2013年12月27日金曜日

放射冷却のメカニズム

晴れて風のない明け方、冷え込むのはよく経験することです。
そうした時、地上1.5mの温度計がプラス4℃なのに地表面では氷が張ったり、霜が降りたりします。
この現象を初めて確認した時に驚いたのを覚えています。
ここでは、この現象と放射の関係を考えてみます。
そして、私がこの現象をどのように考えてきたか説明したいと思います。

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 放射冷却はインチキ放射対流理論で、温室効果による温暖化予想に悪用されています。

温室効果は原発推進の小道具です。
  
原発は原爆ゴミの放射能濃縮工場です。
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1.放射によって地表は空気の温度より低くなることはない

放射とは??
 すべての物体は、物体の温度に対応した電磁波を、あらゆる方向に放射しています。放射とは、高温の物体から低温の物体にエネルギーが伝達される現象です。その結果、高温の物体の温度は下がり、低温の物体の温度は上がります。

雲がある場合とない場合の放射

 まず、夜間、上空に雲があるときについて考えてみましょう(図1左)。地表面から放射されたエネルギーの一部は、雲によって吸収されます。雲は吸収したエネルギーを放射します。雲から地表面の方向へ放射されるエネルギーによって、地表面は暖まるため、上空に雲がない場合と比べて、気温は下がりにくくなります。
 次に、夜間、上空に雲がないときについて考えてみましょう(図1右)。地表面から放射されたエネルギーの多くは、雲による吸収がないために、宇宙へと放射されます。雲がない夜は、地表面では上空にエネルギーを放射しますが、雲から地表面へのエネルギーの放射がないために、気温が下がります。つまり、夜間に雲がない場合には、気温が下がり続けます。そのため、冷え込みが厳しくなる時刻は、明け方の日の出前が多いです。

とあります。
ちょっとひっかかる所がありますが、
「2つの物質が放射=電磁波によるエネルギー交換をしても高温の物体は温度が下がり、低温の物体の温度は上がる。」
と解釈しておきます。
また、間違えもありますがそれは後で指摘します。

下の図は放射冷却の大家(?)である近藤先生のページから頂きました。

先生はただの例だとしてますが・・

かなりあやしい図です。なぜあやしいのかは後でわかります。

何故このような現実にはありそうもない例にしたのかはともかくとして、図の大気放射の温度は朝夕とも7℃のようです。
重要なのは赤外放射のエネルギーは絶対温度に依存することです。
空気も物質なので放射します。
観測事実として、雲一つ無い快晴の夜でも大気放射はなくならないのです。

ところで実際に起こる現象
「地上1.5mの温度計がプラス4℃なのに地表面では0℃以下になります」

こんな現象がはたして放射で説明できるでしょうか?

放射でこのような現象が起きたとしましょう。


失礼ながら近藤先生の図中の数字を信用すると、大気放射の方はプラス4℃で334W、地面の放射は315Wになります。

放射で冷えたとすると大気放射からエネルギーをもらいながら冷えたことになります。
エネルギー保存則に反します。

指導原理であるエネルギー保存則に反するわけにはいきませんから、何処かに間違えがある訳です。

地表が0℃で1.5m上の空気は4℃となったのは観測事実です。

残るは・・放射冷却・・放射冷却は誤りです。
もうおわかりだとおもいますが・・放射冷却で冷えた訳ではないのです。

ついでに松江気象台の間違えを指摘しておきます。

松江気象台は
雲がない夜は、地表面では上空にエネルギーを放射しますが、雲から地表面へのエネルギーの放射がないために、気温が下がります。                                                                                                   
としていますが、

雲がないので地表面へのエネルギーの放射が無くなるわけではありません。
雲の在る無しにかかわらず温度が同じなら地表面へ向うエネルギーの放射は同じです。
近藤先生の図で明らか(?)なように、晴れていようが雨が降っていようが7℃の所からは349Wの大気放射があるのです。

しかし、
・・気象大学校を卒業した松江気象台とゆかりある方、そろそろ間違えを指摘して下さい。責任があるのではないですか? 


