筑波山の地表温度は始め湿球温度で落ち着いています。朝遅くから上がりますが昼からは下がり夕方に再び湿球温度に落ち着きます。*1
現在の気象モデルでは、筑波山の地表面温度*のような観測事実を再現できないと思います。
また、気象の基礎的概念である温位や相当温位は1000hPaを基準としていますが、これは位置エネルギーを無視した欠陥概念であることも分かりました。*2
こうした状況で、地表付近の温暖化など説明できるはずがありませんし、温暖化の事実さえ確認できているのか疑問に思えてきました。
そこで地上を基準とした温位を使い、気象庁で観測された高層データを整理してみようと思いました。
しかし、どのように整理したらよいのか・・・
とにかく秋田の09時観測高層データを使って始めてみます。
北欧(?)に二酸化炭素をお風呂に溜めて下半身温浴する施設があるそうです。
蝋燭の火はお風呂に沈めれば消えることになります。
空気と二酸化炭素の間には本当にマックスウェルの悪魔*が住んでいるのでしょうか?
この偽悪魔が、温室効果とか放射冷却を生みました。
空気は混ざりにくいと言う不思議な性質を持っているのです。
図は参照先から拝借編集しました
赤を二酸化炭素、青を乾燥空気とすると「アッ!」言う間に混ざるはずなのですが・・・
現実にはならない、なっても非常に時間がかかります。
マックスウェルさんなら、悪魔の存在を信じず不思議に思うことでしょう。
気象学者は不思議に思わず、あからさまに悪魔の存在を信じているようです。
1.データ
気象庁のホームページから、秋田の9時高層観測データをダウンロードしました。
期間は1989~2010年です。
要素の気圧、高度、気温、相対湿度から、温位、相当温位、飽和相当温位、湿球温度等も計算しました。
高度は50mで丸めましたので、49mで観測されたデータは高さ0mのデータとして分類されます。
次のグラフは高さ毎に観測された回数です。
グラフでは省略しましたが高度0mは8000回を超えています。
2.高度と気温
気温の高度分布の例は気象庁のグラフで示されるようなものが一般的だと思います。
上の図は気象庁のホームページから拝借しました。
気象庁のグラフでは対流圏では気圧が決まると高度が決まり、温度も決まるイメージです。
まず、ここから確かめてみましょう。
次のグラフは秋田09時観測のデータから30000mまでの平均気温をプロットしたものです。
地上から高度とともに気温は下がりますが17000mあたりから気温は上がります。
参考にした気象庁のグラフから受けるイメージとは違います。
一年を通して平均した影響もありますが、そうした影響を考えてもイメージが違うと思います。
さて、10000mまでを対流圏として拡大してみます。
地表付近が少し歪んでいます。もう少し拡大してみます。
500~10000mは同じ傾きをもっているようにみえますが、500mより下では様子が違います。
さらに拡大して猛暑だった2010年の平均値と比べてみます。
赤でプロットしたのが平年値(1989~2010の平均値)です。
2010年の平均値は平年値とそっくりでした。
年平均したためでしょうが、9時観測の気温の平均では猛暑の夏は読みとれません。
参考に 1500mまでのグラフと各年毎に比べたグラフを秋田09時気温
に用意しました。
グラフでは400m当たりを境に上下で空気の性質が違うように見えます。
平年と2010年は共に200m付近で逆転層ができています。詳細は省略しますが季節的な要因のようです。
湿球温度を加えて9~12月の平年値をみます。
10、11月は複雑な温度分布で100~200m位の所に顕著な逆転層ができています。
何か冷たい空気が溜まっているのだと思います。
3、気温と気圧
さて、気圧と気温の関係を考えてみましょう。
たとえば地上の気圧と気温の関係はどのようなものでしょう。
地上の気圧が下がったからと言って、温度が下がる訳ではありません。むしろ、南風が吹いて気温が上がるかもしれません。
地表が可視光を吸収するため地上気温は春夏秋冬の影響受けるのだと思います。1年を考えれば、地上気圧と地上温度には関係がないはずです。
上空1500m、3000m、5500mではどうでしょう?
