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2013年2月11日月曜日

2013年2月6日の雪予想について


26日の雪予報は大外しでした。
私は関東南部の平野で10センチ、関東北部の30センチの予報に違和感をおぼえ、を書きました。
おそらく、当日の0時かそれ以前に書いたものです。
また、雪が予想されていますのでを解説しておきたいとおもいます。
降雪は1センチの降水量は1ミリの雨として換算されるのが普通です。
冬の北海道や標高1000mでは1ミリの降水は3センチ位になるかもしれません。
俗に乾いた雪と呼ばれるものです。
10センチの雪は10ミリの降水、30センチの雪は30ミリの降水と私は思いました。
関東ではこのクラスの降水は南から暖かく湿った空気が入らないと降りません。
前日はかなり暖かい日だったので、温かく湿った空気がはいれば雨になると直感していました。
しかし、今のモデルで外れるのか?と思い、予想図を見ることにしました。
次の予想図は850hPa、およそ標高1500mの相当温位の予想図です。

850hPaの相当温位は湿球温度0℃に対応しています。
609時に東京23区の上空1500m0℃以上で、ちょうど雪か雨の境だと相当温位は予想しているわけです。
南風でこの時間は降水つまり、雨か雪が降っていると予報官は判断します。
南風が北風に変われば降水のピークは終わります。
東京の降水は南風が吹いている期間と大まかに考えられます。
雪の目安は850hPaでマイナス6℃ですから、古い予報官は雨と判断するケースです。
雪など考えもしなかったでしょう。

テレビの天気予報で雪予想の画面をおぼえているでしょうか?
あれはたぶん天気マップと呼ばれる資料です。
23区以外では雪が積もりましたので天気マップの精度はだいぶ向上しています。
しかし、天気マップは基本的に統計的に処理された資料です。
予想資料には統計的に処理されたものが多いのです。
統計処理された資料は互いに整合性はありません。
今回の問題点は、30ミリの降水になるには高い相当温位の空気が流れ込まなければなりません。
しかし、高相当温位は高い湿球温度になることを意味します。
30ミリの予想は天気マップの雪予想と矛盾するのです。
予報官は数値予報資料から、今回の現象を判断し矛盾を調整する必要があったのです。
5日午後09時の館野実況をみてみましょう。

上の温位エマグラム前日21時の館野の実況です。
湿球温度はほぼ0℃以下です。
これほど詳しくはありませんが、私はワイオミング大学から速報値を確認してこのイメージを持ちました。
明日朝の雲頂高度は3000m位と考えられます。
もう一度850hPaの相当温位の予想を見てください。
東京で10ミリ、関東北部で30ミリの降水となる為には、850hPaの下、925hPa(標高約750m)や950hPa(標高約500m)の相当温位が300k以上である必要があります。
300k以下では大気の状態が絶対安定になってしまいます。
しかし925hPaの相当温位300kは湿球温度5℃、950hPaの相当温位は湿球温度6℃に対応します。
つまり、23区で10ミリ、関東北部で30ミリの降水になるためには雨になる必要があるのです。
これが、925hPa300k以下なら10mmの雨は降らない。整合性のない予報に思える。
とした理由です。

残念ながら、気象庁は雪予想に相対湿度を使っているようです。
また、予報官はガイダンスや天気マップの統計資料にべったりのようです。
きびいしいですが、今の予報官は資料の整合性を考えるのが仕事です。
担当した予報官は950hPaや925hPaの温度予想も確認できたはずです。
当然確認すべき資料を確認していなかったと思います。
予報官は気象予報士ではないのです。
次はみっともない予報を発表しないよう願います。

*******
相当温位と湿球温度の関係は

温位エマグラムと湿球温度 ―雨雪判別―


で確認してください。
湿球温度は、毎月各地の気象台で確認されている実験事実でもあるのです。
湿球温度水で濡れたセンサー感部の温度です。
条件は降ってくる雪片の温度は間違えなく0℃以下です。湿球温度0℃で雪は融けません。
雪予想で大気の湿球温度を確認するのは非常に重要です。

2013年2月6日09時館野




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