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2011年10月8日土曜日

筑波山 地表温の謎

もとデータは「筑波山気象・水文観測プロジェクト」からダウンロードしました。
筑波山気象・水文観測プロジェクトのホームページは
http://mtsukuba.suiri.tsukuba.ac.jp/
データがダウンロードできるページは
http://mtsukuba.suiri.tsukuba.ac.jp/sub6.html

機器構成
http://www.weather.co.jp/mtTsukuba/drawing/mtTsukuba_gif_2.gif

気温は地表から 1.5メートル
地表温は地表
地温は地表から マイナス1センチ
の温度です。

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気温・地表温・地温の関係は多分ほとんど謎なのだと思います。
知っているようで知らない、わからないけどわからないと言えないから放射冷却や温室効果のようなデマがはびこっているのだと思います。
地表温が昼頃から下がる観測事実は放射などで説明できるものではありません。 
気象が科学なら情けない話だと思います。

再び温度の日変化を季節ごとにながめて、少し想像してみました。

 季節わけですが・・・
地温が0℃を下回ることがあるのは123月と12月ですが12月はわずかでした。
 123月を冬季とし3カ月単位で季節わけをしました。

              冬季 日変化(気温・地表温・地温)
         春季 日変化(気温・地表温・地温)
          夏季 日変化(気温・地表温・地温)
          秋季 日変化(気温・地表温・地温)

 グラフの黒丸(●)は気温・地表温・地温それぞれの最大値です。
 地表温の最大がでるまで5つのステージがありそうです。
 ここではABCDの4つのステージについて色分けしてみました。

 A:明け方(前?)にかけてゆっくり各要素の温度が少し下がる
 B:日照が出て地表温が地温に追いつく
 C:地表温と地温が共に上がる
 D:地表温が昼にかけ昇温ペースが鈍り最大に達する

 5つめのステージはBやCのステージが終わって急激に地表温が上がるステージです。
 昇温のペースが上がるのは日射量が多くなるのと夜露が完全に蒸発したためと想像しています。

Aにつて各温度について0時の値と最低温度の差は
冬 気温 0.6℃ 地表温 0.6℃ 地温 0.4
春 気温 0.3℃ 地表温 0.5℃ 地温 0.7
夏 気温 0.3℃ 地表温 0.3℃ 地温 0.5
秋 気温 0.3℃ 地表温 0.5℃ 地温 0.4
有意な違いがあるのか疑問ですが経験から下がると考えてよいと思います。

1.ステージAと放射冷却
変化が小さく面白くないので晴れて、風の無い日の冷却現象について考えてみました。
Aのステージにおいて地表温は他の温度より低く対流は起こりませんから地表温と気温は無相関と考えられます。
データは風は吹かないとして 06時で風速0.3未満の気温と地表温を拾いました。

全データ数は866でした。
赤丸は|気温-地表温|<1.0℃のデータをプロットしたものです。
データ数453で全データの52%になります。
地表温が1℃以上高かったケースは708%、低かったのは34340%でした。
見ただけで資料の半分は1℃程度の差でX=Yの直線に載りそうだと判断できます。
回帰式も直感的に書けそうです。
Xを気温、Yを地表温とすれば
X=YB
気温-地表温の平均は1.5℃でしたのでBはおおよそ1.5としても大きくはずれないでしょう。

エクセルで計算させたら相関係数0.96回帰式
X0.96Y1.8
となりました。
蛇足ですが、相関係数と傾きが同じ値になったのは偶然です。

私は、オーブのような目に見えない降水が冷やしていると考えていますが・・・
この結果は私の考えを否定するものではなさそうです。

2.地表温がゆっくり上がるステージ
地表面がゆっくり上がるステージはBCがありそうです。
B:地温は一定で地表温が地温に追いつくまでのステージ
C:地表温が地温に追いついた後に地表温と地温が共に上がるステージ

ステージCは春と夏に顕著になります。秋と冬には無いようです。

私が分からないだけかもしれませんが何か不思議なことが起きているようです。
事実を並べてみましょう。
Cが現れる季節は地中温が24時間気温より高くなっている。結果、気温と地中温は交わらない。
Cの領域は地表温が地温を暖めているようにみえます。また、温度の上がり方は鈍い。
日射量の違いもあるでしょうが・・・

さて、Cのあとの地表温や地温の上がり方から比べると熱容量が大きくなるいと考えられます。(熱容量が大きいと言えば水・・?)
地中の水分量の影響?温度上昇の鈍さ(熱容量)は説明できますが・・地表温と地温が同時に上がる理由にはならない。

地表温の最高(A)-最低(B)は
冬 地表温最高  8.5℃  地表温最低 -  3.0℃  AB  11.5
春 地表温最高 22.1℃  地表温最低     9.0℃  AB  13.1
夏 地表温最高 25.2℃  地表温最低     17.5℃  AB   7.7
秋 地表温最高 13.1℃  地表温最低      4.4℃  AB  8.7
これもヒントにならない。・・・

グラフからは気温と地温が同じだと地表温はストレスがなく上がると読み取れます。
地温が高いとCの現象があらわれる?根拠にならない。
データに立ち返りましょう。




不思議ですが、7月はなにかが地表を冷やしているようです。
この冷却が偶然Cになったのかもしれません。


これ以上は私の力で解決できそうにありません。

3.ステージD
地表温の日変化をどのよう考えたらよいでしょうか?
実はグラフ書いて地表温の日変化を初めて考えました。
ショックをうけたからです。
どうしてショックをうけたのか少し説明させてください。

例えば気温ですが・・・
気温の主な熱源は地表面です。
地表は空気を暖め順繰りに少しづづ上空の空気を暖めていきます。
地表が空気を1℃上げる時。
初めは地上1メートル程度の空気でよいのですが、時間が経過するにつれ地表から2メートルまでの空気を暖めます。
さらに100メートル、そして1500メートル程度まで温めます。
*1500メートルは850hPa位まで等温位になると言う経験則です。大雑把な最高気温予想に利用されていました。
時間経過とともに1℃暖める空気の量が指数関数的に多くなるのです。
結果、気温は次第に上がりにくくなります。
地表温はどうでしょう。
南中時にかけては日射量が大きくなるステージですから温度の上昇は加速されるはずです。
地温や空気を暖める熱量と日射で得る熱量がバランスするまで上がり続けるはずですから午後(夕方?)にピークがでてよさそうです。
明らかに事実はこうした想像と違う。
地表温は一番日射量の多い南中時を過ぎると温度下がってしまいます。
なにかが地表を冷やしています。
こうした冷却圧力とのバランスをとり昇温ペースが弱まるようです。
想像している地表を冷却する力は思った以上に強いようです。


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天気解説を聞いていると「雲のお布団」理論がはやっているようです。
雲が地表の熱が逃げるのを妨げているかのような話です。
放射冷却と同様なデマです。

ちゃんと「雲」の温度を推測すべきなのですが資料をたしかめていないのですね。
しかしデマはいけない少なくともデータをふくめ根拠がありません・・・

ちょっとはやいですがやがて雪の季節になります。
湿球温度の高度分布を見れば雪雨判断が容易です。
同時に「地表が雲の温度より低くなることはない」ことがわかるのですが・・・
まだ、みないかなあ?

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