空気は、ほとんど可視光を吸収しません。上空にいくほど、春夏秋冬の影響は受けにくいはずです。
・・・・
・・・・
確かめてみましょう。
0m(地表付近に対応)
相関係数は-0.39でした。
逆相関ですから気圧が低くなると気温が高くなる傾向がありそうです。
低気圧が暖気を運んでくる傾向がでているのかも知れません。
地上0m付近の温度は大雑把に-10~+35℃と言った所でしょうか
500m
相関係数は-0.06でした。
「相関無し」と判断してよいでしょう。
1500m(だいだい850hPaに対応すると考えられています)
相関係数は0.48の正相関です。
気圧が高くなれば、気温も高くなる傾向がありそうです。
気圧が高ければ背の高い高気圧のイメージで、空気の層が厚いと考えられそうです。
その分、乾燥断熱で気温が高くなるイメージと一致します。
正相関であることは自然であるように思えます。
冬に西高東低になる影響があるかもしれませんが・・よく分かりません。
3000m(だいだい700hPaに対応すると考えられています)
相関係数は0.87の正相関でした。
高い相関です。
簡単に言い切ってよいか分かりませんが、秋田の上空700hPaは-15~+10℃、690hPaは-25~-5℃である確率が高いと言えるかもしれません。
地上0m付近の-10~+30℃と比べると変動幅は小さいと考えてよいでしょう。
5500m(だいだい500hPaに対応すると考えられています)
相関係数は0.95でした。
高い相関係数です。少しびっくりです。
500hPaでは-30~15℃である確率が高そうです。
感覚的には最低はもう少し低くてもよいと思いますが、この程度なのかも知れません。
標高5500mでは気圧が下がると寒くなると考えてもよいと思います。
地上のイメージとは逆です。
台風が接近して富士山の気温がどのような変化をするか?
ちょっと興味がでてきました。
4000m程度まで上昇流があれば(当然あると思います)、台風接近で富士山の気温は上がるとは思いますが・・
6000mの相関係数0.96、7000mは0.95、8000mは0.95、9000mは0.86でした。
9000mで相関係数が落ちてくるのは対流圏界面?に近づいているのかもしれません。
対流圏界面?ではないかもしれませんが何か空気の性質が異なる層に近づいています。
10000m
相関係数は0.71ですが、黄色のグループと赤いグループの2つのかたまり(クラスタ)があるのがわかります。
グラフから黄色の領域は正相関ですが、赤は逆相関です。
次で分かりますが不思議な逆相関は、どうも年変化によるもののようです。
15000m
相関係数 -0.63の綺麗な逆相関となりました。
正直、風船を飛ばして観測した結果で、こうした相関が確認できるのは驚きです。
さて、何故逆相関なのか?
月別平均値を調べればわかるかもしれません。
15000mの月別気圧と温度を見ましょう。
8月に気圧が高く温度が低くなっています。
秋田では15000m付近で冷たい高気圧に覆われるイメージで、○で示した領域付近は夏に現れたものと考えてよさそうです。
不思議な逆相関の原因は季節変動によって現れた偽相関と考えられます。
標高15000mは冬より夏の方が、気温が低く気圧が高いとの結果です。
秋田県に15000mの山があったとしたら、冬山より夏山の方が危険なのかもしれません。
相関係数は
11000m 0.47
12000m 0.02
13000m -0.35
14000m -0.63
15000m -0.73
16000m -0.72
17000m -0.72
18000m -0.73
19000m -0.59
でした。
20000m
相関係数は-0.40でした20000mを超えると急速に相関は悪くなりました。
20000mを超えると季節的変動がないのかもしれません。
4.逆相関を調べる
15000mに現れた逆相関をもう少ししらべておきましょう。
15000mの気圧はだいたい120hPaが対応していそうです。
次のグラフは、気圧別に観測された回数です。
120hPaには統計処理するのに十分な資料がありそうです。
相関係数-0.79の綺麗な逆相関です。
高度が高くなると気温が低くなりますので、大きな疑問は生じません。
気圧が同じだと高度が高くなると温度がさがります。
月別のデータで確かめます。
気温が高いと高度が低く、気温が低いと高度高くなりました。
(蛇足ですが・・1000hPa基準の温位は、夏は冬に比べて10k以上低くなります。)
ふむ・・・
