
ε2=CpT/V=3.5P
で気圧そのものです。
エネルギー密度が1/2になる高さは59500mで気圧が491hPaでした。
500hPaからの偏差が少し大きくなったのは、地上付近の観測データが300mから始まっている為と考えられます。概ね500hPaで高さ5950mより低い所がε2が半分になる所と解釈できます。500hPaはエンタルピーのエネルギー密度が半分になる所とも解釈できると思います。
4.位置エネルギー密度
エネルギー密度は
ε3=mgZ/V≒ρgZ
で、ρはρ=(m/R)P/Tから個々の観測値毎に計算し、平均して平年値としたものです。
位置エネルギー密度ε3の最大値は8900mで40766ジュール/㎥でした。
ε3=(m/R)(P/T)gZ
で、縦軸と横軸が逆になりますがε3が最大になる高さZは
dε3/dZ=0
で解析的に求めることができるかもしれません。
グラフから10000m程度ですからgは定数として概算してよいと思います。
勿論P、TはP(Z)、T(Z)です。
温暖化が顕著に表れる高さと何か関係があるかもしれません。
そのうち関係を調べる必要がでてくるかもしれません。
2秒間隔で各月のグラフを表示をじています。
ほとんど変化はわかりませんが、日照時間の長い6月と短い12月に振動しているように見えます。
地表等に加えられるエネルギーは敏感に位置エネルギー密度に反映するのかもしれません。
5.エネルギー密度と温位
次のグラフはε1、ε2、ε3はε1の最大値を1、また温位の最大値を1として規格化したグラフです。
ε3:位置エネルギー密度の最大値は0.12となりました。
各要素は説明しなくとも分かると思いますが、左からε3:位置エネルギー密度、ε2:エンタルピー密度、ε3:温位エネルギー密度、温位です。
領域は
A:ε2≒ε3となる領域です。B領域との境界ははっきりしませんが、ε3がε2の99%などの定義、できれば物理的な定義で境界をはっきりさせることは可能だと思います。間違えでしょうが、物理的な直感からは位置エネルギーとエンタルピーにエネルギー等分配されているようにも思えます。
C:位置エネルギーが最大になるまでの領域です。Bとの境界ははっきりします。
名瀬21時観測データでは8900mになりました。
偶然かどうかわかりませんが8900mのε2(8900)は0.38となり
ε3が最大となる高さのエネルギー密度は
ε2(8900)+ε3(8900)=(1/2)ε1(0)
となりました。
今後調べてこのような関係があるようなら、理屈を考えなければなりません。
間違えであるかもしれませんが、A領域の温位は観測事実としてε2≒ε3であることが関係しているかもしれません。
ところで
A領域は成層圏と言ってよいでしょう。
と比べてみて下さい。
温室効果の先生は温位が直線近似できることを知りません。
赤外線を吸収して、温度が上がるならステファン・ボルツマンの法則でしめされる赤外線量より桁はずれに多くの赤外線が必要です。
そうした赤外線は熱平衡状態からかけ離れた状態と言わねばならず、電子レンジで加熱している状態とよくにています。
赤外線を吸収して、温度が上がるならステファン・ボルツマンの法則でしめされる赤外線量より桁はずれに多くの赤外線が必要です。
そうした赤外線は熱平衡状態からかけ離れた状態と言わねばならず、電子レンジで加熱している状態とよくにています。
Wikipediaの温室効果はエネルギー保存則を無視していると思います。
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