空間(空洞)の放射については「ステファン・ボルツマンの法則と放射冷却」を参照して下さい。

ここで、ちょっと放射のイメージを説明させてください。

例えば「0℃の空間のなかで7℃の空気粒子たちが放射をする」と「空気粒子と空間は熱平衡になり0℃と7℃の間の温度になります」。

空間の熱容量はあまりにも小さい為、空気粒子たちは7℃のままで空間は7℃になります。
学校のプールに1gの氷を放り込んでもプールの温度がほとんど変わらなのと同じです。

そして熱平衡に達して互いに同じ量の放射をし、また放射を受けるようになります。
ステファン・ボルツマンの法則はこのような考え方から導かれたのです。

それでは、晴れて風の無い明け方に地表付近が何故冷えるのか?
通説(科学的根拠がないので俗説ですが・・)では「放射冷却」で冷えていることになっています。
残念ながら、「放射冷却」が間違えと認識されていませんから謎のままです。

気象予報士さんは晴れて風のない朝に何故冷えるのか分からない訳です。
経験的に「こうしたとき冷えることがよくある」と知っているにすぎません。

原因を解明するのは学者さんの仕事ですが、こんな研究に対して行政屋はお金を出しません。残念ながら解明もされないでしょう。
学生さんが研究しても単位をもらえないかもしれません。
もらえなかったら先生を軽蔑してやって下さい。(リスクが大きすぎますが・・)
結局、私のようなアマチュアが考えるしか無いと思います。


 


2.雲粒の温度
 気象予報士レベルの方なら常識だと思うのですが・・・
 雲は沢山の雲粒が集まって光が散乱して白く見えると言われています。
 散乱するほど雲粒がないと人は雲として認識できません。
 逆にいえば、目に見えないだけで雲一つ無い快晴の空にも雲粒は存在しています。
 そうした雲粒の温度はどうなるのかと考えてみましょう。

  湿球温度計をご存じでしょうか?
 温度計の感部に濡れたガーゼをまいて温度を計ります。
濡れたガーゼがまかれた感部は周りの空気と相互作用してある温度に落ち着きます。
その温度を湿球温度と言います。
湿球温度は同じ気温でも湿度が低いと低くなります。
空気の湿度が100%だと湿球温度は気温と同じになります。

大気中にある雲粒は湿球温度計の感部と条件は同じですので湿球温度になると考えられます。

雲粒が小さいと蒸発しやすくなり蒸発により気化熱を奪われて湿球温度より低くなりますが、ここでは考えません。
雲粒は思ったより大きい可能性がでてきたのです。


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 以下数式の嫌いな方は読み飛ばして下さい。
 気象予報士さんは嫌いでも確認するべきですが・・
 湿球温度Twは次の等式から求めます。

 CpT+(ETd)/P)×LCpTw+(ETw)/P)×L 

 この等式は湿度が高くなると誤差が大きくなりますので、湿球温度の観測は雨が降っていると延期します。

 左辺は空気のエンタルピーと呼ばれるエネルギーと空気1モル中にある水蒸気の潜熱です。
 右辺は湿球温度計の感部近傍のエンタルピーと水蒸気の潜熱です。ETd)は水蒸気圧です。

 ちなみに相対湿度H
 H100×ETd)/ET
 で求められます。Tdは露点温度:Tは気温です。
 ET)はあらかじめ表にされていて相対湿度を計算できるようになっています。
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3.偶然写ったオーブ
次の写真は雲取山の避難小屋です。



天気は快晴でしたが白く映っているのは星でも雪でもありません。
一般的にオーブと呼ばれて、ネットで画像検索すればいくらでも写真を見ることができます。
肉眼では見えないようなので心霊現象的に扱われることが多いようです。
避難小屋の屋根はビッショリ濡れて、屋根から落ちる水を行動用にする人もいます。
私はオーブを「なんだろう?」と思っているうちに「水じゃないか?」と考えるようになりました。
デジカメに写る大きさなら、オーブの温度は湿球温度になるのでは?
「どこかにデータは無いか?」と思ったら、筑波大学が筑波山で気象要素を観測してデータ公開しているのを思い出しました。
筑波山では地表温度も観測していましたので、気象要素から計算した湿球温度と比べられます。

次のグラフは筑波山の4月と1月の湿球温度、気温、地表温です。驚くのは12時を過ぎると地表温度が下がり始めていることです。
夕方、地表温度は湿球温度になります。
こうした事実を近藤先生が知らない訳がない(何かで放射云々で冷えたみたいことを書いていた気がします)ので、前に紹介した近藤先生の例は怪しいのです。