面白いことがわかりました。
気温から、エンタルピー(Cp×T)と呼ばれるエネルギーがわかります。
勿論、高度からは空気の位置エネルギー(mgh)が計算されます。
温位は
Cp×温位=エンタルピー + mgh
でした。(乾燥断熱減率と温位エマグラム 参照)
(Cpは定圧モル比熱で、運動の自由度の数によって値が決まります。自由度5の分子に振動の自由度が加わって6になるとCpは14%位?大きくなってしまいます。CO2の温室効果論で振動の自由度が話題になることがありますが、Cpは大きくなっていません。地球の温度程度ではCO2に振動の自由度なんて現れません。温室効果で振動の自由度を言うのは悪質な嘘です。)
温位にCpを掛ければ、それはエネルギーを意味します。
温位は乾燥空気の持つエネルギーに対応します。
温位の月別平均をみてみましょう。
ここでの温位は1000hPaではなく、地上0mを基準としたものです。
気温の変動幅はMAX-53.3 MIN-66.0 の12.7℃(=12.7K)
温位の変動幅はMAX364.2 MIN 359.6の4.6K
で気温の変動幅の半分になりました。
月別の120hPa空気のエネルギーは一定とまではいきませんでしたが温度でみるほど性質(エントロピー)が違う訳ではなさそうです。
・・・・?・・・・
ところで
気圧は同じで、大気を持ち上げたり下げたりするわけではないのでエンタルピーをつかうべきではないのかもしれません。
温位はエンタルピー+位置エネルギー(CpT+mgh)をCpで割って求められます。
?? 自由エネルギー+位置エネルギー(Cv+mgh)が一定になるのかもしれません。
空気1モルの運動エネルギーを足し合わせたものが自由エネルギーです。
自由エネルギー+位置エネルギーを温位のようにCvで割ってグラフにしてみると
この温度(?)の変動幅はMAX422.52 MIN419.35の3.2Kで
素直にエネルギーの変動幅としてみると
MAX8782 MIN8717の 65(j)の変動幅でした。
ただこの温度は物理的な根拠が不明なのでこれ以上深入りしません。
このわけの分からない温度は別にしても
・・・・・・・・・・・・
風船を飛ばして15000m程度の空気を観測した結果から、綺麗にデータが整うのは観測データが正確だと言うことだと思います。
正直、驚きです。
5.高度と温位
次のグラフは温位の高度分布です。
気温と比べてみましょう。
温位でみると、傾きが違うA、B、Cの領域が見えてきました。
気温の折れ曲がり(不連続)はBとC領域の境界のようです。
猛暑だった2010年と平年値(1989~2010年の平均)を比べてみます。
断言はできませんがC領域がA領域まで影響を与えているとは考えにくいので17000mまでを比べます。
2010年ですが
2010年は6000~1000mの平均温位が高いことがわかりますが・・、あまりイメージがふくらみません。
エネルギー平年値(1989~2010年の平均)と2010年の偏差を取ってみましょう。
ちょっと、分かりにくいですが・・・
温位をは1モルの空気のエネルギーに対応しています。
しかし、1モルの空気の体積は地上と500hPaでは違ってしまいます。
エネルギーを調べるなら単位体積当たりのエネルギーを調べるべきです
6空気のエネルギー密度
6空気のエネルギー密度
温位にCpを掛けると、乾燥空気1モル当たりのエネルギーになります。
そして、1モルの状態方程式PV=RTからV=(RT/P)を求めてエネルギーをVで割ると1㎥のエネルギーになります。
高度は50mで丸めてありますから、必要なら求めた値に50を掛ければよいことになりますが、ここでは50を掛けることはしませんでした。
次のグラフは、このように計算して平年値(1989~2010年の平均値)と1992、2010年の偏差です。
次のグラフは空気1㎥が持っている平年値です。
どこまでの高さを用いるべきか不明ですが、今回はB領域を含む17000mまでの平年値とのエネルギー偏差を見ていきます。
次のグラフは年ごとに17000mまでのエネルギー偏差を足し合わせたものです。
同期間の秋田の年平均気温の偏差と比べてみましょう。
偏差は各年の平均気温から1989~2010年の平均を引きました。
概ね同じような傾向を示しています。(エネルギー偏差と気温偏差の相関係数は0.71でした)
9時観測のエネルギー偏差を用いても温暖化しているのか?調査できるかもしれません。
1993と2010年について平年とのエネルギー偏差を示します。
冷夏?
猛暑?
