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2011年7月20日水曜日

原子力発電所の水素爆発について メモ40

13日の続きですがかなり長くなりそうです。
少しFAXの出所と3号機の15条対応について考えます。


いままでのFAX送信ログは送信元が2つあるように見えます。たとえば 
2011年3月13日 0742分   東京電力(株)原子力立地 会議室
?年03月13日(日) 07時??分 宛先:913019    発信:1F 緊対室
です。


送信元は本来 現場である 東京電力(株)福島第一原発 緊急対策室であるべきですが・・
まるで本社で検閲してから原子力安全・保安院に送られてきているように見えます。
送信時間が多少遅れますがこれでよいのかもしれませんが・・・
しかし、送信時刻が度々抜けるのはこうした検閲があるからと想像します。

現場は
 「東京電力(株)福島第一原発 緊急対策室」=「1F  緊対室」
で 
「1F  緊対室」「 東京電力(株)原子力立地 会議室」「原子力安全・保安院」
のルートだと思います。

さて 15条対応です。
メモ39 の27報の内容は 明らかに15条事象です。


「1F  緊対室」が27報を送信した時はまだ15条通報を行っていなかったので
「 東京電力(株)原子力立地 会議室」はすぐには「原子力安全・保安院」に送らず、
「1F  緊対室」に 5時10分で 15条事象と判断させてから
27報を「原子力安全・保安院」に送信したのだと想像します。

原子力安全・保安院は

平成23年3月13日
福島第一原子力発電所第3号機の原子力災害対策特別措置法第15条による通報の受信について
http://www.meti.go.jp/press/20110313004/20110313004-2.pdf
5時38分に15条通報を受け取ったとしています。


また文書の内容は
本日(3月13日)午前2時44分に原子炉圧力低下に伴い、同ポンプの駆動源である原子炉からの蒸気量が低下したため、高圧注水系が自動停止しました。
となっています。15条事象判断は2時44分が適当(?)だと思えます。
(当直引継日誌)からは2時42分に高圧炉心注水系(HPCI)が停止しています。
メモ35 の3)3号機 参照)


保安院は
原子炉隔離時冷却系 (RCIC)が停止した理由については、当該原子炉隔離時冷却系 (RCIC)の機能喪失時刻が稼働開始時から20時間以上経過しており、弁操作のためのバッテリーが枯渇している可能性が高い
と説明していますが、原子炉隔離時冷却系 (RCICが停止した時刻は
12日 11:36 RCIC(原子炉隔離時冷却系)トリップ(緊急停止)です。
東電のトリップした理由は訳のわからいものでした。


おそらく理由は逃し安全弁の使いすぎにより
圧力容器と格納容器の圧力差がなくなったためと思われます。


バッテリーの枯渇は高圧炉心注水系(HPCI)が停止した13日02:42だと思います。


1、2号機はバッテリーが水没して高圧炉心注水系(HPCI)が動かなかったはずです。


バッテリーは枯渇するのは当然予想しなければなりませんから13日02:42以前に15条判断すべきだったのです。
(バッテリーの電圧を確認できるはずで確認してれば予想はできたはずです。)
15条事象には直流電源喪失も含まれています。メモ36参照)


原子力安全・保安院はわざと混乱するような説明をしていると思います。
寄り道が長くなりました。
********* 
30報 発信時刻 3130735
以下 FAX送信ログは必要がある場合を除き省略します。
3号機のD/W(格納容器)ベント操作の準備を進めておりますが、D/W(格納容器)ベント操作開始前の被ばく評価については別紙の通りです。
別紙は予想のようです。
前提
ソース 重大事故
容積  D/W(格納容器)+S/C(圧力調整室)=3770+3160 m 
圧力    427   + 101.  101.3khPa
ラプチャーディスク
       のブレイク圧 

今回は格納容器圧力ではなくラプチャーディスクのブレイク圧になっています。


おそらく、格納容器の圧力を公表したくないのでしょう。
内容がおかしな情報は無視したほうがよいかもしれません。


ラプチャーディスクのブレイク圧について次の記事に分かりやすい説明がありました。
Sponiti Annex
 http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/05/19/kiji/K20110519000846960.html
すこし、引用します。
**************
引用開始
ベントは、格納容器から外に出る配管に設置された2つの弁を開け、外側にある薄いステンレス製の「ラプチャーディスク」が内部の圧力で破れるようにし、蒸気を放出する仕組み。
引用終わり
**************


例えばベントは1号機では 格納容器の圧力 0.954MPa=954KPaを0.1MPa=100KPa まで下げることを目的としていました。
メモ33 Yosiokaメモあたり メモ3712報 15報 参照)
1号機のラプチャーディスクのブレイク圧は0.55MPaのようです。(メモ33参照) 
また、1号機はベントしても 0.84MPaから0.77MPaまでしか下がりませんでした。(メモ37参照)

31報 発信時刻3月13日7時56分

3号機は7時39分に格納容器スプレイを開始した。
格納容器スプレイは9時現在で、すでに止まってしまいます。
バッテリー枯渇でほとんど動かなかったのでしょう。

7時45分現在 原子炉水位        ー3000mm(燃料域)
原子炉圧(圧力容器)     7.31MPa
D/W(格納容器)圧力     460KPa
S/P(圧力調整室)圧力     440KPa

32報 発信時刻 3月13日8時46分
3号機は8時41分にD/W(格納容器)ベント操作を開始しました

33報 発信時刻 3月13日9時1分
モニタリングポストNo4にて500μSv/hを越える 測定したことから 8時56分に「敷地境界放射線量異常上昇」に該当すると判断した。
Mpー4:882μSv/h (823

34報 発信時刻 無し 所長 サインなし
FAX送信ログ
送信時刻 2011年3月13日9時19分
に見える。
3号機は908頃にSR弁(逃し安全弁)による原子炉圧力(圧力容器)の急速減圧した。
原子炉水位 +1800mm(燃料域)  +1800に見えるがおそらくー1800mm
原子炉圧力(圧力容器)  0.46MPa
D/W(格納容器)     637KPa
S/C(圧力調整室)圧力  590KPa
今後 消火系ラインによる原子炉内への注水を開始する。

35報 発信時刻 3月13日9時36分

3号機はDW(格納容器)ベント操作により9時20分よりD/W(格納容器)圧力が
低下傾向にあることを確認した。
また、消火系ラインによる原子炉(圧力容器)内への注水を開始した。

35報は13日9時現在の東電プレス
のつじつま合わせに思えます。

9時8分に逃し安全弁でDW(格納容器)の圧力を上げたばかりです。
10分強で「D/W(格納容器)圧力が低下傾向にある」などと判断すべきではありませんし、
1号機のように数字も示していません。(メモ38 23報参照)
内容もいい加減ですが次の図は35報を180度回転したものです。


FAXログから送信元は 東京電力(株)原子力立地 会議室であることがわかります。
東電本社が現場から斜めに受信して,
次に原子力安全・保安院へ送信していることがはっきりしました。
*************** 
続きは メモ41で・・・

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