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2011年6月9日木曜日

原子力発電所の水素爆発について メモ21

日本の原子力発電所では平常時よく「原子炉隔離時冷却系」の事故が起きています。
去年、平成22年9月2日
福島第一原子力発電所では「原子炉隔離時冷却系」が働かなかった事故がありました。
大事故が起こった「今」でないと、この事故対応のひどさはわかりません。
今回はこの事故について、考えたいと思います。
経済産業省と原子力安全・保安院は


この文書で、「東京電力に事故原因の徹底究明」を求めていますが口先だけでした。


事故の概要
原子力発電所は、平成22年9月2日5号機を稼働する中、月1回の原子炉隔離時冷却系試験を実施しました。
ところが、圧力容器からの超高圧の蒸気がイッペンにタービンに入り高速回転をさせました。このままでは、圧力容器が壊れる(メルトダウンするような事故につながる)のでタービンが自動停止しました。

*今回の事故前、1号機の圧力容器は約7MPa程度だったそうです。(田中 三彦先生 「世界 5月号」岩波書店)70気圧位の圧力はあったことになります。タービンが壊れていないか心配です。


原因は2つです。

1 蒸気加減弁が何故か全開状態になっていたこと
2 リレーが外されていたことです



蒸気加減弁はイッペンに超高圧蒸気がタービンにいかないように閉じられているべきです。
その後、タービンに入る蒸気を制御しながら圧力容器を冷やすはずです。

この事故にたいする東京電力の言い訳が

福島第一原子力発電所5号機における保安規定違反(改善指示)について


です。

そこに、調査状況が書かれています。
しかたないから書きますが(電気設備の点検整備に詳しい方がいれば一緒に読んでもらってください)
橙色文字は私のコメントです。

2.調査状況
  調査の結果、以下のことがわかりました。
・5号機の原子炉隔離時冷却系の制御盤を確認したところ、信号ケーブルが取り外されており、
  作業表示札が取り付けられていたこと。
・平成22年8月16日に当該系統のタービンへ供給する蒸気の量を加減する蒸気加減弁を制御
 する信号ケーブルを取り外していたこと。
・取り付けられていた作業表示札は、本来、定期検査中である6号機の原子炉隔離時冷却系の
  点検で使用されるべきものであったが、記載された内容は5号機の信号ケーブルを取り外す
 ことを示す内容となっていたこと。
定期検査中ですから、6号機は止まっていたと思います
・作業表示札の作成者は、制御盤の信号ケーブルを取り外す作業を検討するために、図面を
  管理するシステムから使用する図面を印刷する際に、本来6号機を選択するところを、誤って
  5号機を選択し図面を印刷・使用したことから、作業表示札の記載内容が5号機の信号ケーブル
  を取り外す作業内容となったこと。
何故、リレーを取り外す検討するのかよく分からない。何の作業か?検討しているのに、
 いつの間にか取り外す作業が決定して準備をしている。
・5号機と6号機の図面を確認したところ、対象プラントと制御盤の番号以外はすべて同一の
  記載であったこと。
・審査・承認の段階において、ケーブル取り外し箇所の確認は行ったが、違うプラントの図面とは
  考えていなかったため、作業対象プラントの誤りには気がつかなかったこと。
稼働中の5号機と停止中の6号機とを間違えたあ~?
・現場当直員は、定期検査中である6号機の作業に従事していたが、他の6号機の作業において、
  5号機の設備を隔離した上で作業表示札を取り付けた経験があったことから、今回の場合も、
  何らかの理由により5号機のケーブルを取り外すものと考えていたこと。
ふざけるな 何らかの理由を調べろよ!
 
・・・・・・・

なにか悪い夢を見ているようです。
稼働中の原子炉のリレーをとってしまう?
… …
蒸気加減弁が何故か全開状態になっていたことの言い訳はありません。
ひどいと思ったのは私だけではないようです。
 私はタービンが傷ついた可能性はかなり高いと思います。

経済産業省や原子力安全・保安院の反応はわかりませんが・・・
これで、通ったのでしょう。・・・・・正式文書もあるようです(資料省略)。
事故が起こったのは平成22年9月2日です。

ここで、指摘しておきたいことがあります。
事故が起こった当日は当然、原因不明です。
しかし、「原子炉隔離時冷却系」は動かないことは分かっています。
当日、東京電力は次のプレスを出しています。
平成22年9月2日

内容は
**************************
<概要>
(事象の発生状況)
・平成22年9月2日、5号機において・・云々・・
(今後の対応)
・・云々・・
(安全性、外部への影響)
・本事象によるプラントへの影響はなく、安定に運転を継続しています。
・・・
*****************
……
……
「原子炉隔離時冷却系」が動かないのに原子炉を止めません。
この状態で原子炉の運転を続けるのは許されません。正気の判断ではありません。大量殺人未遂です。
全電源喪失が起これば、即、メルトダウンです。もっと悲惨な状態になるかもしれません。
こんな状態、法律で許されているのでしょうか?
経済産業省と原子力安全・保安院はミスで「原子炉隔離時冷却系」を止めたことを怒っていますが、運転を続けたことを怒っていません。
経済産業省と原子力安全・保安院は自分が何故怒ったのか分からないようです。
原子炉隔離時冷却系が動かなければ、もしもの時にメルトダウンがおこるかもしれないからです。
だから、怒っているはずです。
なぜ、運転を続けたことを怒らないのでしょうか?
もしもの時にメルトダウンが起こってもよいと思っていたのでしょうか?

馬鹿野郎!!

経済産業省 原子力安全・保安院 東京電力
こつらにらに原子力発電を任せておいてはいけません。

安全に対しこんないい加減な考えしかもてない国が
いくら安全指針をだしても誰も信用でしません。そんなもの頼りにすべきではありません。

信用したいと言った知事さんはどう思うでしょう?県民の皆さんの命を守る義務があるのですよね。
しかし、
原子炉隔離時冷却系が動かないのに原子炉を止めなくてもいいなんて法律だったらザル法だな?
東京電力はこの時の所長を処分しているのだろうな?今の所長なんてことがあるのか?今の所長ならブラックユーモアなんて、笑って・・・いられないか。

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