先ほどの「エネルギー偏差を足し合わせたもの」とは、このグラフの値をを全部足し合わせたものです。
7.2010年のエネルギー偏差
2010、1993年の月ごとのエネルギー偏差を少し見ておきます。
2010年の夏は猛暑だったと思います。
この年の特徴なのかもしれませんがエネルギー偏差のバラツキ(分散)が大きい(?)領域がありそうで、領域は3つにわかれそうです。4月に下層で平年よりエネルギーが大きくなっています。
バラツキの大きい領域はせまく高度が高くなりました。等気圧面の高度があがっているのかもしれません。
6月からは全体的に平年を上回っています。8月はエネルギーが一様に平年より高くなっています。かなり特徴的な分布です。
空気1㎥の8月の平均エネルギーは地上0m付近は12143J、14000mは3055Jでした。
その地上と14000mの空気エネルギーがともに30~60J高くなったと言うことです。
正直言うと、感覚的に受け入れがたい結果です。
夏に太平洋高気圧が強まって暑くなったと解説されるのが一般的だと思いますが・・
同一気圧面の高度が高くなった結果なのかもしれません。
そうなら、高気圧の客観的(数値的な)な指標を得たことになります。
もう少し調べる必要がありますが・・・宿題にします。ゴメンなさい。
空気1㎥の8月の平均エネルギーは地上0m付近は12143J、14000mは3055Jでした。
その地上と14000mの空気エネルギーがともに30~60J高くなったと言うことです。
正直言うと、感覚的に受け入れがたい結果です。
夏に太平洋高気圧が強まって暑くなったと解説されるのが一般的だと思いますが・・
同一気圧面の高度が高くなった結果なのかもしれません。
そうなら、高気圧の客観的(数値的な)な指標を得たことになります。
もう少し調べる必要がありますが・・・宿題にします。ゴメンなさい。
8.1994年のエネルギー偏差
1993年は米不足となった、冷夏の年だったと思います。
バラツキの大きい領域とは言えそうもありませんが、全体を3つの領域に分けてよさそうです。4月は平年と比べ全体的(高高度まで)にエネルギーが平年より低くなっています。
強引ですが、下層と上層を分ける領域はせまく6月にあがった後の高度はあまり変わらないようにみえます。5と7月の地上付近は平年並みに言えますが他は平年より低く、やはり8月の分布は特徴的で地上から高層(17000m)まで一様にエネルギーが低くなっています。
1000hPa基準の温位は位置エネルギーの項を無視していますので、多分こうした分布は現れないと思われます。
********
この2事例でエネルギー偏差が長期予報に役にたつのか分かりませんが、猛暑や冷夏をはっきり表現していました。
まだ相当温位については考察していませんが・・
相当温位で調べられるのは5000m程度まででしょう。
相当温位で調べられるのは5000m程度まででしょう。
・・・・これも宿題・・・
)まで5分程度です
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原発を使うべきかの議論を国民にしろと言います。
しかし、原発についてどのような説明があったのか?不信感でいっぱいです。
ベントには圧縮空気が必要ですが、その圧縮空気が無くてメルトスルーがおきました。
ベントが正常にできなかったのです。
原子力安全・保安院は、地震による重大な破損はなかったとしていますが実際は地震で空気配管が壊れベントができなかったのです。
そのことは、原子力安全・保安院、電力会社、専門家はわかっています。
確かに、定義では空気配管の破損は重大な破損の範疇にはいらないので「うそ」にはならないのでしょう。
しかし、実質上の嘘です。
信じられない思いですが、国を危険にさらす役人がいるのです。
このような嘘の塊のような原発情報の中で議論などしても何の解決策もありません。
単に、政府=役人の責任逃れとしかおもえません。
原発40年廃炉を実質上捨ててしまったのは、廃炉にすると放射性物質の処理ができないことがアカラサマにバレテしまうからです。
放射性物質の処理に
モンゴルの大地に埋めてしまえというのがありました。
50年前の太平洋に捨ててしまえと同じ発想です。
危険であり、人道的に反しますがこの程度の案しかないのです。
基本的な処理案は50年前から無く、これから先もでてきません。
技術の進歩でどうにかなると言うものではないのです。
廃棄と言うと燃やすことをイメージするのが一般的ですが、
放射性物質の放射能は燃やしても消えません。
何万年も待つだけです、どうにもならないのです。
良い・悪いは別にして、唯一の方法は世界中にばらまいて放射性濃度を低くすることです・・それも限界があるでしょう。
大量の核兵器保有国ですら、原発の燃料に加工して世界中にばらまこうとしているようにしか見えません。
つまり、制限条約で廃棄した何万の核爆弾をどうやって処理しているのか?
原発の燃料にして売っている国もあるのです。(日本経済新聞で読みました)
原発は核兵器と切り離して考えてはいけません。
原発は核戦略の一部だと考えるべきです。
核の平和利用などないのです。
・・・・・・
そんな方向に日本は進んでいるようにみえます。
戦後は終わったとのフレーズが昔あった気がしますが、
どうも戦後は終わっていないようです。