さて、昼過ぎから下がるのか?太陽光が弱まって下がった?・・違います。
太陽光が弱まっても過熱は続いていますので温度の上がるペースがにぶっても下がることはないはずです。
「何かが地表面を冷やしているのです。」と私は考えました。
夕方から地表温は湿球温度に重なります。

 私は次のように考えます。
 目に見えない雲粒が常に降って地表を冷やそうしているが、日中は太陽光がそれをじゃましている。
 しかし、昼を過ぎて太陽光が弱まると地表に到着する雲粒がでてきて地表の温度が下がりはじめる。
 夕方には地表は雲粒の温度である湿球温度に落ち着いて、
 夕方から雲粒が降り積もってきて空気を冷やしていく。
 そして太陽が出る前に地上1.5mの温度計のある所は最低気温を記録する。




冬は地表温と湿球温度は重なりませんが関係は直線になります。(相関係数が高い)
地表温が低くなるのは風の影響があるような気がします。

次のグラフは0から6時のデータで風速0.3m/sec以下のデータを抽出したものです。


 |地表温-湿球温度|<1℃になったデータは赤くプロットしました。
 確かめていませんが、冬でも風が弱いと湿球温度と地表温度は重なるかもしれません。


 ところで雲は何故落ちてこないのか?などと疑問に思ったことはないでしょうか?

システムはかなり複雑だと思いますが、晴れて風のない夜は目に見えない雲粒が落ちてくるのだと思います。
そして、落ちてきた雲粒が沢山溜まり散乱現象を起こすほど多くなったのが放射霧と呼ばれる現象だと思います。

こうしたことをどうやって証明するかは学者さんや学生さんの仕事です。

個人的にはこれで納得しています。

2013年11月8日金曜日

エネルギーからみた地球温暖化問題

「地球を温暖化させるエネルギー」はどう扱われているのか?と思って検索したら、
資源エネルギー庁のページに「エネルギーからみた地球温暖化問題」とか言うものが見つかりました。
 面白い図がありましたので利用することにしました。
ところで、「地球を温暖化させるエネルギー」ついては研究費がでないらしいです。
学者さんはいないようです。(いても力がないか?)


 興味を持っている方が見れば、なにやら温室効果を説明していると分かると思います。
 資源エネルギー庁が温室効果をどのように説明しているのか知りませんので、気になる方は「エネルギーからみた地球温暖化問題」を見て下さい。

さて、温室効果の説明で最近はやっているのが

A:「温室効果ガスが赤外線を再放射して熱が溜まる」とか言うものです。
熱が溜まるというのは温度が上がるってことらしいですが・・
揚げ足取りに思われるかもしれませんが、物理的には熱が溜まると何故温度が上がるのか説明しなければならないのです。
「熱が溜まる」はとっくの昔に否定されている熱素説を使っているのだと思います。

資源エネルギー庁の図はその説明(?)をしているのかもしれません。
少しインチキなのは、図では温室効果ガス増えると宇宙に出て行く赤外線が少なくなるイメージを与えています。
放射に方向性などありませんから地表に向かう赤外線が増えれば、宇宙に出ていく赤外線も増えるはずです。

このあたりは原発を推進したい行政屋のウソです。
温室効果が行政屋に都合がいいのは、うるさい本物の環境派がCO2を減らせば温暖化を防げると思ってくれて、エネルギー消費を減らせと言わないことです。
エネルギー消費を減らせば経済に悪影響がでてくるわけですから・・
経済のみで考える人たちと原爆を人たちが原発を歪に推進させたのでしょうね。

私はAをデタラメだと批判します。

批判1.
(ステファン・ボルツマンから予想される以上の)赤外線を再放射することはありえません。再放射なんて観測事実もない無茶苦茶なデマです。

批判2.
再放射で赤外線が増えれば反射率が変わってしまいます。現実にはそうしたことは起こっていません。

Twitterでいきなりアルベドが変わるからデタラメ説明だと嘆いても(ささやいても)一般受けはしません。

そこで、批判2についてすこし説明させてください。

地球は太陽光を受けています。
その太陽光エネルギーの70%を吸収し30%を反射しています。
太陽光を吸収し続けると、エネルギーが溜まるから地球は融けてしまいます。
それではうまくないので、その70%を地球独特の光=赤外線で放射することになります。
全赤外線のエネルギーは温度の4乗に比例します。

このときの温度を放射平衡温度と言います。
放射平衡温度も温室効果の根拠にされていますので後で説明します。

太陽からもらうエネルギーと地球が赤外放射するエネルギーは同じになります。
太陽からもらうエネルギーが大きくなれば赤外放射は大きくなりますし、逆に小さくなれば赤外放射は小さくなります。

すると、地球の温度が上がるためには反射が鈍くなるしかない訳です。
30%反射していたのが20とか10%の反射になる・・・反射率が小さくなるわけです。
批判2の内容は
お前は反射率が小さくなると言っているのと同じだぞ、そんなこと起こるはずないじゃないか
と私は言っているのです。

実は反射率が小さくなると言えないのです。

????何故か???

答えは、金星の反射率が高いからです。

A:「温室効果ガスが赤外線を再放射して熱が溜まる」は「温室効果ガスは反射率を小さくする」と同じなのです。そうすると、金星の温室効果を説明できなくなるのです。

さて、具体的に放射平衡温度を計算してみましょう。
太陽からもらうエネルギーは反射率0.3で1㎡あたりは1.37×(10.3)=0.959キロワットです。

地球の半径をRとすると断面積はR×πで、太陽からのエネルギーは0.959×R×πとなります。

放射平衡温度をTとすると、地球が1㎡あたり放射する赤外線のエネルギーはB×Tとなります。B5.67×10-8wm-2-4です。

表面積は4×R×πですから地球が放射するエネルギーは4×R×π×B×Tとなります。

放射平衡温度T
太陽からのエネルギー=地球が放射するエネルギーから

4×R×π×B×T0.959×R×π
4×R×πは表面積で、R×πは断面積です。断面積を表面積で割る必要があります。

T0.959/(4×B
放射平衡温度TRに関係がなくなっていることがわかると思います。

計算するとT255Kでマイナス18℃です。
詐欺師は地表の温度がこのマイナス18℃と計算されるが、温室効果で云々と説明します。

しかし、放射平衡温度は地球の半径Rに関係ありませんから、地表でも、エベレスト山頂でもおなじマイナス18℃となります。

放射平衡温度は別の見方をすれば、地球の地表面の温度を計算した訳ではなく、宇宙から見た地球の温度を計算しただけなのです。

繰り返します。
「地表面の平均温度と放射平衡温度の差が温室効果の根拠」だとするバカらしい説がまかり通っていますが、地表面温度と放射平衡温度に関係はないのです。
地表面の無いガス惑星を考えれば納得してもらえると思います。



 宇宙からみれば地球はマイナス18℃に見えるだけで、地球の地表面がマイナス18℃に見えるわけではありません。


 マイナス18は上空5500m当りの温度ですから、観測事実から「地球の放射平衡温度は5500m(500hPa)辺りにある」としか言えません。


 金星が何度に見えるのか知りませんが、その温度と地表面の温度との違いが温室効果によるものだとする説を聞くことがあります。
 温度の差があって当然なのです。
 だって、金星の地表面なんて雲に隠されて地球から見えません。
 我々は地表から50キロほどある雲の表面をみているのです。
 理論的に雲の表面からは地表に向かい100mごと1℃上がります。
 表面から地表面まで500℃上がることになります。

ところで
A温室効果ガスが赤外線を再放射して熱が溜まる
を主張しているのが次のサイトです。

根拠なく温室効果がなければ地球の地表面がマイナス19℃、金星マイナス50℃としているのは詐欺行為です。
もはや科学者ではありません。

このサイトの中で面白い例を揚げていますので紹介します。
電子レンジの中の食品があたたまるのは、赤外線と同様に電磁波の一種であるマイクロ波が電子レンジの中につくりだされ、これが食品中の水分子によって吸収されるためです。
とあります。
食品を暖めるには、電子レンジのスイッチを入れる必要があるのは必ず経験することです。
食品を温めるにはエネルギーが必要だということです。
スイッチをONにせず電子レンジの中の食品が温まることは経験上ありません。
同様に大気を温めるにはエネルギーが必要です。
エネルギー源は人間活動による原発などによるエネルギー消費であることは容易に想像できます。

温室効果では大気を温めるエネルギーを説明できません。 



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